ようやく、3.11を詠もうと思った。
マスコミは、潮が引くように特番を終えた。
テレビは、以前のようにお笑いを中心とした番組に戻った。
誠に陳腐である。
ぼくは、昨日従兄の連れ合いの葬儀に出かけた。
高速をひたすら、千葉に向かった。

「そうか、もうそういう年なんだな!」
そう思うと、哀しみが深い場所で芽吹いた。
齢を重ねると云うことは、永劫のわかれに遭遇することでもあるのだ。
あの3.11は、齢を重ねていない善男善女を襲った。
筆舌に尽くし難い、とはこの事である。
中野重治の詩に、花の別れというのがあった。

「東北大震災祈りのかたち紫木蓮」

花に別れのたとえもあるさ
さよならだけが人生だ

云い得て妙である。
従兄もこれから寂しくなるだろう。
その寂しさは、間もなく自分にも降りかかって来る。
そう言った種の、寂しさであって哀しみである。

だがしかし、人はその永劫の別れを詠う。
永訣こそが詩情を膨らませる・・・。
そう云う事もある、のだ。
今日は朝から氷雨が降っている。
寒の戻り、である。
荒 野人
マスコミは、潮が引くように特番を終えた。
テレビは、以前のようにお笑いを中心とした番組に戻った。
誠に陳腐である。
ぼくは、昨日従兄の連れ合いの葬儀に出かけた。
高速をひたすら、千葉に向かった。

「そうか、もうそういう年なんだな!」
そう思うと、哀しみが深い場所で芽吹いた。
齢を重ねると云うことは、永劫のわかれに遭遇することでもあるのだ。
あの3.11は、齢を重ねていない善男善女を襲った。
筆舌に尽くし難い、とはこの事である。
中野重治の詩に、花の別れというのがあった。

「東北大震災祈りのかたち紫木蓮」

花に別れのたとえもあるさ
さよならだけが人生だ

云い得て妙である。
従兄もこれから寂しくなるだろう。
その寂しさは、間もなく自分にも降りかかって来る。
そう言った種の、寂しさであって哀しみである。

だがしかし、人はその永劫の別れを詠う。
永訣こそが詩情を膨らませる・・・。
そう云う事もある、のだ。
今日は朝から氷雨が降っている。
寒の戻り、である。
荒 野人