平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

いだてん 第8回 「敵は幾万」~十里走った先に何があるのかわからんですが、兄としては見せてやりたかです!

2019年02月25日 | 大河ドラマ・時代劇
 戦争・国威発揚のイメージが挿入されましたね。
『倒れて後止むの大決心で臨む』
『国体の辱めざることを期す』
 これらが四三(中村勘九郎)の言葉でなく記者がでっち上げた言葉だというのが面白い。
 四三の家族たちは共感・感激しているし、社会の価値観はこうして変わっていくのだろう。
 スポーツやオリンピックを国威発揚に利用できると気づく連中も出て来る。
 今までのオリンピックの認識は『アマチュアの競技会=遊び』『たかが、かけっこのために財産を手放すとですか』だったのに。
 …………

 四三はすこし大人になった感じがする。
 同郷の美川秀信(勝地涼)には「すべては美川君のおかげたい。ありがとう」と頭を下げた。
 成長の原因のひとつは春野スヤ(綾瀬はるか)を失ったことだろう。
 子供は全能感のかたまりで、自分は世界の王様、すべてを手に入れられると考えている。
 ところが、ある時期、世界の調和はうしなわれ、人生は必ずしも上手くいかないことに気づく。
 スヤの喪失は四三にこれを感じさせたに違いない。
 壮行会という喜びの席で、四三が『自転車節』を歌う所が悲しい。
 人生は悲喜こもごもなのだ。
 喜びもあれば哀しみもある。
 得るものもあれば失うものもある。
 スヤも今まで自転車で元気に走っていた道を、嫁ぐ時は逆の道をゆっくりと歩いていた。

 和歌子(白石加代子)が新橋駅に駆けつけるのはわかりました。
 その前に白い布地に何かを縫っているシーンがありましたし。
「弥彦は精いっぱい闘ってきます!」
「当たり前じゃ! おまんさぁは三島家の誇りなんじゃから。弥彦、体ば大事にしやんせ!」
 弥彦は母親を取り戻した。
 天狗党でいくら華麗にカッコ良く振る舞っていても、母親を前にすればひとりの子供に戻る。
 一方、新橋駅ではもうひとつのドラマが。
 治五郎先生(役所広司)、可児先生(古舘寛治)の罠にはまって電車に乗れず!(笑)
 駅には悲喜こもごものドラマがある。

 それにしても、このドラマ、『眼福』だなあ。
 明治の街のさまざまな風景を見せてくれる。
 今回は新橋駅。
 そして浅草十二階の内部。
 浅草十二階から東京の街と富士山が見えるシーンなんかは圧巻!
 小説などで浅草十二階はしばしば登場するが、その内部はどうなってるかイマイチ想像できなかった。
 この作品を見て、山田風太郎の『明治もの』などを読むと描写がイキイキとしてくる。

コメント (4)
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