桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2008・2・18

2008年02月19日 | Weblog
パソコンが一カ月半ぶりに復活した。昨日まで慣れない携帯メールで長い時間かけてこの日記を書いていたと思うと、こうしてスラスラ文字が画面に出て来るのが夢の様である。その記念すべき日記のトップニュースは、なんと言ってもAN嬢が今年初めて店に姿を見せたことだろう。今年に入って体調を崩し、遂には三週間の入院生活を送ることになったと云うAN嬢、今日退院したばかりだと云うのに律儀にご挨拶に来てくれたのだ。と云っても、口にしたのはクランベリーJだけ。当分、アルコールは控えるとのこと。そうだね、それがいいよ。ウチの店にとっては売上減になるだろうけど、AN嬢は飲みすぎたからね。これが嬉しいニュースだとすると、淋しいニュースはSミュージックのIさんに異動の発令が出て、市ヶ谷に転勤することになったことだ。住まいは赤坂だし、全く縁が切れてしまう訳ではないのだけど、これまでみたいに仕事が終った後フラッと立ち寄って「何かご飯下さい」と云うリクエストがなくなってしまうと思うと、会社の人事担当者を恨みたくなる。でも、こうしてお客さんとの縁が深くなったり、薄くなったり、新しく常連になる人もいれば、全く姿を見せなくなった常連客もいたり、それが酒場なんだろうね。そして、今日のラストニュースは、脇役として活躍している女優のAさんが仕事の帰りに俺の結婚を祝福する為にフラッと寄ってくれたこと。彼女の手土産はレトロな玉電の羊羹だった。

2008・2・17

2008年02月18日 | Weblog
この日記は今、パソコンで書いている。今日(月曜日)パソコンに詳しいWさんにご足労願って点検して貰ったら簡単に直ったのだ。ただ、メールは故障している間に4000通近くも溜まってしまい、受信が途中で止まってしまうもんだから見ることが出来ない。どうやら全部削除しないといけないみたいだ。1月初旬から現在に至るまでにメールを下さった方、ごめんなさい。まだ間に合う用事でしたらもう一度メール下さい。とりあえず今日の日記は連絡まで。

2008.2.16

2008年02月17日 | Weblog
マチネとソワレ、1日二回公演がある日は、その分売り上げは上がるけれど、午前中に店に入ってそのまま夜中までになる可能性があって結構辛い。そこで今日はKさんにマチネ終了時間に出て来て貰うことにして俺とMは中抜けすることにした。買い物して食事して仮眠、と行きたかったところだったが、部屋に帰ればさぼっている事務処理が待ち構えていて、それは叶わなかったけど、朝読み損なった新聞にウチの店をデザインしてくれた部谷京子さんが昨日発表された日本アカデミー賞で最優秀美術賞を受賞したとのニュースが載っていたので早速お祝いの電話。ウチの店も凄い人に作ってもらったものだ。6時前に店へUターン。それはそれなりの気分転換出来て、夜の営業に望もうとしたのに、芝居関係以外のお客さんは閉店時間間際に俳優のOがきてくれた以外は一人も現れず。12時半閉店。明日も早いので『ER』を見ながら冷凍ピザを食べて寝る。

2008.2.16

2008年02月16日 | Weblog
今日から始まった『おのまさしあたー・三國志』は一人芝居なのに、上演時間が二時間半と云う超大作。演じる方も大変だけど、見る方も休憩なしで二時間半は凄い体験だ。こんな時間狭い空間に拘束されると、どんなに芝居が面白くても、終わった瞬間に表に出たくなるのが人情というもので、従って終了後のオーダーは殆んどないのも仕方ないことか。その間にカウンターには広尾時代からの独身女性客Hちゃんたち、この間一緒にテレビ出演した俳優のTたち、久しぶりに来店してくれた近所の出版社のMくんたち、同じく近所のN老人、制作会社DのKさんたち、そしていちげんのカップルたちで埋まる。閉店間際に制作会社KのMプロデューサーがタクシー待ちで入って来たけど3時前には店を出る。今日の夜食は安売りしていた蒲焼きでうな丼。滅法美味。

2008.2.15

2008年02月15日 | Weblog
なにがストレスになっているのか?朝起きたら歯痛と痛風の発作のダブルパンチに襲われる。座薬と抗生物質で取り敢えずしのぐが、俺の内部で何がストレスになっているのだろうか?Mも食欲不振だったので、明太子乗せ冷奴、かぶのサラダ、釜揚げ小エビ、昆布の佃煮、蜆の味噌汁などさっぱりしたもので食事して五時過ぎに店へ。開店してしばらくして高校の同級生O君が来店。イベントスペースは毎週木曜恒例のタンゴパーティーが催されていたが、カウンターは暇だったので、O君におごって貰いながらお喋りを続ける内に気持ちよく酔っ払う。他にお客さんは作家兼演出家のTさんたち、週刊BのIさんたち、近所のKさんたちのみ。2時閉店。座薬の効き目が切れて、足を引きずりながらいつもより時間がかかっての帰り道、寒風が頬に痛い。

2008.2.13

2008年02月14日 | Weblog
お昼のワイドショーでキャスターを勤める俳優のOが突然来店。彼とは二十年前俺が書いたお昼の連続テレビドラマで一緒に仕事をして以来だったが、芝居をしたいので会場を見せて欲しいと言われる。生憎とイベントスペースは映像イベントで使用中だったが、休憩中に見てもらう。キャスター業やドラマで忙しいだろうに、何とか実現したいと云う彼の熱意に打たれる。制作会社の経理担当者Iさんがウチの店の資金繰りを心配して色々アドバイスしてくれる。今のままじゃ生き残れない、極端なことをいえば、キャバクラ化する位の度胸が必要だと云う過激な提案に問題点が明確化した気がする。俳優Oの芝居への熱意とキャバクラ化、二つが両立しないことは云うまでもない。

2008.2.12

2008年02月13日 | Weblog
今日、ウチの店が雑誌『映画芸術』と共同主催している『映芸マンスリー』で、富田克也監督の『国道20号線』と云う映画を見た。どんな映画を見ても、こんな人間いるよなと思えてしまうのに、いや、こんな人間いるよなと思えてしまうことで、その作品に共感することが多いんだけど、この映画の登場人物って、こんな人間、この現代日本にいるの?って思えてしまうような人間なのだ。特別な世界の人間じゃない。何処にでもある地方都市にいるだろう暴走族上がりの男女だ。この二人の向上心のなさ、堕落ぶりに俺は見ている内に目を覆いたくなっていた。恐くさえなっていた。もう一度見ろと言われても見たくない、そんな映画だ。そして、それが映画だ。そんな映画を上映する機会を持てただけでも、この企画を続けた意義があったと思う。おまけにと言ったらこの映画に失礼だけど、観客数も五十人を越して最高の入り。ドリンクの売り上げもまあまあで、他に一般のお客さんもいなかったもんだから、『国道20号線』様様の1日だった

2008.2.11

2008年02月12日 | Weblog
結婚してからも、する前と同じ部屋に住んでいるもんだから、とても新婚気分になんかなれなかったのだけど、西麻布で25畳、それでいて家賃13万なんて好条件の部屋から引っ越しする訳にもいかず、だったらせめて思い切った模様替えをしようと企てていたのだけど、先週までは芝居のことがあって出来ないでいた。でも、連休だ。本当は各駅停車の旅で房総辺りに行くつもりでいたのだけど、今日を逃してはいつ出来るか分からないので、午後から決行することにした。棚を動かし、クローゼットから段ボールを下ろしたり、それはそれなりの肉体労働。途中で軽食を挟んでの八時間余り。終わった後、風呂に入って『新居』で飲むビールの味は格別なものだった

2008.2.10

2008年02月11日 | Weblog
せっかくの連休だからどこかに連れて行けとMにせがまれて夕方街に出る。何処に行こうか迷った末に若い頃に住んでいた高円寺に連れて行く。何の変哲もない街だし、Mには退屈だろうが、俺にとっては青春の匂いが詰まった街だ。処が、Mは俺以上に楽しそうだ。訳を聞くと、町中にこんな一杯お店が続いているなんて凄いとはしゃぐ。確かにこの街は飲食店、古本屋、雑貨屋など色々な商店で溢れている。それも青梅街道から早稲田通りまで駅を挟んで延々と続いている。こんな街は東京でも珍しいのだから、広島から上京して二年のMにとっては目が輝いても当然のことだろう。お蔭で安上がりの東京案内をすることができた。8時過ぎ、新宿に出て、俳優のHさんと『桃井章作家復活シリーズ2』の打ち合わせをかねて飲む。話す内、いくつかのアイデアが結びあいって、ぼんやりとやりたいことの全体像が見えてくる。こんな時は酒が進む。気付いたらMに抱きかかえられながらベッドに倒れこんでいた。

2008.2.9

2008年02月10日 | Weblog
連休に入った土曜日、雨模様だし、お客さんは望み薄と諦めていたら、開店時間前から遠距離恋愛をしているNさん、映画カメラマンのSさんと照明技師のIさんが来店してくれたもんだから、ひょっとしたらと期待したのだけど、途中から雨が雪になった時点でギブアップ。11時を過ぎてもドアを開けて入って来たのはいちげんのカップルのみ。もう粘っても仕方ないとSさんにもらったチケットで今日封切りの映画『T』をMと見に行く。けど、映画館の中の暖かさがいけなかったのか、予告編の間に眠りだした俺、本編が始まってMに起こされても目が覚めることなく、ラスト近くまで爆睡。知り合いの名前が大勢クレジットされているタイトルロールをむなしく眺めていた。