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北方領土(NHKスペシャル)

2011年02月20日 | 暮らし、その他
先日録画しておいた
「NHKスペシャル 北方領土 解決の道はあるのか」を見た。

この問題が66年経っても解決していないのは何故なのかと、ずっと思っていた。
番組では、これまでの経緯が整理されていて、とてもよく分かった。

「一筋縄ではいかないな」と思った。

現在、日本政府は四島一括返還の立場だが、
それをお題目のように唱えていたって、何も進まないと思った。

「こちらが正しいのだから、言い続けるしかない。
悪くないのに下手に出るなんて、屈辱だ、恥だ。
そんな屈辱を味わうくらいなら、領土問題が解決しなくても仕方ない。」

でも、それって、外交といえるだろうか?

恥をかくよりも腹を切ると言う文化は、それは武士の文化、武士の精神である。
武士が出てくる以前の日本、あるいは貴族や商人、農民などの庶民とは別だろう。

庶民は同じ精神論で行動する必要はない。

いや、むしろ、外交において武士の精神を持ち出しては、解決は遠のくばかりのように思う。
なぜなら交渉相手は全く異質の文化、異質の精神を持っているのだから。
つまり、我が方にとっての「正論」が、
相手方にとっては「暴論」だったり「空論」だったりとなることだってある。

万国共通の判断基準は
「何が自国の利益になるのか?」

それに尽きる。


元島民の平均年齢は77歳。
ロシアから移住してきた現在の島民は、苦難の時を乗り越え今ようやく生活にゆとりができているという。
65年が経てば、子が生まれ孫も生まれ、3世代がそこで生活を営んでいるわけだ。

今更、彼らに出て行けと言っても、そりゃあ無理だ。
逆の立場で想像すれば、分かりそうなものだ。

1990年代の終わり頃、並行協議論というものがあった。
その時に、もし歯舞色丹の二島が返還されていたら、
残る国後、択捉も、現状よりはずっと日本に近い場所になっていたと
私は思う。
その道を「世論の反発」が遮った。
とうよりも、世論に迎合して決断できなかった当時の政府が
その道を閉ざしたのだ。

まあ、レースと同様、タラレバは言っても仕方ないけれど。

領土問題を含む外交交渉で、自分の正論を振りかざしても自己満足しか得られない。
お互いにとって利益になる形で妥協点を探ることが、交渉だろう。

前原外相のコメントも紹介されていた。
現実的な解決をするために何ができるのかを全力で検討すること。
最後は双方のリーダーが、覚悟と決意を持って決めること。

その通りだと、頷きながら聞いた。

マスコミがおもしろおかしく煽る世論に惑わされることなく
なんとか頑張って解決してほしいと願う。
コメント
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