平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

青天を衝け 第1回「栄一、目覚める」~俺が守ってやんべ、この国を! って単純すぎる!

2021年02月15日 | 大河ドラマ・時代劇
「ここに聞きな。
 あんたがうれしいだけじゃなくて、みんながうれしいのが一番なんだて」

「上に立つ者は下の者への責任がある。大事なものを守るのが務めだ」

「皆がそれぞれ自分の胸に聞き、動くしかないのだ。
 誰かが守らなくてはな、この国は」

 母、父、高島秋帆(玉木宏)の言葉をスポンジのように吸収していく栄一(小林優仁)。
 子供だから柔軟なんですね。
 でも……。
 高島秋帆の言葉を聞いただけで、
「俺が守ってやんべ、この国を!」
 となってしまうのはどうなんだろう?
 少年・栄一に当時の日本の置かれている情勢がわかっているわけではない。
 あまりにも素直、というか単純すぎるだろう。
 脚本として、あまりにも荒っぽい。

 一方、こういう所は丁寧というか冗長。
 罪人・高島秋帆を岡部の代官屋敷に見に行こうと決める栄一ら子供たち。
 夜、家の中で目が覚める→畑の中を走る→仲間と落ち合う。
 今のドラマはこういう段取りを踏む必要はない。
 見に行こうと決める子供たち→夜、仲間と落ち合う。
 これだけで十分。

 既視感もいっぱいだ。
 大河ドラマの始まりの子供時代は必ず家族の描写が描かれる。
 やや厳しい父がいて、やさしい母がいて、主人公は何らかのトラブルを起こして──
 これ、そろそろやめてほしい。
 おまけに岡部の代官屋敷に忍び込むのは、『西郷どん』で少年・西郷が島津斉彬の屋敷に忍び込んだのと同じ。

 目を引いたのは、後に最後の将軍・徳川慶喜になる七郎麻呂(笠松基生)の描写。
 七郎麻呂は優秀な息子であることに苦しんでいる。
 父・徳川斉昭(竹中直人)に心服していないし、政治の道具に使われていることに気づいている。
『西郷どん』もそうだったが、慶喜って屈折した人物だったんだな。
 で、こういう屈折した人物は魅力的。

 栄一はこのまま尊皇攘夷に行くのだろう。
 尊王攘夷は当時の若者達にとって、誰もがかかる火病のようなもの。
 で、慶喜と絡むのか。
 となると、やはり『西郷どん』の既視感?

 作品カラーは『蒼』のようだが、今回は『緑』が印象的だった。
 畑の中を走る栄一。
 桑の畑があって、里芋の畑があって一面が緑。
 このシーンは眼福だった。

 ちなみに豆知識だが、『チコちゃんに叱られる』に拠ると、
 昔は『緑』という概念がなくて、緑色はすべて『青』で表現されていたらしい。
 だから信号機のススメは緑なのに『青信号』。

コメント (6)
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