街角風景～急がず休まず

　新渡戸稲造の筆により「Haste not Rest not」と揮毫してある。
顔なじみのハンコ屋の店頭に　額が建てられていた。親爺に「どうしたの？」「わかった～！？」 （…おそらく復興を念頭においてる模様…）　「すぐね～ッ！」（ドヤ顏で…）「だいたい　わかるよな～」というやりとり。

　続いて…「なんぼしたの？」　「中身だけで○千円で表具は別。まだ骨董屋にあったよ」　「え～～～ッ！本物かよ？？？」　　「…　俺の目にくるいはない！！問題は心だ！」…そう・だ・ね。。
　少々早く暑くなりすぎたせいかもしれないな…と思った。


　　　　　「空は我を生みし蒼さや花卯つ木：渡辺水巴」

街角風景～エゴノキ

…白い清楚な五弁花をびっしり…と文献にはあるが　わが目もカメラも間違いなく…ピンク。標札も間違いない。粋な庭師によるもんなのかは不明ですが　ま…中にはこういう色っぽいのもイイ感じでは…と。
　実の皮をかむとのどが「えご」くなるのでこの名とのこと。（決してエゴイズムのエゴではないようでした・・・。）花が下向きに咲いてくれていて　小さなカメラマンにもやさしいそうだけれど…綺麗な花にはトゲがある…そうなのでやや離れて撮影しました。

　　　　　「えごの花遠くへ流れ来てをりぬ：山口青邨」

街角風景～トチノキ

　今年も咲いた。不思議に見飽きるということはない。きっと花の全体像が直立した安定感のある円錐形で　安心感を持つからでしょう。
　この花を街角で見かける頃からは　さまざまな樹木の花が一斉に咲きだし…　忙しいったらありゃしない。今年こそメモ帳を整理して線引きし　アチコチ手当り次第の樹木鑑賞から脱却したい。…が　好奇心はなぜか尽きることなく　一歩進むとまた新しい風景が…。

　　　　　　　「橡の花きつと最後の夕日さす：飯島晴子」

街角風景～土蔵のある風景

　一気に暑さが押し寄せ　それに急きたてられてチョコチョコ衣食住の形態変更が忙しい日々。
　でも　日々多忙はそのせいだけでもなさそうではありますが…加齢か？　常に追いまくられている感じがする今日この頃。日常生活の諸々の能力が落ちている…のかもしれず自信が揺らぐ。
　まだ真夏にはかなりあるけれど　写真のお家の立派な御蔵は　手入れも行き届いていて　実に存在感がありました。子供の頃いたずらの果ての土蔵の中。自然なヒンヤリ感は　とても快感であった。もうなかなか経験することが難しいけれど　懐かしい思い出。さぞ中は涼しいことで…ありましょう。全体の風景も清々しい。


　　　　　「信号のなかなか変らぬ暑さかな：江國滋酔郎」

街角風景～郷愁のナンジャモンジャ

  昨年　市内には三か所にある…と聞いてはいました。二か所はマークしておきながら　そのうち…記憶はおぼろ…。最近 所用の帰り　ボーッと歩いていたら　何やら見たことのある樹木の花…記憶回復！これが三か所目の木でした。しかも　今が旬　満開の姿。足かけ３年かかって　記憶の圏域外での遭遇は　まったくの偶然で幸運なのでした。しかも　満開で待ち受けていた（自己陶酔？）のです。
　この状況は自分らしくて…まさに取り巻く情景は　ナンジャモンジャ…なのでした。なにかイイことありそうなホンワカ気分に…。

　　　　　　「五月微風ミルクの膜の舌ざはり：秋元不死男」