平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

追悼 モハメド・アリ~ベトナム戦争反対と徴兵拒否「「俺にはベトコンと戦う理由が無い」

2016年06月05日 | 名セリフ・名言集
 モハメド・アリ氏が亡くなった。
 アリは〝個人〟にこだわった人だった。
 決して〝国家〟とか〝組織〟には流されない。
 それがベトナム戦争反対と徴兵拒否。

「俺にはベトコンと戦う理由が無い。奴らは俺をニガーとは呼ばなかった」
「いかなる理由があろうとも、殺人に加担することはできない。アラーの教えに背くわけにはいかない」

 個人の発想ですよね。
 黒人として宗教者としての自分にこだわり、無益な戦争をする国家に立ち向かっている。
 反骨で決して長いものには巻かれない。
 結果、アリは王座剥奪、長期間の試合禁止へ。

 無敵のチャンピオン・ジョージ・フォアマンとの死闘を演じた<キンシャサの奇跡>。
 この時、アリはすでにピークを過ぎたと言われていた。
 試合もロープにもたれながら逃げまわっているだけ。
 観客は、そんなだらしないアリにブーイング。
 しかし、これがアリの作戦だった。
 「ロープ・ア・ドープ」
 アリは相手に打たせるだけ打たせて、フォアマンが疲れるのを待っていたのだ。
 結果、フォアマンは不用意にアリを追い、左、右のワンツーパンチを喰らってノックダウン!
 この経緯は、沢木耕太郎さんの『一瞬の夏』で描かれているが、これを現場で見ていた沢木さんはこのKOシーンに鳥肌がたったという。
 アリは、逃げまわる防戦一方のカッコ悪い自分を見せることを気にしなかった。
 ファンのブーイングにもめげず、あくまで自分の作戦を貫き通した。
 これも、強烈な〝個人〟をもっていたアリならではエピソードである。

 アリの強烈な自我はこんな言葉にも。
「私ほど偉大になると、謙虚になることは難しい」
「人間として大きくなればなるほど、それをあえて他人に証明する必要は無くなる」
「私は神話を作り、神話の中で生きる」

 ここまで来ると、傲慢という感じで、小心な凡人や謙虚さを美徳とする日本人には違和感があるかも。
 多分、いっしょにいたら大変な人だろうなぁ(笑)
 でも、次のような言葉は、凡人にも生きる勇気やヒントを与えてくれる。
「人間が困難に立ち向かう時、恐怖を抱くのは信頼が欠如しているからだ。私は私を信じる」
「あまりにも順調に勝ちすぎているボクサーは、実は弱い」
「不可能とは、自らの力で世界を切り開くことを放棄した臆病者の言葉だ。
 不可能とは、現状に甘んじるための言い訳にすぎない。
 不可能とは、事実ですらなく、単なる先入観だ。
 不可能とは、誰かに決めつけられることではない。
 不可能とは、可能性だ。不可能とは通過点だ。
 不可能なんて、ありえない」

 次の言葉も反骨精神として忘れてはならない言葉だ。
「あなたが、私に対して、なって欲しいという者に私はなる義務がない」

 最後はアリ氏を一番、的確に表す有名な言葉。
〝Float like a butterfly, sting like a bee. Your hands can’t hit what your eyes can’t see(蝶のように舞い、蜂のように刺す。奴には私の姿は見えない。見えない相手を打てるわけが無いだろう)〟

 モハメド・アリ氏のご冥福をお祈りいたします。


※参照サイト
 モハメド・アリの名言・格言(癒やしツアー)

コメント (2)
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