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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

JIN-仁- 第9話~非情なり、歴史の修正力!

2011年06月13日 | 大河ドラマ・時代劇
★今回は<歴史の修正力>の話。
 仁(大沢たかお)がどんなに歴史に抗おうとしても、<修正力>は辻褄を合わせようとして来る。
 今回のラストで、龍馬(内野聖陽)が斬られたことも、もともと仁が恭太郎(小出恵介)や東(佐藤隆太)を助けなければ起こらなかったこと。
 つまり龍馬が斬られたことは、遠くさかのぼって、仁先生が間接的に起因している。
 そして、おそらく仁がこの世界にいなければ、恭太郎や東は既に死んでいて、今回の件には関わらず、龍馬は近江屋で見廻り組に殺されていたのであろう。

 非情ですね、歴史の修正力は。絶対に辻褄を合わせて来ようとする。

 これはペニシリンや仁友堂についても言えること。
 今回、三隅医師の陰謀で、きな臭い雰囲気。
 このままペニシリンや仁友堂は弾圧され、やがて忘れ去られ、歴史においてなかったものにされてしまうのかもしれない。

 となると、仁先生の疑問が再びよみがえってくる。
 「人は歴史の修正力の前には無力なのか?」
 「人の運命というものは決まっていて、あらゆる努力は徒労なのか?」
 そして「自分は何のためにこの世界に来たのか?」
 これらの疑問に対する答えをこの作品はどう用意するのか、実に楽しみだ。

★後は細かい部分。

 「龍馬さんはあん…」で例の頭痛が起きてしまった仁。
 これに対して咲(綾瀬はるか)は後日「あんは暗殺の暗ですか?」と尋ねる。
 聡明ですね、咲は。
 これで仁は<龍馬暗殺>のことを他人に伝えることが出来た。

 龍馬の新政府構想の建白書の○○○についても新しい解釈。
 この作品では、○○○は西郷たちに「一橋慶喜」の名前を言わせるための策略だったらしい。
 昨年の「龍馬伝」では、○○○は「みんなで合議して決めろ」みたいな解釈だった。
 いずれにしても、龍馬の建白書の○○○は、日本史のミステリーひとつである。

 それと今回、龍馬がかんざしを買っているシーンがあった。
 これは何かの伏線か?
 そう言えば、この頃、龍馬はお龍さんと結婚しているはずだが、この作品では彼女の陰はない。
 龍馬は船で世界をめぐって、様々な女性とアバンチュールしようとしている。海縁隊だし……。

 最後は龍馬が恭太郎に叫んだせりふ。
 暗殺に成功しても失敗しても恭太郎は死のうと思っている。
 それに対して龍馬は一喝!
 「それより他に道はないんかい!?」
 龍馬は死よりも生きる道を選べと言っている。
 人生の岐路において、第三の道は必ずある。 



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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは~。 (mana)
2011-06-13 12:05:56
前回は個人的にちょっとテンション落ちてたので、
今回は大好きな内野龍馬の見せ場も多くて嬉しかったです。

>龍馬(内野聖陽)が斬られたことも、もともと仁が恭太郎(小出恵介)や
>東(佐藤隆太)を助けなければ起こらなかったこと。
そうでしたね~。二人は本来存在しない人間。
喜市の母親を助けても結局は死ぬ運命だったことを知った時も、
上手い見せ方にその後の展開を期待したもんです。
やっぱり「死」は変えることは出来ないんですかね。
そうなると恭太郎が延命状態の今、
龍馬の命を狙う側になってしまった運命を思うと、
今後亡くなるであろう死に方も気になり心配です。

>日本史のミステリーひとつである。
これらを上手く見せてくれた今回は楽しめました。
こんなバージョンもアリなんだと嬉しくなりましたもん。

内野龍馬との別れは、福山龍馬の時よりも辛いかも。。。
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歴史の修正力 (よしぼう)
2011-06-13 12:50:33
こんにちは。

「歴史の修正力」は原作にはないドラマ独自の設定。
仁先生が恣意的に歴史を変えてしまっては困るといううことと、仁先生がドラマで立ち向かっていくものとして設定されたものだろう。分かりやすく言えば、仁先生の「運命」のようなものだろうか。でも、人間は「運命」に立ち向かっていかなければ、道が開けないのも真実。

>これはペニシリンや仁友堂についても言えること。
>今回、三隅医師の陰謀で、きな臭い雰囲気。
>このままペニシリンや仁友堂は弾圧され、やがて忘れ去られ、歴史においてなかったものにされてしまうのかもしれない。

これは確かにその通りだが、結局あと2回見なければ分からないけれど、そこまで最悪の事態は招かないように思う。

ドラマ「仁」のテーマの一つに、未来や現在が存在するのは、過去の人たちの思いの積み重ねによるものだというのがあると思う。

これは前回、咲さんと仁先生たちのおかげで生まれた赤ん坊の子孫が、のちに現在に戻った仁先生を幸せにしていくだろう、ということに表れている。

だから、その時代の人の行為は、ただの「歴史」で「修正力」がはたらかないという設定にもつながっている。

確かに仁友堂やペニシリンは、仁先生の関わったものだから、「修正力」がはたらくかもしれない。
しかし、この時代の人で「仁友堂を未来に残す」と言い切った人物がいる。
咲である。咲がいるかぎり「仁友堂」はきっと仁先生が戻るであろう未来に続いていくのではないだろうか。

仁先生のナレーションにあった「残酷で優しい未来」の意味が気にかかるが、仁友堂の仲間たちと会えるのも、あと2回のみ。

あきらめてはいけないと思う。きっと仁先生は、あと2回、「歴史の修正力」や自分の「運命」に立ち向かうのだろう。
みんなが笑える未来になってほしいと思う。



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今回は男のドラマ (TEPO)
2011-06-13 20:28:18
もうあと2回なのですね。「歴史の修正力」については私も
>結局あと2回見なければ分からないけれど、そこまで最悪の事態は招かないように思う。
というよしぼうさんと同意見です。
物語の全体的な大枠と結末とは原作をそれほど大きく外すことはないだろう、否、外してほしくはないという原作既読者としての想いでしょうか。

ところで前回が女性同士の愛(友)情物語であったとすれば、今回は男性同士のそれ。

まず、仁と龍馬の友情にとって今回(そして龍馬を治療する次回)が最大の山場であることは改めて言うまでもありません。

次に龍馬と東修介。
原作でも修介は意図せず半ば事故のような形で龍馬を斬ってしまうわけですが、二人の関係は原作とは随分違います。
修介の龍馬に対する態度は微妙でしたが行動を共にするうちに龍馬に共感してゆくプロセスが丁寧に描かれており、これからも「ずっと坂本さんの護衛をします」という言葉は修介にとって大きな決意だったことを感じさせます。
原作にはない修介の「兄」の存在、そして龍馬自身の「この手で長州藩士も殺めた」という言葉から、ことによると本作では龍馬は修介にとって「兄の仇」だった可能性があります。
だとすれば、この二人に起こったことはなんとも悲劇的な運命の皮肉ということになります。

最後に龍馬と恭太郎。
恭太郎の立場は原作と劇的に変わっています。
本作の恭太郎は第一部で勝先生のもとでずっと龍馬と共に過ごしており、仁と劣らぬくらい親交を深めています。
その彼自身が何と龍馬に対する旧(この時点ではすでに)幕府側の刺客となることが強いられる、という悲劇。
>「それより他に道はないんかい!?」
という言葉もさることながら、私が泣かされたのは
「咲さんと栄さんを人質に取られたかい」
「わしを斬ったら死ぬつもりかい」
瞬時に恭太郎の置かれた立場、そして気持ちをすべて見通した龍馬の言葉でした。
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内野龍馬 (コウジ)
2011-06-14 11:24:48
manaさん

コメントありがとうございます。

内野さんの龍馬にハマっていらっしゃるんですね。
これまで様々な役者さんが、坂本龍馬を演じてきましたが、内野さん程、くだけた龍馬を演じたのは初めてではないでしょうか?
また、一方では「龍馬伝」の福山さんが演じたさわやかな青年の龍馬もいて、これから龍馬を演じる役者さんは、役作りが大変ですね。
彼らを越えなくてはなりませんから。

その他、「世界の海援隊でもやるか」というせりふも聞けたし、龍馬ファンにはたまらなかったですよね。

次回、龍馬はどうなるんでしょう?

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「残酷で優しい未来」 (コウジ)
2011-06-14 11:38:26
よしぼうさん

いつもありがとうございます。

<歴史の修正力>はドラマのオリジナルなんですか。
なるほど、脚本の森下さんは<龍馬>と<歴史の修正力>ということで、この物語を再構成したわけですね。
原作を素直にそのまま映像化するという方法もありますが、森下さんとスタッフは、その安易な道を選ばなかった。
原作どおりでなければ、原作ファンから総スカンを喰う危険もあるわけですからね。
すごい冒険であり、志であると思います。
そして、よしぼうさんの様な原作ファンも唸らせる作劇をしている。見事な裏切り方をしている。
本当にこの作品のスタッフは見事です。

それと「残酷で優しい未来」。
僕も野風さんのエピソードを見た時、<歴史の修正力>って、案外<優しい>ものなんだなと思ったんです。
でも、今回は<非情>で<残酷>。
だから「残酷で優しい」んですね。

それと「人間は歴史の修正力には抗えないのか」というテーマはどう決着をつけるんでしょうね?
確かにドラマ的には「人間は歴史の修正力=運命には逆らえない」という結論では、盛り上がりに欠ける。
がんばって生きることに夢も希望もなくなってしまう。
なので、何らかの形で妥協した結論が描かれるのでしょうが、さてどうなるのか?

次回に注目ですね。

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男の友情 (コウジ)
2011-06-14 11:52:40
TEPOさん

いつもありがとうございます。

そうそう、今回、<歴史の修正力>と共に忘れてはいけないのは<男の友情>ですよね。

ご指摘の<龍馬と東>、<龍馬と恭太郎>。
そして<仁と龍馬>。
後半、仁と龍馬が、ふたりだけで話をしていた時は、しみじみとしたものを感じました。
他の人間がいる時には、「なに~っ、野風に子供~!?」と大騒ぎしていた龍馬でしたが、仁といる時はすべてを理解して様子。
「わしは殺されるはずだったのかい?」

そして「先生はわしの道しるべだった」発言。
仁の思いはしっかり龍馬に届いてたんですね。
それを確認し合う実にいいシーンでした。

<歴史の修正力>で、人の運命は左右され、あってはならないものは無くなってしまうのかもしれませんが、<人の想い>は永遠に残り続けるのかもしれませんね。
仁は龍馬に「暴力は暴力しか生まない」「人間に敵も味方もない」ということを伝えに来たのかもしれません。
それが、TEPOさん、ご指摘の龍馬が恭太郎に語ったせりふとなったのでしょうね。
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