平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

神の雫

2009年01月14日 | その他ドラマ
★ワインを飲んで何を考えるか?
 美味しい!→普通の人
 ミレーの「晩鐘]→ワイン評論家・遠峰一青(田辺誠一)
 亡くなった母の記憶→主人公・神咲雫(亀梨和也)

 物が過去の記憶をよみがえらせることはあるから雫の反応は理解できるけど、遠峰の『晩鐘』はわれわれ凡人には理解しがたい。
 遠峰のワインの飲み方はスノッブな遊びですね。
 イマジネーションの遊戯、知的ゲームと言ってもいい。

 でも最近それは茶化されている。
 髭男爵の「ルネッサ~ンス!」。
 石原裕次郎の真似をしている人(名前忘れた)。
 大体ワイングラスの形自体が面白い。
 遠峰が内田有紀にワイングラスでワインを飲ませて、彼女の唇からワインがこぼれたシーンはエロチックでもなんでもなく笑ってしまった。

 でも人生をより深く楽しむにはワイン愛好家から学ぶことは多いかもしれない。
・イマジネーションを楽しむこと
・五感で楽しむこと(味覚だけでなく視覚・嗅覚など五感で味わうこと)
 これはワインだけに限られたことではない。
 いろいろなものをこんなふうに楽しめたら人生は何倍にもなる。

 雫がワインから母や父の気持ちを理解した様に。
 ワインを口にしたことで雫の世界は新たな彩りが加わったはずだ。

★この作品を見た時、これは<ミステリー>だなと思った。

・牡蠣料理に最高のシャブリを出して酷評されたレストラン。
 その酷評された理由を探るのはミステリー。
 <牡蠣料理には海の塩分を含んだ安いシャブリの方が合う>というのが真相。
・母の墓にあるワインを置いた父・豊多香(古谷一行)の気持ちを探るのもミステリー。
 真相は<そのワインは100本の花をイメージさせるワインだった>。

 そして雫は父・豊多香の残した謎を探るべく7本のワインを飲む遺産相続対決に臨んでいく。
 これってやっぱりミステリー。
 人が死ぬだけがミステリーじゃないんですね。

★オイディプスコンプレックス
 男の子は父親を殺して乗り越えなくてはならない。
 男の子にとって父親は母親を奪い合うライバル。
 大まかに言うとこれが<オイディプスコンプレックス>。

 雫も「美味しんぼ」の山岡さんも父親と闘っていますね。
 こんな古典劇の要素もこの作品にはある様です。


コメント
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