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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

トランスポーター

2007年09月02日 | 洋画
 この作品はキャラクターが魅力的である。
 
★フランク(ジェイスン・ステイサム)
 「緻密」「整然」「ルールに従う」
 彼は仕事を受ける際、「荷物の大きさ」「重量」などを聞き、仕事の内容を想定する。
 ガソリンの消費量、警察に追われた時の対処、何回休憩が必要かなどを緻密に計算するのだ。
 そんな彼だから自分の家は整然としてチリひとつない。また、人を入れない。
 彼の作ったルールは経験に基づくものだ。
 1.契約遵守 2.名前は聞かない 3.荷物は開けない。
 このルールを破れば、面倒なことに巻き込まれることを彼は知っている。
 彼の信条はシンプル。
 『ルールを守って荷物を運ぶこと』
 複雑なこと、面倒なことは大嫌い。
 そこには『孤独を愛するプロフェッショナルの顔』がある。
 彼がそう考える様になったのは軍隊時代の苦い思い出がある様なのであるが。

 だがそんな彼にも甘さがある。
 荷物であったヒロイン・ライ(スー・チー)にジュースを飲ませたのが事件に巻き込まれることになったきっかけ。
 しかし、甘さは人間的な面でもある。
 それにより観客は彼に感情移入することが出来る。

★ヒロイン・ライも魅力的だ。
 一言で言うと『正義感の強いしたたかな女』。
 彼女は父親の人身売買をやめさせたいという強い正義感を持っているが、同時にフランクを使えると思い利用するしたたかさも。
 またライはフランクを味方にして協力させるためにウソをつく。
 しかし、そのウソも100%ウソかというとそうでもない。
 フランクに愛情を抱いているのではないかと思わせる。

 『正義』と『したたかさ』
 『ウソ』と『愛情』
 こうした相反する面を持ったヒロインは魅力的だ。
 正義感が強いだけのヒロインでは、魅力がない。

★追記
 物語の構成は5シークエンス。
1.銀行強盗の輸送
2.ヒロイン・ライの輸送~敵に爆殺されそうになるフランク~フランク、契約違反の敵に報復。ライもフランクの家に。
3.敵の砲撃(5000発の薬莢。ここでは執拗に迫り来る敵の目的は明らかにされない)
4.敵の目的(人身売買。それを阻止しようとしていたヒロイン・ライ)
5.追跡(売買される400人を救おうとするフランク)

★追記
 フランクを追う刑事も魅力的だ。
 彼はフランクの正体を知っている様で、会うたびに「聞かせろ。いつもと違う話を」と言う。
 彼はいつもの話(=フランクが退役軍人で隠居生活を送っていること)をウソだと思っているのだ。
 人身売買の事件を解決させるために、警察に捕まったフランクを逃がすところもいい。
 彼は警察の人間である前にフランクの友人なのだ。

★追記
 アクションシーン!
・フランクのBMWはスイッチでナンバープレートを変えられる。
・警察に囲まれて、フランクは自動車運搬車に自分の車を乗せ逃走する。
・港のコンテナの闘い。
 コンテナの扉を巧みに使い。多勢の敵を分断、閉じこめたりする。
・重油まみれの闘い。
   〃  でつるつる滑る。
 滑らないために、ギザギザの自転車のペダルを靴につけて闘うフランク。


 
コメント
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