清盛(松山ケンイチ)が後白河帝(松田翔太)に、相撲節会で<太宰府の器>を見せたのはどのような意味があるのだろう?
それは、自分が<太宰府が管理する富を掌握した>ということを示すこと。
太宰府の富を掌握して<自分はますます大きくなっている>という自己アピール。
そして、後白河帝への<挑戦状>。
通常の権力者なら、このように力を持った清盛を排除しようとするだろう。
しかし後白河帝は違う。
力をつけて自分に歯向かってくる者が大好きなのだ。
歯向かってくる者と闘って、戯れたいのだ。
何という無頼な帝(みかど)だろう!
そして、清盛は後白河帝がそのようなリアクションをすることを読んでいた。
だから<太宰大弐>に抜擢された。
見事な心理戦、駆け引きである。
そして、戯れる後白河帝はこんなことをした。
守仁親王への譲位。
譲位して後白河帝はこう語る。
「玉座におってはあやつと遊べぬゆえな」
これはどういう意味だろう。なぜ後白河帝は譲位したのだろう。
冒頭、崇徳上皇(井浦新)が讃岐に流されるシーンが描かれる。
つまり譲位した人間なら、権力を剥奪して、流罪も可能だということ。
天皇という立場なら難しいが、上皇や法皇なら可能。
天皇を立てて、自分を排除することが出来る。
だから自ら天皇の座を降りた。
「清盛、私を追い落としてみろ」と後白河帝は、清盛にメッセージを送っている。
自分をギリギリの立場に追い込んで、遊ぼうとする後白河帝って、本当に凄すぎる。
無頼、傾き(かぶき)、虚無、風狂……、ともかく常人ではない。滅茶苦茶だ。
凄いキャラクターを造り出したものですね。
長男・重盛(窪田正孝)の婚姻のこともなかなかの駆け引き。
「叔父上を殺した信西入道に力を貸している父上のように、私は腹が据わっておりません!」
清盛は重盛からこの言葉を引き出そうとしていたんでしょうね。
重盛がこれを言った時、清盛は笑みを浮かべていた。
清盛は、きっと<重盛が今のもやもやした気持ちを抱えたままではまずい>と考えていた。
だから思いをはき出させた。
かつての自分ももやもやを抱え、はき出すことで乗り越えてきたから。
宮廷での出来事ではありませんが、これもまた心憎い心理戦です。
清盛、後白河帝、そして信西(阿部サダヲ)。
宮廷で繰り広げられるさまざまな心理戦と駆け引き。
そんな中で、義朝(玉木宏)はそれについていけず、心乱れている。心理戦で完全に負けている。
義朝は、実は政治には不向きな、鬼になれない心優しい人物だったんですね。
個人的には、大好きです。
それは、自分が<太宰府が管理する富を掌握した>ということを示すこと。
太宰府の富を掌握して<自分はますます大きくなっている>という自己アピール。
そして、後白河帝への<挑戦状>。
通常の権力者なら、このように力を持った清盛を排除しようとするだろう。
しかし後白河帝は違う。
力をつけて自分に歯向かってくる者が大好きなのだ。
歯向かってくる者と闘って、戯れたいのだ。
何という無頼な帝(みかど)だろう!
そして、清盛は後白河帝がそのようなリアクションをすることを読んでいた。
だから<太宰大弐>に抜擢された。
見事な心理戦、駆け引きである。
そして、戯れる後白河帝はこんなことをした。
守仁親王への譲位。
譲位して後白河帝はこう語る。
「玉座におってはあやつと遊べぬゆえな」
これはどういう意味だろう。なぜ後白河帝は譲位したのだろう。
冒頭、崇徳上皇(井浦新)が讃岐に流されるシーンが描かれる。
つまり譲位した人間なら、権力を剥奪して、流罪も可能だということ。
天皇という立場なら難しいが、上皇や法皇なら可能。
天皇を立てて、自分を排除することが出来る。
だから自ら天皇の座を降りた。
「清盛、私を追い落としてみろ」と後白河帝は、清盛にメッセージを送っている。
自分をギリギリの立場に追い込んで、遊ぼうとする後白河帝って、本当に凄すぎる。
無頼、傾き(かぶき)、虚無、風狂……、ともかく常人ではない。滅茶苦茶だ。
凄いキャラクターを造り出したものですね。
長男・重盛(窪田正孝)の婚姻のこともなかなかの駆け引き。
「叔父上を殺した信西入道に力を貸している父上のように、私は腹が据わっておりません!」
清盛は重盛からこの言葉を引き出そうとしていたんでしょうね。
重盛がこれを言った時、清盛は笑みを浮かべていた。
清盛は、きっと<重盛が今のもやもやした気持ちを抱えたままではまずい>と考えていた。
だから思いをはき出させた。
かつての自分ももやもやを抱え、はき出すことで乗り越えてきたから。
宮廷での出来事ではありませんが、これもまた心憎い心理戦です。
清盛、後白河帝、そして信西(阿部サダヲ)。
宮廷で繰り広げられるさまざまな心理戦と駆け引き。
そんな中で、義朝(玉木宏)はそれについていけず、心乱れている。心理戦で完全に負けている。
義朝は、実は政治には不向きな、鬼になれない心優しい人物だったんですね。
個人的には、大好きです。
無頼、傾き(かぶき)、虚無、風狂……、ともかく常人ではない。滅茶苦茶だ。
凄いキャラクターを造り出したものですね。
これにまた松田翔太の演技が素晴らしく合っていますね。
この先、この法王はギリギリのところでまさに追い込まれては
逃げて這い上がり上っては落ちるを繰り返すわけですが、
このキャラクターだからどんな事になってもニヤニヤしているんだろうなぁ。
ごっしーの言動にはいつも引き込まれてしまいます。濃いですね!
こういう人も好きですが、やはりどんどん落ちていく情けない顔の
義朝どのも好き。
キャラクターの表情と人間模様が実に魅力的な大河です。
コメントありがとうございます。
くうさんのブログのコメントにも書きましたが、私も、ごっしーにハマっております。
>この法王はギリギリのところでまさに追い込まれては
逃げて這い上がり上っては落ちるを繰り返すわけですが、
そうなんですか!
この時代の歴史は、あまり詳しくなくて。
ということは、今後もごっしーから目が離せませんね。
>やはりどんどん落ちていく情けない顔の
義朝どのも好き。
これも同感です。
昨年までの大河は<きれいごと>が多すぎましたよね。
<どんどん落ちていく情けない顔>の負けキャラもしっかり描けば、義朝のように魅力的になるのに、それを避けていた。
「清盛」は、さまざまな食材を使っている料理で、深い豊かな味がありますね。
前々回、美福門院は双六が強く(おそらく彼女の勝ち)挑戦的な発言をしかけてきた際、後白河帝の発言「ぞくぞくするのお」がこのことを物語ってますね。
>清盛は後白河帝がそのようなリアクションをすることを読んでいた。
清盛が後白河の心理を読んでいたことは、後白河帝が譲位をしようとしないのは美福門院の心を翻弄して楽しんでいるからだ、とする今回の成親への解説から知られます。
>重盛がこれを言った時、清盛は笑みを浮かべていた
この「笑み」は非常に印象的でした。
この重盛との場面だけではなく、総じて今回の清盛は、太宰府で原田種直と対峙するときも、不平を言う兎丸を「俺の相撲を見ていろ」と宥める場面でも、常に「余裕の表情」を見せていました。
そして今回は、私が待ちに待った、真に主人公らしくなった清盛自身の知力と胆力とによる痛快な「成功エピソード」でした。
保元の乱が清盛の「肝が据わった」転機となった、という成親への時子の言葉も併せて考えてみると、「忠正を斬った清盛と為義を斬れなかった義朝」という前回の対比が清盛と義朝との優劣が逆転する転換点となっていたように思われます。
いつもありがとうございます。
今回は清盛の<成功エピソード>でしたね。
腹が据わって、信西という毒を利用したり、原田種直に対しては、毒を以て毒を制すみたいな感じで。
権力をのぼりつめていく者は、きれいごとでは済まされない<毒>の要素が必要だと思うので、この清盛の描かれ方は正解だと思います。
さて、今後は後白河帝と共に、もうひとりのライバルである義朝との戦いが描かれそうですが、どう描かれるのでしょう?
既に義朝が戦う前から負けている心の状態なので、その点が気がかりです。
感動的な友情物語にしてほしいですね。