街角風景～胃カメラ

　晴れた寒空に　ぽつんと赤い実一つ二つ。厳しい環境の中
よく耐えながら生き長らえているものだ。
　年一回の健康診断のうち　胃の検査だけ先送りしていて未
了。バリュウムを飲みたくないのと　コロナで病院との距離
を置くようにしていたら‥もはや年末になってしまい　時間
に余裕なし。ついにカメラを飲み込む羽目になってしもた。
　とにかく　あちこち　調子は完璧ではない。あちこちとは
六根（眼耳鼻舌身意：ｹﾞﾝﾆｰﾋﾞｰｾﾞｯｼﾝｲｰ)のすべてでガタがき
て居るのである。順番に専門医の検診を聞くことは　時計の
針を戻すのと同様　ほぼ不可能なこと。（病院へ行くと必ず
薬事療法で　長期間通院‥の日々が待っている‥と想定。）
　歯医者にはもう二年ほどお暇‥の状況であり　これらのツ
ケはいつかは回ってくるのだろう。ここは　第六波も想定し　
覚悟を決め　越冬して　生き長らえるための〝ごまかし戦術”
で参ることに致しましょう。
　とりあえずは　本日の胃カメラ健診を断行しよう。
　　　「目貼りしてカーテン引きし書斎かな：高浜虚子」

街角風景～雪嶺

　曇天が続き土日には御山が真っ白になってやっと顔をだす。
翌日からまた雨そして今日も雨である。今晩には大寒気団が
やって来るらしい。里にも雪が積もるかも？。
　最近のニュース番組は実に暗い内容の映像が連続して出る。
説明を聴きながらも（嫌なことは回避したいので）　かなり
ボーッと眺めているが　時間を置いて　なんの拍子にか時折
その画面が自然に浮かんでくることが多くなった。
　映画「史上最大の作戦」中での　全軍反抗開始の暗号文章
は詩文中に盛り込んだ「ひたぶるに　うら悲し」であった。
　人類が右往左往させられる自然現象（コロナも含む）で
大災害頻発の渦中に　しばらく雪の山を眺めながら　如何
とも対抗しきれない状況に　「うら悲し」い気分で一杯に
なって　しまうのだった。
　いままで積み上げてきた「技術」は一体何だったのか？
‥今夜の山の方は　大雪かもしれない‥。
　　　「雪嶺のひとたび暮れて顕（ｱﾗ）はるる：森　澄雄」

街角風景～山に雪 街に焼芋

　夏ころ読み始めた本があり　読み切れないうちに雪になりそ
うな気配。少々焦り気味。なにしろ聞いたこともない単語がた
くさん出てきて　いちいち検索しなければならず　甚だ面倒く
さいのである。
　自身に根気だぞ！と何度も云い聞かせながら　頑張っても一
日３ページくらいのスピードがせいぜい。（集中力ゼロの証拠
で　しかももう始めの頃のページの内容は忘れかけている‥。）
　と　切羽詰まっている状況に追い込んでいるにもかかわらず
街歩きの際　ちょいと立ち寄った本屋で前々から気になってい
た本を発見！すると‥もう二度と会えないかも　手元に置いて
いても腐るもんでもない　買うなら「今でしょ！」となり　狭
い机をさらに狭くする羽目になる。積読の山は‥生きてるうち
に読み切れない量かもしれない。
（‥本のコレクターではないのだが‥性懲りがない。）
　財布が極端に軽くなった挙句　ほんわか匂う芋屋を覗く余裕
もなく　山にはもう雪降りが始まっているではないか‥。
　　　「冬くれば大根を煮るたのしさあり：細見綾子」

街角風景～黄落と冬花

　余計な考え（雑念）を消去しようとすると　結局自分の頭ん
中は真っ白で何もないと気づき　我ながらガッカリ‥砕けそう
になってしまうような気分‥が　秋の季節。
　少々自粛ダメージがあり　体力アップのためリハビリと称し
街中散歩に本腰を‥と出歩いてみると　もうあっという間に紅
葉時期は終りつつあった。
　ところが　某神社の垣根に　少ないけれど花がチラホラ咲い
ていた。え？今は～♪モ～秋。なに？この花‥と歩きながら
ズ～っと考えていたが思い浮かばず　引きずったままで　実に
ストレスの多い散歩になったのであった。
　日に日に最低気温が下がり　着るものを探すのに忙しい日々
が続いている。いつもより体調管理には気合いを入れて集中！
しなければならない。
★記録保存・・・着装イメージ（ステテコの場合）
　目安最低気温≒16℃・・
　　　　　　　　スケスケのステテコ（併せてセーター探し）
　　　同上　　≒12℃・・薄手ステテコ（同上 コート探し）
　　　同上　　≒ 8℃・・厚手　同上　　（←いまココ？）
　　　同上　　≒ 5℃・・薄手のｽﾞﾎﾞﾝ下
　　　同上　　≒０℃・・厚手　同上
　　　同上　 　≒ー5℃・・
　　　　　　　　　　ラクダのモモヒキ風（見栄は完全消滅）

　　「黄落や風の行手に地獄門：宮下翠舟」（季語は秋ﾃﾞｽ）

街角風景～冬の雲

　「幸せだから笑うのではない。笑いがあるから幸せになるの
だ：仏哲学者アラン」というロジックは「投票に行かないと何
も変わらない：一般庶民」という言い回し（論理）に似ていて
展開は同じような気がする。（表の裏の裏は表みたいな？）
　投票結果への評価は　こんがらがってしまうので　識者の意
見開陳を待ったほうが効率的。当方の日常の身の回りを優先し
整理してみると　笑顔すなわちアルカイック（＝原古的‥難解
！）なスマイルに‥日常気を使っていれば　幸せ（な気持ち）
になれる‥という意見を　採択したい。（選挙と無関係）
　云われてみればそんな気もする。愚痴ばっかり云っていても
なかなか前向きの　ノリノリ気分にはならない。
　ところが‥昨今の「不要不急」という流行語？が弱い心を結
構侵略してきて　怠惰三昧でほぼ日々の活動へのコーピングの
原理となって　万事即行動の姿勢から　すべては先送りへ　と
大転換してしまった。（註：元々怠け者！という影の声あり）
　いずれにしても　いつもと同じように　空の雲は流れに流れ
淡々と時間も流れ‥変化はと云えば　馬齢を重ねただけで雲行
きはまことに怪しげなのである。
　あちこちで暗雲低迷の兆し‥が現れるような　冬になりそう。
　　　「雲動いても動いても冬の雲：稲畑汀子」