国境、宗教、民族、人種を越えた平和の祭典だった。
閉会式。
国ごとに入場することなくグチャグチャ。
各国の選手が入り乱れてお祭り騒ぎをしている。
日本の国旗のそばにはザンビアのプラカード。
見事に国境、宗教、民族、人種を越えましたね。
開会式では、参加できなかったインドネシアと北朝鮮の国旗を本部で掲げた。
政治を越えてすべての国が集うのがオリンピックだからだ。
2020年の東京オリンピックでは『旭日旗』を掲げるのがOKだそうだけど、やめた方がいいよ。
そこには政治的なメッセージがあり、不快に思う国があり、平和の祭典が台無しになってしまう。
全然、楽しくない大会にしたいのなら、どうぞやって下さい。
旭日旗を掲げる「今の日本は世界に見せたい日本ですか?」
………………
登場人物たちがすべて報われましたね。
まーちゃん(阿部サダヲ)。
国境を越えた平和の祭典を実現できた。
治五郎先生(役所広司)には、
「面白い! 実に面白い! 田畑、私は改めて君に礼を言うよ。ありがとう」
と言われた。
菊枝さん(麻生久美子)は「ご苦労様でした」
五りん(神木隆之介)も報われた。
出入りをふたたび許され、子供が生まれた。
祖母のシマ(杉咲花)が走り、父の小松勝(仲野太賀)が走った芝から浅草までを走り、志ん生(ビートたけし)の『富久』が絶品であることを確認できた。
父親を追い求めていた五りんは、今回やっと父親を取り戻せたのだ。
そして本人も父親になった。
志ん生も報われた。
芸人にとっての勲章とは何か?
芸を褒められること。
「俺の『富久』どうだった?」
「絶品です」
芸人にとっては、これだけで十分なのだ。
金栗四三(中村勘九郎)も報われた。
54年ぶりにストックホルムを訪れて、ついにマラソンを完走!
そのタイムは「54年8ヶ月と6日、5時間32分20秒」
まさか最後にこういう仕掛けをしてくるとは!(笑)
人は自分に欠けたものを追い求めて生きている。
まーちゃんの場合は『東京オリンピック』。
五りんは『父親』。
志ん生は『絶品の芸』。
四三は、本人はとっくに忘れてしまっていたが、『ストックホルムでのマラソンの完走』。
人の成功に大小はない。
要は自分が満足するか。
欠けているものを埋められるか。
この点でまーちゃんたちは幸せであったことだろう。
四三は金メダルを獲れなかったし、聖火ランナーにもなれなかったが、「54年8ヶ月と6日、5時間32分20秒」という記録を残せた!
………………
一方、そんな最終回にも関わらず、相変わらずフラフラしているやつがいる(笑)
美川秀信(勝地涼)だ。
ネットでは、
「美川は国立競技場の前でダフ屋をやってるに違いない」
「選手のブロマイドを売ってるに違いない」
と美川探しがおこなわれていたが、何とストックホルムにいた!
金栗夫妻には相変わらず気づかれていないけど、後ろの影の人物は美川?
美川、やはり侮れない……。
ゴキブリのようにしぶとい……。
志ん生を乗せたタクシー運転手として宮藤官九郎さんが出ていたが(コーヒーのCMと逆)、遊び心あるなあ。
というわけで、
金栗四三がストックホルムで完走したように、『いだてん』完走しました!
登場人物たちが走っていたように、僕たちも走り続けたいですね。
たとえゴールが見えなくても、困難があってくじけそうになっても。
『すっすっはっはっと走る四三』や『しゃべりまくるマーちゃん』を心に刻めただけで、この作品は成功だと思います。
閉会式。
国ごとに入場することなくグチャグチャ。
各国の選手が入り乱れてお祭り騒ぎをしている。
日本の国旗のそばにはザンビアのプラカード。
見事に国境、宗教、民族、人種を越えましたね。
開会式では、参加できなかったインドネシアと北朝鮮の国旗を本部で掲げた。
政治を越えてすべての国が集うのがオリンピックだからだ。
2020年の東京オリンピックでは『旭日旗』を掲げるのがOKだそうだけど、やめた方がいいよ。
そこには政治的なメッセージがあり、不快に思う国があり、平和の祭典が台無しになってしまう。
全然、楽しくない大会にしたいのなら、どうぞやって下さい。
旭日旗を掲げる「今の日本は世界に見せたい日本ですか?」
………………
登場人物たちがすべて報われましたね。
まーちゃん(阿部サダヲ)。
国境を越えた平和の祭典を実現できた。
治五郎先生(役所広司)には、
「面白い! 実に面白い! 田畑、私は改めて君に礼を言うよ。ありがとう」
と言われた。
菊枝さん(麻生久美子)は「ご苦労様でした」
五りん(神木隆之介)も報われた。
出入りをふたたび許され、子供が生まれた。
祖母のシマ(杉咲花)が走り、父の小松勝(仲野太賀)が走った芝から浅草までを走り、志ん生(ビートたけし)の『富久』が絶品であることを確認できた。
父親を追い求めていた五りんは、今回やっと父親を取り戻せたのだ。
そして本人も父親になった。
志ん生も報われた。
芸人にとっての勲章とは何か?
芸を褒められること。
「俺の『富久』どうだった?」
「絶品です」
芸人にとっては、これだけで十分なのだ。
金栗四三(中村勘九郎)も報われた。
54年ぶりにストックホルムを訪れて、ついにマラソンを完走!
そのタイムは「54年8ヶ月と6日、5時間32分20秒」
まさか最後にこういう仕掛けをしてくるとは!(笑)
人は自分に欠けたものを追い求めて生きている。
まーちゃんの場合は『東京オリンピック』。
五りんは『父親』。
志ん生は『絶品の芸』。
四三は、本人はとっくに忘れてしまっていたが、『ストックホルムでのマラソンの完走』。
人の成功に大小はない。
要は自分が満足するか。
欠けているものを埋められるか。
この点でまーちゃんたちは幸せであったことだろう。
四三は金メダルを獲れなかったし、聖火ランナーにもなれなかったが、「54年8ヶ月と6日、5時間32分20秒」という記録を残せた!
………………
一方、そんな最終回にも関わらず、相変わらずフラフラしているやつがいる(笑)
美川秀信(勝地涼)だ。
ネットでは、
「美川は国立競技場の前でダフ屋をやってるに違いない」
「選手のブロマイドを売ってるに違いない」
と美川探しがおこなわれていたが、何とストックホルムにいた!
金栗夫妻には相変わらず気づかれていないけど、後ろの影の人物は美川?
美川、やはり侮れない……。
ゴキブリのようにしぶとい……。
志ん生を乗せたタクシー運転手として宮藤官九郎さんが出ていたが(コーヒーのCMと逆)、遊び心あるなあ。
というわけで、
金栗四三がストックホルムで完走したように、『いだてん』完走しました!
登場人物たちが走っていたように、僕たちも走り続けたいですね。
たとえゴールが見えなくても、困難があってくじけそうになっても。
『すっすっはっはっと走る四三』や『しゃべりまくるマーちゃん』を心に刻めただけで、この作品は成功だと思います。
>全然、楽しくない大会にしたいのなら、どうぞやって下さい。
私は最初から2020年は「全然、楽しくない大会」だと思っていますので、呆れ具合が増大するだけのことです。
>国境、宗教、民族、人種を越えた平和の祭典だった。
>閉会式。国ごとに入場することなくグチャグチャ。
これ、現在まで記憶に残っており、「最高の演出」だと思っていました。
しかし、本作によれば運営側が選手たちをコントロールできなかったことによる偶発的事態だったのですね。
おそらくは史実を踏まえているのでしょう。
この辺、ちょっと複雑な思いです。
>登場人物たちがすべて報われましたね。
何とも慎ましい「報われ方」ですね。
まあ、それが人生の現実であることには間違いないのですが、視聴者のカタルシスには結びつきそうもありません。でも
>そのタイムは「54年8ヶ月と6日、5時間32分20秒」
これは金栗四三についての有名な史実で、映像も本物の金栗氏だったようです。
>人の成功に大小はない。要は自分が満足するか。欠けているものを埋められるか。
敢えて「リアルで、慎ましく報われる」物語にとどめたところが宮藤官九郎流なのでしょうね。
派手な「感動のフィナーレ」とすることにより、手放しの「オリンピック賛美」に流れることが無かったところが良かったと思います。
いつもありがとうございます。
閉会式でゴチャゴチャになるのは今も続いていますよね。
これが1964年の東京オリンピック発であったことは知りませんでした。
しかも意図されたものでなく偶然であったとは!
カタルシスに関しては、僕は田畑と四三に関しては感じました。
特に四三に関しては上手いまとめ方。
ストックホルムも粋なことをしましたね。
志ん生に関しては、これが芸人の勲章なんだ、という作家の意思を感じました。
とは言え、
今作は基本『落語』なので、劇的に盛り上げるということをしないんですよね。
「感動のフィナーレ」よりはいかにきれいにサゲるかに焦点が置かれている。
そして、おっしゃるとおり、これが宮藤官九郎流。宮藤官九郎のスタイル。
本文最後にも書きましたが、
僕は『走る金栗四三』はずっと忘れないと思います。
おそらく人生の節々で思い出して、走る力を与えてくれそう。
これだけでも収穫があったと思っています。