桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2005・2・8

2005年02月09日 | Weblog
唯一のスタッフLちゃんが体調不良だ。若くて元気一杯そうに見えるLちゃんだけど、普段から病気のデパートみたいに持病を抱えている。それに加えてこの数日間風邪気味。立っているだけでしんどそうだ。何とか元気になって貰いたいと昨日はニンニク一杯のラーメンを食べさせたり、今日は早退させたりしたけど、彼女に休まれたら今ウチの店はやっていけなくなる。それに二月三月は日曜祭日にイベントが続く。となると三週間休みなしになってしまう。何とか彼女が休んでも大丈夫な体制を早急に作らなくてはいけない。誰か日曜祭日だけでもイベントの時に手伝ってくれる女性はいないだろうか?お店は今日も暇。常連のNさんは今日も来店して記録更新中。ここまで来ると来店しない日があったりしたら病気になったんじゃないかと心配になってしまう(そう言えば、十二月から一月初めまで毎日の様に来店していた美人姉妹は最近パタッと姿を見せなくなった。一体何があったんだろう?)

2005・2・7

2005年02月08日 | Weblog
銀行に行った後、三時からこの店の『母親』である美術デザイナーの部谷京子さんと内装業者を交えてリニューアル計画の打ち合わせ。土曜日に部谷さんとまとめたプランを業者に見積もって貰う。欲張ればキリはないけど、最小限の出費で最大の効果を上げるよう注文を出す。でも、正式な見積もりが出るのが怖い。資金調達が待ったなしになると『父親』である俺は怯える。そんな『父親』の傍らで『母親』は元気で陽気。一カ月後に延期した一周年パーティ(リニューアルお披露目パーティ)のプランをあれこれ考え、来る客来る客に参加を呼びかける。偶然いらしたシナリオライターの大先輩であるS氏も何のことか分からず頷いていた。店は月曜日で暇。早い時間にフランスから一時帰国中のMちゃん、プロデューサーのMさんが去年ウチの店で上演された『リテイク』のDVOをもって、放送作家のSさんがHさんと、他にも近所の音楽会社のSさん、出版社のMさんなど。来店記録更新中のNさんが深夜ギリギリで訪れて記録を継続。スタッフのLちゃんが風邪気味なので二時前に閉店して夜食のラーメンと餃子(風邪なのに何故ラーメンなのか疑問)を食べて帰宅。

2005・2・6

2005年02月08日 | Weblog
このところ日曜日になると気が重くなる。平日は店に縛られ雑用をこなすことで逃げている問題が日曜日には言い訳が通用せず重く迫って来るからだ。今日の課題は十日後に訪れる一周年。普通なら営業的にも盛大な一周年パーティを企画するところなんだけど、それまでに解決しなくてはならない問題(資金の調達方法です)が未解決のまま今日に至ってしまった。この段階で挨拶状を印刷しても発送作業などを考えると16日の直前にしかつかない。それよりは問題を解決した後でパーティを催そうと決断したのが夜中になってから。パソコンの前に座って問題から逃げる様にネットサーフィンしたり、事務デスクに移動して溜まった書類の整理をしたり、グズグスと暮れて行った日曜日。この日、それまでに口にしたものは卵かけご飯とカップヌードルのみ。とても桃井章らしくない。

2005・2・5

2005年02月06日 | Weblog
朝九時、来日中の『天国の階段』?って云う韓国のテレビドラマの主演俳優(名前忘れた)のインタビュー番組がウチの店で収録されることになった為、店に鍵を開けに行く。脚本家時代から中国韓国台湾の映画は一本も見てないし、今の韓流ブームにも全く興味はないので、この俳優がどの位有名なのか知らない。でも、ウチの店に来る日本のスター以上の扱いに久々のスターを見た気分。何だか得した気がした。一度部屋に帰って六時からこの店の『母親』である美術デザイナーの部谷京子さんと一周年に向けてのリニューアル計画を打ち合わせ。今公開中の『北の零年』などの美術デザイナーである部谷さんは、一年前この店を作ることになった時、内装をボランティアでやってくれた人だ(俺は金を集めることでこの店の父親になった)。母親として父親として死にかけている我が子を生き返させる方法に深夜まで頭を悩ます。後は優秀な外科医を探すこと(つまり何百万か融資してくれる人を探すこと)か?

2005・2・4

2005年02月05日 | Weblog
午後から去年亡くなった友人のプロデューサー小池仁を偲ぶ会の為の準備に追われる。俺と演出家のNがどちらともなく言い出してすることになった会だ。俳優のAやTを初め仕事は抜きに本当に親しかった友人だけが20人集う。未亡人や娘さんやお孫さんを前に彼が若いころモテモテだった話や、入院の直前にも殆どの参加者と酒を飲んでいた事実が暴露されたりして、笑いが絶えることのない不思議な偲ぶ会だった。俺の偲ぶ会はどんな会だろう?仁みたいに笑いが満ちててくれればいいけど、借金返せの怒号と死んだ後に発覚した裏切りに対する恨みつらみで険悪な雰囲気に包まれるんじゃないかと今からびくつく。でも、それは杞憂。誰も俺を偲ぶ会なんか企画する訳ないと思って妙な安堵?深夜は近所の常連Nさんが今日も出勤。三時まで。今日で11日連続の記録更新中。

2005・2・3

2005年02月05日 | Weblog
近所の常連Mちゃんは不思議な魅力を漂わせた女だ。来る度に違う顔をしている。AV会社で女の子のスカウトが仕事だと広言する(でも、AVは彼女の仕事の一部らしい)。ラブホ帰りだと広言する(でも、個人的に行ったんではなく仕事で行った?)健康産業にも携わっているらしく、やたら薬に詳しい。異常な猫好き。猫の話を始めたら止まらない。ポルトガルのファドにも凝っている。将来の夢は、六人別々の国籍の男の子供を産むこと。一言で云うのが難しい娘だ。そんな彼女とカウンターで隣り合わせた人は不幸だ。あまりにエネルギッシュな彼女に圧倒されて黙り込む羽目になる。今日もいつもは饒舌な女性脚本家のYさんが彼女の被害者になった。もっともVさんは饒舌と云っても作家だし、論理的なお喋りが出来ない故に作家でいられるんだから悲観することはないけどね。店はこの一週間で一番暇。Mちゃんのお喋りだけが強烈な印象の一日。

2005・2・2

2005年02月03日 | Weblog
うちの店を訪れている内にその人の人生がゆっくりと変化していくのを見ることがある。女性編集者のHさんが去年の夏初めて来店した時、仕事が忙しくて恋人が出来ない悩みを訴えて来た。美人で聡明。逆にそれが恋人が出来ない理由だと思った俺は、男を頭の中で選ばず、体で応えろ。とりあえず言い寄って来た誰とでもエッチしろなんて、過激な答をした。打席に入ったバッターが選球眼ばかり養ってもバットを振らなければ四球か三振しかない。振れば三振かも知れないが、ホームランの可能性もあるのだ。彼女がそれから誰とでもエッチしたとは思わないが、去年の暮れには好きな人が出来、正月休みの間にアツアツの関係になったとか。自分の恋模様を語る彼女の眼は少女漫画の主人公の様に輝いていた。勿論、ウチの店にこない内に人生が大きく変わっている人もいる。映画配給プロデューサーのAさんは、知らない間に指圧のクリニックを開いていた。映画配給と指圧、何処をどう考えてもつながらない。でも、新しい仕事にスタートしたAさんの眼もスポーツ漫画の主人公の様に輝いていた。

2005・2・1

2005年02月02日 | Weblog
昨日の日記の最後に冗談半分(半分真剣)で「社長をやめたい」なんて書いたら、それを読んだ常連のNさんに「俺が出した金を返すんならやめてもいいけどな」とすごまれた。そうなんだよね。この店を去年作る時、コレド会員を募集して一万二千円(一年会員)から十万円(終身会員)まで合計154人から何百万も集めてしまったのだ。この人たちは俺と、俺が作る居心地のよいスペースがずっと続くことを信じてお金を出してくれたんだし、冗談半分でも俺がこの店を放棄する訳にはいかないのだ。反省。今日から二月。後二週間で一周年だ。何とかそれまでお店は持ちそうだだけど、二年目からのコレドをどうやって続けていくか,経済的にも精神的にも断崖絶壁に立たされている。

2005・1・31

2005年02月01日 | Weblog
今日は一月になって初めてのイベント、劇団ギルドの『誰?』の公演。有料入場者は17人だったけど、終演後のドリンクオーダーがまぁまぁあって助かる。昨日新記録を作った近所のNさんは今日も来店して記録を更新中(今日は因みに七時、十時、二時と三回も来店)。66歳。元大手芸能プロダクションの音楽プロデューサー。ウチに今日支払ったお金は九千円。他の店でも毎日飲んでいるから推測するところ一日二万円は使っている?羨ましい老後だ。俺の老後はそうはいかないだろうと皿を洗いながら思ってしまう。今日で一月が終る。Nさんが帰った段階で、一月の総売上が確定。営業日が23日しかなく、イベントもなかったこともあって去年11月の半分の売上しかない。給料(役員手当て)も出ないのに個人的にカードローンで支払いを穴埋めして、一体コレドと桃井章はどうなってしまうんだ?ウーン、社長をやめたい!