桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2013・4・10

2013年04月11日 | Weblog
鞄が欲しい。四年前に買った鞄は、毎日使っていることもあって把手がボロボロになっていて今にも千切れそうなのだ。だから半年前ミッドタウンの中にある鞄専門店でとても気にいった鞄を見つけた時はもう少しで買おうとした。値段も二万五千円程度で、そんなに高くない。それなのに最後の最後になってブレーキがかかる。駄目なのだ。食べることにはいくらでもお金をかけても平気な俺なのに、服装や装飾品、お洒落のパートになると極端にケチになる。まだ使えるんだからそんな贅沢をするんじゃないと自分に言い聞かせて、お酒もいれると一万円の焼鳥を食べている矛盾にモヤモヤしていたら、一昨々日の新聞の通販広告に13000円のソフトレザーバッグが載っているのを見て、よしこれだ、これを逃したら死ぬまでバッグを買えないかもしれないと勇気を奮って通販会社に電話してみる。でも、そんな時に限って電話はお話し中だ。十分後にもしてみる。またお話中だ。よし、食事をしてからしてみようと、黒豚の細切れのニンニクと唐辛子の胡麻油炒めを真ん中においたサラダ、鰈の煮つけ、卵いり納豆、きゅうり揉み、しじみの味噌汁でご飯を二膳食べた後に、今度こそはしてみる。けど、まだ駄目。その後時間を置いて二回電話しただろうか?その頃には鞄が欲しいと云う熱意欲望は何処かに消え去っていて、ただ通販会社に対する意地だったが、それも他の用事や出かける時間が迫ってきたりすることで忘れ去ってしまって、結局俺はまだ新しい鞄を手に入れることが出来ないでいる。