平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

特上カバチ!! 第6話 心が入っているか?

2010年02月24日 | 職業ドラマ
 食中毒を出したキッチン宮下。
 その店主・宮下大作(石原良純)の母親から150万を取り立てる田村(櫻井翔)。
 
 結果は同じ150万の取り立てでも、そのやり方で意味が違ってくるんですね。
 ヤクザは<暴力>という力で取り立てる。
 法律家は<法律>という力で取り立てる。
 暴力と法律の違いはあるが、両者は力で取り立てることは同じ。
 一方、同じ法律家でも田村は違う。
 法律を使うが、<心>で取り立てる。
 田村は母親に語る。
・被害を受けた会社が倒産しそうなこと。
・会社の従業員がなけなしの預金を出して会社を救おうとしていること。
・裁判になれば、屋敷や店が差し押さえになり、キッチン宮下にもメリットがないこと。
 この説得で母親は納得して150万を出す。
 「自分で自分の責任を取れないようなバカ息子を育てた自分に対する罰だ」と息子に語る。

 これが<心>のない、単なる<法律>だけの取り立てだったら、どうなっていただろう?
 母親には無理やり金をむしりとられた理不尽、怒りしか残らない。
 息子も同様で、「客商売とは何か」など失敗から学ぶことが出来なかったし、以後前向きに生きることが出来なかっただろう。
 また田村も、美寿々(堀北真希)が懸念したように、心を失った法律家になっていただろう。

 「コード・ブルー」第7話でも<結果>と<過程>の話があったが、そこに至るまでの<過程>は非常に大事。
 結果は同じなのかもしれないが、<心>が入ってるかいないかで、その後の自分や他人に及ぼすものは大きく違ってくる。

 それにしても現在は世知辛く厳しい。
 おそらく現実では法律を盾にして効率よく取り立てた人間が優秀とされるのでしょう。
 だから、少なくともドラマは<心>を忘れてはならない。田村が描かれなければならない。


コメント
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