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狼の牙を折れ

2016年02月10日 | 社会、読書

門田隆将著 狼の牙を折れ

シリアとイラクで自称イスラム国が勢力を伸ばし
日本人が拘束されて殺害されたのは一年前だった。
あの時、日本国内の一部から
「これで日本がテロリストの標的にされた」
「これからは日本でもテロが起きる。どうしてくれる!」
と政府の対応を非難する声が起きた。

これからはテロが起きる?
何を寝言、言っているんだ?
オウム真理教による地下鉄サリン事件は
世界中を震撼させた「初の化学兵器によるテロ」だったことを忘れているのか?

この時、三菱重工爆破事件に触れた記事を読んで
私がその事件についてタイトル以外は何も知らないことに気付いた。


昭和49年8月30日といえば、
大学3回生で京都に住んでいた時だ。
テレビもなくラジオは音楽しか聴かず
ニュースは朝日新聞を購読していただけ。
しかも当時は、左寄りの思想で、テロリストの論理を全否定していなかった。
そんなこんなで事件の深刻さが分からず印象が薄かったのだろう。

門田隆将氏の著書を探して、たまたまこの本に行き当たった。
三菱重工爆破事件の犯人を割り出し検挙するまでの
警視庁公安部の捜査官を追ったノンフィクションである。

犯人グループは極左集団として知られた組織ではなく
「誰が何のために」から探り
血のにじむような捜査を積み重ねて
9ヶ月後の昭和50年5月19日に犯人グループ7人を一斉検挙した。

高い能力と精神力と身体能力を持つ捜査官の方々がいればこそ
事件の解決ができたのだと、感動した。

それと当時に、この事件の底には
WGIPによって間違った価値観と歴史観を刷り込まれ
祖国を悪と思い込まされた若者達の悲劇がある。
元々は真面目な若者が「日本人は悪の手先」だと無差別テロを実行した。

その後、検挙された一人が
日本赤軍のクアラルンプール人質事件に関わる「超法規的措置」で釈放され
2年後のダッカ事件で、さらに二人が釈放されてしまった。
そのため事件は40年を経た今でも終わらず、
死刑判決が確定した犯人の刑は執行されていない。


本書を読んで改めて思ったこと。
昭和40年代の学生運動は、突き詰めればWGIPのなせる技だった。
日本は悪い国で、アジアの国々を蹂躙し殺しまくり悪逆非道の限りを尽くしてきた。
その後も反省せずに今度は経済力でアジアの国々を蹂躙し搾取している。

それが嘘でたらめであることを知っている大人は多かったはずだが
若者達の誤解を解こうという真剣な活動はされていたのだろうか?
少なくとも広がってはいなかった。
それもまたWGIPのなせる技だったのだろう。

犯人グループの世代は現在60代後半以上。
今なおWGIPの毒から解放されていない日本国民も少なくない。
一人でも多くの人が一日でも早く目覚めるように
私なりにできることを続けていきたい。
コメント
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