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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

平清盛 第26回「平治の乱」~「平氏は断じて友を見捨てぬ!」

2012年07月02日 | 大河ドラマ・時代劇
 平治の乱の前哨戦。
 清盛(松山ケンイチ)、信西(阿部サダヲ)、義朝(玉木宏)の思いについてはしっかり描かれていたので省きます。

 面白かったのは的確に登場してくる脇役の存在。
 クーデターの知らせで揺れる清盛不在の平家。
 「ここは藤原信頼(塚地武雅)に恭順を示すべきなのではないか」と言った意見が出る中、時子(深田恭子)はそれをきっぱりと否定する。
 清盛の意思は信西を守ることにあると言い放つ。
 平家貞(中村梅雀)はgood job! 万が一の時のため鎧・兜を用意して来ている。
 源頼政(宇梶剛士)は義朝の行動を浅慮ではなかったのかと諭す。
 師光(加藤虎ノ介)は最後まで信西に寄り添う。
 みんな、脇役として的確な自己主張。
 これがドラマに厚みを加えている。

 重盛(窪田正孝)と頼朝(中川大志)のふたりの息子たちの描写も面白い。
 ふたりは、それぞれの父親の言動をしっかり見つめている。
 「武士の地位を高めるのは政治ではなく力である」と語り、平氏といくさで正々堂々と雌雄を決しようとする義朝。
 「信西殿は武士の悲願をかなえるのに欠かせぬお方」と政治力の重要さを語り、「平氏は断じて友を見捨てぬ」と言い切る清盛。
 この父親たちの言動を見て、重盛と頼朝は何を感じたのだろう。
 おそらく、今後のふたりの生き方に大きな影響を及ぼしたに違いない。

 最後に信西。
 「自分は誰なのだ?」と苦しむ若き日の清盛に「誰でもよーい! 助けてくれ!」と返す信西。
 自らの出生に悩む清盛には、「災いとなるも宝となるもそなた次第よ」と答える。
 これらの信西の言葉はなかなか深い。
 若き日の清盛は、いつの世の若者もしているように、<自分探し>をしているわけだが、そんなことは無意味であることを信西は語っている。
 「自分は誰なのだ?」といくら自分の心に聞いてみても、そこに答えは見つからない。
 本当の自分とは、<自分の意思>で決めるものなのだ。
 それが「災いとなるも宝となるもそなた次第よ」という言葉。
 また「誰でもよーい! 助けてくれ!」という言葉は、自分のことであれこれ悩んでいるよりも<目の前で助けを求めている者、困っている者を助けろ>と暗に教えている。
 自分探しに悩んでいる人は、これらの信西の言葉を噛みしめてみるのもいいかもしれませんね。

 そして、信西という<導いてくれる人間>がいなくなり、清盛はどう生きていくのだろう?
 今までは信西が重荷の一部を背負っていてくれた。
 しかし、今度は清盛がすべてを背負わなくてはならなくなる。
 清盛のさらなる試練の始まりである。


コメント (8)
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