桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2009・11・9

2009年11月10日 | Weblog
今日もまたお昼から芝居のリハ。音響のAさんに来て貰って実際にSEや音楽をいれて通してみる。自分の演技のこともあるが、何か足りない気がする。後三日、それまでに何かを見つけ出さなくては。終了後、今日は何もない筈と思い込んで、お店はY君とMに任せて一旦部屋へ戻り、公演時に配るリーフレットの原稿書きと公演当日はポルトガル料理の特別メニューにするつもりなので、そのレシピを作ろうと思っていた。考えてみたら明日はリハの後で80人の観客が来る予定のライブがあるし、明後日は公演前日でバタバタしているだろうし、今日しか作る時間が取れそうにないのだ。でも、その前に日記を書こうと前日の日記から『独房、若しくは雑踏』の宣伝部分をコピーして今日の日記に貼り付けた時、Mから今日はM重工業のYさんが六人で来る予約があったこと、毎月9日に集まる高校のミニクラス会があったのを芝居のリハに没頭する余り忘れていたと電話があり、そして開店早々思いもかけないお客さんが来ていると言われて、慌てる余り、芝居の宣伝しか書いてない日記をそのまま送信して(後で追加訂正)店へ向かった。思いもかけないお客さんとは、白金にあるトンカツ屋『D』の奥さんだ。『D』は五年半前に亡くなった父が贔屓にしていた店で、生前は何かあると我々親戚を『D』に呼び集めるのが習慣になっていた。そこでの父は大テーブルに店中のメニューばかりか、わがままを通して自分だけのスペシャルメニューをオーダーしては悦に入っていた。そんなに気に入っていた店だからと、父の命日には『D』に赴き、父と同じ様にテーブル中にありったけのメニューを注文して食べるのを供養の代わりにしている。勿論、命日以外にも『D』で母や妹と食事する機会が多い。ついこの間も母と食事していたら、いつも父の思い出話をしてくれる奥さんが生前父が章の店へ行ってくれよと頼んでいたと云うエピソードを話しだした。自分じゃ照れ臭くていけないので代わりに行って偵察して来てくれと云う訳だ。でも、商売をやっているとなかなか時間が取れない。その内父が亡くなり、気にはなっていたのだけど、バーに飲みにいくと云うのはトンカツを食べにいくのと違って中年の女性が一人でそう簡単に実行に移せるものではない。でも、この日記で『D』のトンカツが絶品だと何度か書いているのを知って、常連客の某大使館勤務のSさんが『D』に通う様になり、奥さんとも親しくなったらしく、Sさんとならば長年気になっていたコレド行が実現できると今日一緒に来てくれたのだ。すき焼きを食べ、一口カレーを食べて、Y君の作るカクテルを何杯も飲んでいる奥さんを見ている俺にしてみれば、その背後に父の霊が見えても何の不思議はない。父も漸くコレドにきたと云うことか?
★11/10(火曜)は今日現在で予約数が80近いライブが7時半過ぎから10時近くまで催され、カウンター席も含めて混乱が予想されます。ご来店くださる方はそのことをお含みおき下さい。
★『独房、若しくは雑踏』(改訂版)
八月に催した『コレド演劇フェスティバル』でたった一日だけ公演し、好評を博した芝居を大幅に改訂し、桃井章が出演するバージョンとして再演いたします。
作演出・桃井章、出演・吉野翼、桃井章、みきてぃ
日時・11/12(木)、13(金)、14(土)全日19時30分開演(土曜のみ15時のマ チネあり)、料金3000円
~予約お問い合わせはコレドシアター(3470ー2252)まで~
コレドのホームページのアドレスイベントスケジュールなどご参照ください。