平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

『風の谷のナウシカ』と福島の原発事故~宮崎駿さんは何をしているのだろう?

2012年07月01日 | コミック・アニメ・特撮
 以前、『風の谷のナウシカ』について記事を書いた。
 自然は<自然治癒力>を持っているんですね。
 たとえば、汚染された水俣病の海も時が経って浄化された。
 高度経済成長期の70年代に汚かった海や川もきれいになった。

 でも、放射能に汚染された土地は……。
 <プルトニウム>の半減期は2万4千年。
 つまり2万4千年経たないと、半分にならないということ。
 いくら除洗しても除洗できず、汚染された土地は生物が生きることのできない死の荒野になるということ。

 こんな<自然治癒力>が機能しない危険なものは扱うべきでない。
 本日、大飯原発3号機が再稼働される。
 安全が不十分で、その下には活断層があるかもしれないのに。

 この状況で、宮崎駿さんは何をしているのだろう?
 『ナウシカ』や『もののけ姫』で描いてきたことが信念であるのなら、今こそ積極的に声をあげるべきではないか?
 大江健三郎さんなんかは声をあげているのに。
 宮崎さん、がっかりさせないで下さい。


※以下は、過去に書いた『風の谷のナウシカ』の記事です。

 <腐海>は汚れた世界を浄化する装置。

 この「風の谷のナウシカ」の設定について、先日放送された「スタジオジブリ物語」では、こんな裏話が語られていた。
 この設定のインスピレーションを与えてくれたのは、水俣病で汚染された海。
 水銀で汚された水俣病の海は、水銀を分解する新種のバクテリアによって、数年後再生されたのだそうだ。
 汚れた海はバクテリアによって浄化されたのだ。

 この事実は、あることを示唆してくれる。
 つまり<自然には自然治癒力がある>ということ。

 ヨガや東洋医学などにも<自然治癒力>という考え方がある。
 発熱や咳は、体に入った病原菌を駆逐するためのもので、無理にそれらを抑え込もうとしてはならない。
 体の自然治癒力に任せればいい。
 癌だって、単なる老化現象。

 西洋科学を基本とした現代科学が息詰まっている中、僕たちは考え方を見直すべきなのかもしれない。
 自然に逆らうのではなく、自然に任せる。
 核は人類を含めた地球上のすべてを滅ぼす力を持ち、二酸化炭素の増加は地球温暖化を招いている。
 ある学者さんが言っていたが、現在、人間が行っていることは自然の<自然治癒力>をはるかに越えたものなのだそうだ。
 昔なら、水俣病の海のように多少汚れても、自然治癒力で再生することが出来た。
 しかし、現在は自然治癒力のキャパを越えた破壊、汚染がなされている。

 同じ「スタジオジブリ物語」で高畑勲さんはこう言っていた。

 いい加減!

 これは悪い意味でのいい加減ではなく、良い加減の意味。
 「なぜ一番なんですか。二番じゃダメなんですか」といった政治家がいたが、この発言はわりと本質をついている。
 一番を目指して、みんながキリキリがんばるから、地球が汚れる。ストレスで体が壊れる。
 今回の震災の節電で、切った便器の保温。過度の便利さ快適さ。
 最初は冷たかったが、慣れれば何でもない。ほんの十年前まではそれが当たり前だったわけだし。

 そろそろ<発展><競争>という考え方をやめたらどうか?
 自然と共存し、自然治癒力を越えない程度に、日々を楽しくいい加減に生きればいいのではないか?


コメント (2)
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