goo blog サービス終了のお知らせ 

エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

甲斐の国は深い靄の中にあった

2010年12月16日 | ポエム
雨上がりの早朝は、山が靄に包まれ幻想的な雰囲気を湛えるのである。






        山が滴る


      山が煙る
      靄が山あいにかかる
      靄の不思議な効果が
      網膜に何物も結ばず
      ただゆらりとして
      山が煙る
      のである

      山が靄に包まれる
      そうして
      煙る

      山が煙る
      靄に抱きすくめられる
      一木一草が湿気る
      山の主が
      重々しい足跡を刻む

      山の主が
      山を煙らせ
      山を滴らせる

      山が滴る
      網膜に収まりきらない
      何物も結ばない
      山が滴る
      のである

      ぼくは
      山で遊ぶ
      ぼくは煙り
      滴る山と話す
      会話が靄となって上昇気流を
      作った






美しき山水画の世界の中にあるのは甲斐の国である。



一羽のカラスが横切っていった。
生き物の世界は具体的である。



山々のただ中で暮らす人々の豊かさが思われるのである。



静かに時間が流れ、静かに洞察と理解が進んでいく。
ここで生きる人々の静謐な思考が羨ましくなっている。






にほんブログ村 シニア日記ブログ 団塊の世代へにほんブログ村
                     荒野人