amazonプライムの実写版『沈黙の艦隊』を観た。
「われわれは今ここに〝独立国やまと〟の建国を宣言する」
ド右翼のドラマだねえ。
その思想は「対米自立」「自主独立」。
かわぐちかいじさんって、そういう思想の人だったっけ?
何しろ「シーバット」から改名した原子力潜水艦の名前が「やまと」。
その「やまと」がアメリカ第3艦隊と戦って空母エイブラハム・リンカーンを沈める。
第七艦隊との戦いでは空母ドナルド・レーガンにトマホークミサイルを撃ち込む。
まるで太平洋戦争の戦艦大和の復讐戦のようだ。
この〝やまと〟の戦いに官房長官の海原渉(江口洋介)は乗る。
対米自立を唱える海原は言う。
「日本はずっと頭を下げてきた。
また百年、顔色をうかがうのか? ヘコヘコしていくのか?
それじゃあ、この国は永遠に変わらない。
われわれに必要なのは覚悟です。
ひとつの船で荒波に踏み出す覚悟。それがなければこの難局は乗り切れない」
『沈黙の艦隊』は「日本人よ、目覚めよ」「対米従属をやめて真の独立国家になろう」と挑発している。
同時にアメリカとの戦いを通して
・日米安保がいかにインチキか?
・アメリカの面子や都合でまったく機能しないこと
も暴いてみせた。
日米安保第一の保守派の方はこの作品をどう見るのだろう?
………………………………………………
独立国家やまとを建国した海江田四郎(大沢たかお)の主張はこうだ。
・大国の思惑に拠る偽善的な侵略を許さない。
・世界規模の超国家軍隊の創設に拠って世界平和を達成する。
この海江田の主張は現在なかなかリアリティがある。
まず〝大国の偽善的な侵略〟の大国とはアメリカのことだ。
アメリカは「世界の警察官」を名乗って、さまざまな戦争をおこなって来た。
それは「世界秩序」と「自由と民主主義」のためと言っているが、果たしてそうなのか?
たとえばイラク戦争。
あるいはイスラエルのガザ攻撃の容認・支持。
最近ではトランプ氏が大統領になって「世界の警察官」をやめようとしているようだが。
ロシアのウクライナ侵攻はまさに海江田が言う「大国の思惑に拠る戦争」だ。
中国はこれを黙認。
トランプはロシア寄りで調停をおこなおうとしている。
小国の主張は無視され、大国の論理によって世界が動きつつある。
だから現在、海江田の先程の主張が意味を持ってくる。
・大国の思惑に拠る偽善的な侵略を許さない。
・世界規模の超国家軍隊の創設に拠って世界平和を達成する。
その先頭に立つのが、〝独立国やまと〟であり〝日本〟というわけだ。
ちなみに世界規模の超国家軍隊の創設に関して竹上総理(笹野高史)は国連を想定している。
『沈黙の艦隊』
ずいぶん前の作品だが、今、リアリティをもって迫って来る。
さて、この作品の主張をどう考えるか?
※追記
この作品のもうひとつのテーマが「核武装が国の独立を担保する」という主張だ。
海江田の原潜は「核ミサイル」を持っているかもしれないと思われたから怖れられ、
その主張に皆が耳を傾けた。
アニメ『攻殻機動隊』でも出島の難民が独立国家を築くために「核」を手に入れようとした。
「核武装が国の独立を担保する」
さて、これもどう考えたらいいのだろう?
「われわれは今ここに〝独立国やまと〟の建国を宣言する」
ド右翼のドラマだねえ。
その思想は「対米自立」「自主独立」。
かわぐちかいじさんって、そういう思想の人だったっけ?
何しろ「シーバット」から改名した原子力潜水艦の名前が「やまと」。
その「やまと」がアメリカ第3艦隊と戦って空母エイブラハム・リンカーンを沈める。
第七艦隊との戦いでは空母ドナルド・レーガンにトマホークミサイルを撃ち込む。
まるで太平洋戦争の戦艦大和の復讐戦のようだ。
この〝やまと〟の戦いに官房長官の海原渉(江口洋介)は乗る。
対米自立を唱える海原は言う。
「日本はずっと頭を下げてきた。
また百年、顔色をうかがうのか? ヘコヘコしていくのか?
それじゃあ、この国は永遠に変わらない。
われわれに必要なのは覚悟です。
ひとつの船で荒波に踏み出す覚悟。それがなければこの難局は乗り切れない」
『沈黙の艦隊』は「日本人よ、目覚めよ」「対米従属をやめて真の独立国家になろう」と挑発している。
同時にアメリカとの戦いを通して
・日米安保がいかにインチキか?
・アメリカの面子や都合でまったく機能しないこと
も暴いてみせた。
日米安保第一の保守派の方はこの作品をどう見るのだろう?
………………………………………………
独立国家やまとを建国した海江田四郎(大沢たかお)の主張はこうだ。
・大国の思惑に拠る偽善的な侵略を許さない。
・世界規模の超国家軍隊の創設に拠って世界平和を達成する。
この海江田の主張は現在なかなかリアリティがある。
まず〝大国の偽善的な侵略〟の大国とはアメリカのことだ。
アメリカは「世界の警察官」を名乗って、さまざまな戦争をおこなって来た。
それは「世界秩序」と「自由と民主主義」のためと言っているが、果たしてそうなのか?
たとえばイラク戦争。
あるいはイスラエルのガザ攻撃の容認・支持。
最近ではトランプ氏が大統領になって「世界の警察官」をやめようとしているようだが。
ロシアのウクライナ侵攻はまさに海江田が言う「大国の思惑に拠る戦争」だ。
中国はこれを黙認。
トランプはロシア寄りで調停をおこなおうとしている。
小国の主張は無視され、大国の論理によって世界が動きつつある。
だから現在、海江田の先程の主張が意味を持ってくる。
・大国の思惑に拠る偽善的な侵略を許さない。
・世界規模の超国家軍隊の創設に拠って世界平和を達成する。
その先頭に立つのが、〝独立国やまと〟であり〝日本〟というわけだ。
ちなみに世界規模の超国家軍隊の創設に関して竹上総理(笹野高史)は国連を想定している。
『沈黙の艦隊』
ずいぶん前の作品だが、今、リアリティをもって迫って来る。
さて、この作品の主張をどう考えるか?
※追記
この作品のもうひとつのテーマが「核武装が国の独立を担保する」という主張だ。
海江田の原潜は「核ミサイル」を持っているかもしれないと思われたから怖れられ、
その主張に皆が耳を傾けた。
アニメ『攻殻機動隊』でも出島の難民が独立国家を築くために「核」を手に入れようとした。
「核武装が国の独立を担保する」
さて、これもどう考えたらいいのだろう?
独立国家になるには、未だに核が必要なんですかね。
勿論、同じ核でも覚悟は必要ですが、高校の時に誰かが発した”ウルトラマンがいれば・・”との言葉を思い出します。
「沈黙の艦隊」については私も記事にしましたが、戦争と平和(核)の上を行く何かが求められる時代なのに、その”何か”が出て来ない。
余談ですが、”やまと”ではなく「ゴジラ-1.0」に登場する”高雄”にして欲しかった気もします(笑)。
ネット愛国の核武装論者の多くが、このマンガに影響を受けているようですね。
曰く「日本も攻撃型原潜数隻と核ミサイルを持てば軍事大国になれる」とか「原潜があれば、中の国にも露の国にもナメられない」といった主張の裏に、このマンガがあると思います。
以前もコメントしましたが、核武装論者は、核兵器が「つくる段階からメチャクチャ大変で危険」であることを理解できていません。
愛国的核武装論者の多くが「その気になれば1週間で核兵器なんてつくれる」と言いますが、核兵器はプラモデルではありません。まず専用原子炉と専用の大規模化学プラントをつくらないといけません。教科書もなくつくり方は誰も教えてくれないので、数年から10年くらいの試行錯誤と莫大な資金、人的資源(犠牲含)を必要とするでしょう。国が傾き、国民生活が破壊されるほどの負担になるでしょう。
Aメリカでも核兵器製造工場がある州はかなりの汚染になっていますし、Rシアでもかつて冷戦時代には核兵器製造の秘密都市から、汚染物質をばらまいたそうです。
それでも何とかなっているのは、経済力があり国土が広いからです。国土が狭いのに背伸びして核兵器を保有したIギリスは、核兵器製造工場周辺で住民に健康被害が続出して、冷戦終結後は核装備を縮小しています。冷戦時の規模で核武装することはもう不可能でしょう(個人の見解ですが)。
そう考えると、独立国「やまと」は日本に似ているのかもしれません。
原潜なので「水と酸素は自給できるものの、食糧自給はできない」わけですが、現実の日本と妙に重なります。潜水艦なのでもちろん国民も産業も文化もありません。少子化で国民が減り続けていて、利権ばかりで産業も文化も軽視する現実の日本とダブります。
違うのは重武装であることですが、さて現実の日本も重武装すれば「国際社会で地位を確立できる」のか、そういう問いかけを重ねているのかもしれません。
いつもありがとうございます。
>独立国家になるには、未だに核が必要なんですかね。
北朝鮮はそのために核を持ちましたしね。
ウクライナは核を放棄したからロシアに侵攻されたと言われていますしね。
核なき世界。
ここで意味を持って来るのが海江田の主張だと思います。
・大国の思惑に拠る偽善的な侵略を許さない。
・世界規模の超国家軍隊の創設に拠って世界平和を達成する。
つまり日本は大国アメリカから離れ、核を持たない世界の小さな国々と連帯する。
具体的には「核禁止条約」の批准・調印。
海江田の思考は右翼的ですが、方向性は間違っていないんですよね。
「日本は核廃絶を求める国々と連帯し、その先頭に立つべき」
海江田ならこう主張するでしょうね。
いつもありがとうございます。
僕も現在の「核武装論」がどこから出て来たのか? という疑問を持っていたのですが、この作品がルーツのひとつかもしれませんね。
核武装に関しては以前も書きましたが、大切なことなのでもう一度書くと──
・核武装によるマイナスも考えなくてはならない。
・マイナスとは、周辺諸国と要らぬ緊張が生まれること。
・侵攻の口実になること。
あとは──
・アメリカの核の傘の下にあるので、今のままでも十分に抑止力があること。
・そもそもアメリカが日本の核武装を許さないこと(トランプは違うようですが)。
あとは、おっしゃるとおり日本に核が作れるのか?
仮に核武装するとすれば、おそらくアメリカから提供してもらうことになると思いますが。
………………………………
>日本に似ているのかもしれません。
劇中のせりふにもありますが、独立国やまとは「軍事に特化した国家」なんですよね。
ただ、おっしゃるとおり、独立国やまとは「日本の隠喩」「現在の日本の反面教師」でもあると思います。