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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

篤姫 第47回「大奥の使者」

2008年11月24日 | 大河ドラマ・時代劇
★武力に対抗するものは……
 江戸に迫る官軍。幕府はどう対するか?
 天璋院(宮崎あおい)は嘆願書を託す。
 いわば外交だ。
 言葉によって戦争を回避しようとする。
 この時、官軍と戦うという選択肢もあった。

 外交か軍事か?
 歴史において紛争を解決する手段はこのふたつ。
 太平洋戦争では外交努力でアメリカとの戦争を回避しようとしたが、結局軍事に走ってしまった。
 そして悲惨な泥沼に。

 あくまで外交で物事を解決しようとした天璋院、勝(北大路欣也)らは聡明でしたね。
 もし戦っていれば官軍にも死者が出る。
 結果、怒り・憎悪がわく。
 「死んだ仲間の仇を討つ」と言って幕府が滅びるまで戦争をしようとする。
 怒りは怒りを呼び、暴力は暴力を生む。
 9・11でアメリカは報復の戦争を行ったが、結局生み出したのは憎悪とさらなるテロ。
 人間はどうして同じ間違いを繰り返すのでしょう。
 話は飛んでしまったが、紛争に際し天璋院、勝がとった行動はずっと覚えておきたいですね。
 今回の外交努力では鬼となった西郷(小澤征悦)の心は動かせなかった様ですが。

★人物達の二面性
 天璋院を始めとするこの作品の人物達にはふたつの顔がありますね。
 すなわち薩摩時代の顔と現在の顔。
 西郷も天璋院の手紙を見て昔の自分を想いだした様ですが、「篤姫」の人物達は常に昔の自分との葛藤をしている。
 そして天璋院も西郷も帯刀(瑛太)も昔の方がイキイキとして見えるのは、背負っているものが少なかったからでしょうか?
 自由だったからでしょうか?
 歳を取るということは何かを背負うこと。
 天璋院は幕府を背負い、西郷は新政府を背負う。
 それはそれで意味のあることでしょうが、結果昔の友情までを捨てなくてはならないのは悲劇ですね。
 <疑うことなく信じる心>や<自由な心>が失われてしまうことは悲しいですね。
 坂本龍馬が人気があるのは最後まで何も持たず自由だったからでしょう。
 この作品はそんなテーマも描いている。

★日本国のために
 西郷の拠り所は「日本国のために幕府を滅ぼさなければならない」。
 この「日本国のために」という言葉は注意した方がいいですね。
 この言葉があればすべてが正当化されてしまう。
 さすがの西郷もこの言葉に取り込まれてしまった様です。
 そして「日本国のために」自分が悪者になり滅びようとしている。
 現在は<個人>の時代で<日本国のために>という言葉を口にする人は少なくなりましたが、この言葉が出た時には注意した方がいいですね。


コメント (3)
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