桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2007・8・10

2007年08月11日 | Weblog
トイレで一昨日の新聞を読んでいたら、閣議の決定人事として小学校時代秀才としての誉れが高かった同じ学年のK君がP国の大使に任じられたと云う発令がでていた。50年近くの歳月を経て新聞の活字で見るK君の名前。P国の大使が出世なのかどうか、何となく複雑な気持ちになったのは何故か?店の運転資金がどう足掻いても都合出来ないので、国民金融公庫に追加融資の問い合わせをしたら、連帯保証人が必要だという。運転資金がなく困っていて倒産寸前の店の連帯保証人になんて、誰もなりたがる訳ないじゃないか?つまり連帯保証人がどんなものか分かってない無知の人を騙すしかないってことか?若い女の子が一人残って隣で飲んでいても、スタッフが帰ってしまうと、俺はカウンターの中に入る。当然と言えば当然だけど、少し前なら隣で更に密接になって飲み続けた筈だ。何だか保守的常識的になってきたのは加齢の所為か?2時にお店をでたらタクシー難民の列。そうか、今日はお盆休み前の金曜日かと初めて気づく、お客さんで溢れなかった店のオヤジ。

2007・8・9

2007年08月10日 | Weblog
今日は用事があって4時に店へ入って、最後のお客さんのYちゃんが帰ってから後片付けを終えて店をでたのが3時半、約12時間も日が当たらない地下室にいたことになる。日が当たらないと言えば、今住んでいる部屋も北向きなもんだから昼間でも薄暗い。つまり俺は一日の内の殆どを日が当たらない空間で過ごしていることになる。だから昼間外にでたりすると、クラクラと目眩がする。今日も歩いて5分少しの処にあるスーパーに買い物に出かけて帰って来るのにエネルギーを使い果たして、しばらくは部屋でダウンしていた。まるでモグラだ。そんなモグラが一瞬海に行きたいと思った。モグラと海は似合わない。似合わない処か、モグラは泳げないし、海に入ったりしたら死んでしまうのに、モグラは海に浮いてギラギラした灼熱の太陽を浴びるのをホンノ一瞬だけ夢見た。

2007・8・8

2007年08月09日 | Weblog
参院選挙で自民党が大敗した原因の一つとされている年金問題が自分にも降りかかるとは思わなかった。社会保険庁から届いた「年金加入期間の確認について」と云う通知に、俺の年金加入期間が249ヶ月しかなく、年金を受けることが出来ないと書いてあったのだ。そんな筈はないだろ?と思わず大声を上げそうになった。少なくとも今年20歳になる息子が生まれてからはずっと払い続けているんだから、それだけで240ヶ月だ。それ以前の独身時代は時々パスしてしまった記憶があるけど、その前の結婚生活でも払っていた筈だ。いや、それより20歳の時に古本屋の店員になった時、22歳で制作会社の演出助手になった時、23歳で広告代理店の企画部員になった時、それぞれ正社員だったから厚生年金を払っている筈だ。それなのに、その記載はゼロとなっているのだ。おいおい、記載漏れかよ?と手元に残っている年金記録で確認して社会保険事務所に電話する。ところが何度掛けても話中だ。だんだん面倒くさくなってくる。どうせ電話が通じたって役人に横柄な態度を取られるんだろうと思うと、それ以上書け続ける気がなくなってしまう。それに記載漏れが判明したって、月々僅かの年金を何回貰えるか分からないんだ。だったらいいよ。かなり家計は逼迫しているんだし、もう毎月13500円は払わないから。

2007・8・7

2007年08月08日 | Weblog
朝起きて突然カレーライスが食べたくなる。気取ったカレーじゃなくて、大きなジャガイモが入ったカレー。近所のスーパーで食材を買ってきて、早速作りだす。けど、タマネギを炒めながら店にもカレーがあったことを思い出す。じゃがいもは入ってないけど、茹でて加えれば、食べたいと思っているじゃがいも入りカレーになることに気づく。一時間以上かけて作ったカレーライスは美味しかったけど、何となく虚しい気にさせられる。早い時間から近所に仕事場のある有名脚本家Yさん、自主映画監督のHK、女性プロデューサーのYちゃんとシナリオ修行時代に俺がちょっとだけ面倒を見てあげた女性脚本家のMさん、法律事務所勤務のNさん、若いのにモルトファンのU君たちが来店してくれ、更に遅くなって近所に住むMさん、レストランに勤めるA君たち、制作会社のスタッフたちなどで3時まで営業して平均点の売上。けど、8月から人件費削減で特別な日を除くと俺が5時から店にでて、今日みたいに3時過ぎまでいることが多くなったのだけど、帰って数時間寝て起きると、もう次の日が始まっていて、お金の処理や事務処理をしてたりすると、もう出かける時間になってしまう。ウーン、何となく一日が慌ただしく過ぎていく。

2007・8・6

2007年08月07日 | Weblog
映画好きの仲間たちが集まってウチのスクリーンで『愛の新世界』と云う映画を見た。十数年前に公開された映画だ。当時見たことは見た。いい映画だとは思ったが、声高に絶賛する程とは思わなかった。処が、十数年時が経つ間に、普通映画は「風化」することが多いのに、この映画は「進化」していた。俺の感性がこの映画に追いついたのか、それとも俺を取り巻く環境が変わったのか?又は女性を見る力が育ったのか?とにかく声高に絶賛したくなる程の映画だった。こういう映画を見た後は気持ちが高揚する。この一週間、お酒が飲みたくなかったのに麦焼酎のロックを四杯も飲んだ。監督のTさんと脚本家兼プロデューサーのAさんがカウンターで議論の末に口論となった時など、いつもなら制止する体制に入るのに、頭の中は映画の中で流れていた山崎ハコが歌う『今夜は踊ろう』が流れ続けていて、気持ちは殴りあったりしたら面白いのにとよからぬことを思っていた。それほどまでに気持ちを高揚させてくれた映画『愛の新世界』に乾杯。

2007・8・5

2007年08月06日 | Weblog
芝居の名前は言えない。何処の劇場かも言えない。これからどれだけひどくこの芝居を非難しそうか分からないので、万が一関係者がこの日記を見たらウチの店と俺に対して当然の如く悪感情を抱いてしまうだろうから、営業的に何の芝居を見たか特定する訳には行かないのだ。とにかく気温35度の午後、お客のAさん(仮のイニシャル)が関係する芝居を見に行く。芝居の好き好きは異性の好き好きに似ているから、俺が嫌だと思う処を他人がいいと思うことがあるから何とも言えないのだが、この作家兼演出家、歴史を勉強したのかいな?いやぁ、これ程終戦直後の人物の描き方があまりに類型的な芝居を見たことがない。二十数人も登場人物を出しているのに、あの頃、女は皆娼婦で、男は進駐軍に追随する輩と軍隊帰りの自信喪失男しかいなかったのか?何だか高校演劇程度の人物造型だ。高校演劇程度と言えば、主役の三人を除くと、他の役者の演技レベルもその程度だ。あんな程度の連中に混じって芝居してたら主役の三人も「朱に交われば……」だ。それに折角特殊な舞台設計している劇場を使いながら……あ、これ以上云うと何の芝居だか分かってしまうからこの程度にしとこう。いや、暑さのせいかも知れない。炎天下の午後、芝居なんか見に行くもんじゃない。劇場に辿り着くまでに疲れ果てて、芝居を楽しむ能力なんか残ってないもんね。帰りにスーパーで特売していた鰻を500円で買って帰宅。部屋でシャワーを浴びた後、鰻をアテに缶ビールを飲む。250㎖缶なのに、全部飲みきらない内にダウン。一週間前、二日酔いになって胃腸をやられてからホントお酒が弱くなった。
★本日開催!月曜コレドシアター『映画人トークライブ』
ゲスト・高橋伴明(監督)、青島武(脚本家プロデューサー)、他有名女優の飛び入り参加予定。入場無料(飲食代別途)。7時開演(開場6時)。

2007・8・4

2007年08月05日 | Weblog
1時半からスペースレンタルの筈だったのが、主催者とこっち双方の誤解で、12時には皆が集まることになっているとの連絡を受けて、シャワーを浴びただけで飛び出していく。更にその集いが4時過ぎに終ってから料理中心のパーティをしたいと聞いて、そのまま買い出しから仕込み体制へ突入。Tちゃんには4時過ぎに出て来て貰ったけど、Mちゃんは体調不良で休むとの連絡があったので、二人で乗り切ることにする。20数人だったし、まぁ楽勝、と言いたい処だけど、お昼前から動き回っていることもあって、放送批評家のMさんたちがパーティの後も残って飲んでくれていると云うのに、椅子に坐ったら睡魔に襲われる。寄る年波と云うことで勘弁。他にお客さんは開業して半年経った産婦人科医のTさん、今年の春にK大を卒業して社会人になったF君、昨日に続いてすき焼を食べに来てくれたスタイリストのTさん、近所のスタジオマンのSさん、友人を連れてきてくれたモルトファンのU君、そしていつも元気な自主映画監督のHK。彼女には今月の中旬にウチの店をロケセットにしてたった一日だけの撮影日数で何十分かの映画を撮影し、翌月にウチの店で試写会をやると云う「産地直送映画」を監督して貰うことになっているので、その打合せをしたかったのだけど、もう頭も口も体も云うことが効かない。
※月曜コレドシアター特別企画『映画人トークライブ』
日 時・8月6日(月)19時より(開場18時)
ゲスト・高橋伴明(監督)、青島武(脚本家・プロデューサー)
他有名女優の飛び入り参加予定
料 金・無料(飲食代金別途)











2007・8・3

2007年08月04日 | Weblog
あることを調べる為に一昨年の来客名簿を見ている内に、その年の八月三日にどんなお客さんがきてくれていたのか知りたくなった。今も変わらず来てくれている人たちもいるけど、姿を見せなくなってしまった常連も大勢いるのに気づく。俳優事務所社長のA氏は今年の五月に自殺してしまったし、近所のMちゃんは黙って故郷の宮崎に帰ってしまった。毎日の様に社員を引き連れ現われていた中古車販売会社社長Sさんは会社が移転してしまったのか、もう一年近く顔を見ない。広尾時代からの常連、広告代理店H堂のFさんはパリ勤務を終えて日本に帰って来てから現われなくなった。常連の演出家Sちゃんは4月の末から入院中だし、Tちゃんの昔からの友人、Fさんは今まで勤めていた会社を辞め、もう一度学生の身分になってから月に一度しか飲みに来れなくなってしまった。たった一日を見てみてもこれだけの常連がウチの店から消えたのだ。そりゃ売上も減る訳さ。でも、とポジティブシンキングする。今日来店してくれたお客さんは、美人姉妹の姉AさんとスタイリストのTさんを除けば、新人歯科医のSちゃんや夕刊FのUさん初め、皆この半年以内にお客さんになってくれた人ばかりだ。お客さんが変わると、店も変わる。SちゃんやUさんが主戦力に育ってくれた時には、ひょっとしてウチの店は大繁盛しているかも知れない。
★月曜コレドシアター特別企画『映画人トークライブ』
ゲスト・高橋伴明(監督)、青島武(脚本家プロデューサー)
他、有名女優の飛び入り参加予定。
日 時・8月6日19時より(開場18時)
料 金・無料(飲食代金別途)

2007・8・2

2007年08月03日 | Weblog
久しぶりに食事を一緒にした母に、あなた、これからどうするの?と聞かれて、また結婚するかも知れないと答えたら、子供は作らない方がいいわよ、また「捨てられたら」養育費が大変だからねと忠告される。80数歳の母親が還暦間近の息子の生殖能力を疑いもせず、且つ女に「捨てられた」後の養育費の心配までしてくれることに素直な感激と驚き。俺の雑文が掲載された雑誌が送られて来る。物書きだった時には、誤植のチェックを兼ねて一読するだけだったのに、久しぶりに活字化された自分の文章を何度も読み返してしまう自分が愛しいと云うか哀しい。昨日はイベントもあって、お昼から閉店時間までに合計百数十人の人がウチの店に出入りしたと云うのに、今日は閉店時間までにお客さんが三人きりだから、俺やスタッフを入れてたった六人しか店に出入りしなかったんだと、シャッターを降ろす時に思う。百数十人と六人。笑ってしまうようで凄すぎる数字の比較。
※月曜コレドシアター特別企画『映画人トークライブ』
ゲスト・高橋伴明(監督)、青島武(脚本家・プロデューサー)
他、有名女優の飛び入り参加予定。
日 時・ 8月6日(月) 開演19時(開場18時)
料 金・無料(飲食代別途)

2007・8・1

2007年08月02日 | Weblog
八月だ。梅雨明け宣言も出て、漸く夏だ。この季節、俺ぐらい似合わない人間はいないし、本当は大嫌いなんだけど、今の俺は大好きになりたい。六月七月の悪夢をすっかり忘却の彼方にしてしまって、真夏の暑さが俺をギラギラに燃える人間に変えて欲しい。そう思うとそう云うモードになるのが俺の長所。皆が俺をバックアップしてくれている気になって来る。平日だと云うのにマチネに50人ソワレに30人の観客を集めてくれた『座・パウゼ』の皆さんに感謝。関西からアーティストを呼んでウチでライブをする企画を進めてくれているMさんたちに感謝。日記を見て病気見舞い的に訪れてくれたデザイン事務所社長のKさんに感謝。昨日来店するつもりだったのに電車で寝過ごしてしまったので替りに今日わざわざきてくれた常連のSさんに感謝。旧知の俳優Hさんの息子さんで監督志望のK君を連れてきてくれたTテレビの演出家Oさんに感謝。近所には一杯美味しいお店があるのに、わざわざパスタを食べにきてくれた美人姉妹の姉Aさんに感謝。閉店時間間際に入ってきて、若手カメラマンのAさんたちに、ここのすき焼はホントに美味しいから食べなさいと無理強いしてくれた有名なメイキャップアーティストTさんに感謝。来週の月曜に開催する『月曜コレドシアター特別企画』のゲストに有名映画監督のTさんと主演女優のSさんを呼んでくれた脚本家兼プロデューサーのAさんに感謝。うん、八月はきっといい月になる。
※月曜コレドシアター特別企画『映画人トークライブ』
8月6日(月)19時開演(18時開場)・入場無料(飲食代別途)
ゲスト・高橋伴明(映画監督) 青島武(脚本家・プロデューサー)他主演女優予定。