午後、用事で五反田にきた母と駅前で待ち合わせて、立ち食い寿司を食う。この数カ月、母が五反田に来るとこの店に寄るのが習慣になっている。午後のひととき、80ウン才の母と64才の息子が並んで寿司を食う風景は他人にはどう映っているのだろうか?と思っていたら、その後で入ったカフェでお喋りする内に気づいてみれば俺はオバサン言葉になっていたりする処をみると、どうやら俺と母の関係は、親子と言うより近所のオバサン同士になっているのかもしれない。母と駅前で別れて、その後店の調理器具を買いに渋谷の大型家電にいこうと電車に乗ったのだけど、乗り物に乗るとすぐ眠くなる癖が出て、いつのまにか渋谷は通り越して代々木に。面倒くさくなってだったらこのまま有楽町の大型家電に行ってしまえと30分のお昼寝タイム。買い物をして5時過ぎに店へ。今日は早い時間からジャズ歌手のUさん、TテレビプロデューサーのOさんと高校のクラスメイトのTさん、広尾時代からウチで芝居をやる回数が一ニを争う女優のNさん、近所の広告会社社長のIさん、アクション物のシナリオライターとして一世を風靡したKさんと奥さんのKさん、そして彼女がプロデューサーとなってウチのスペースで一人芝居をすることになった有名女優のHさん、テレビAの関連会社社長のKさん、まだ30になるかならないかの若い女性なのにオーディオドラマの作家で且つその著作権まで管理する会社まで持ち更に僧侶の資格までもつMちゃんとその連れのXさん(名前を聞き忘れた)、何故か二人の歯科医師と来店した有名俳優のTさん、高校の後輩で広告会社勤務のSさん、法律事務所勤務のNさん、近所の三人のイチゲンさん、一人のイチゲンさんなどで賑わう。でも、その中に社長秘書のYさんの姿はない。もう十日も現れない処をみると、バーチャルな世界でだけど不埒な行動に及んだ俺愛想を尽かしたのかも知れない。そう、あくまでバーチャルな世界でだけど、こんな風に恋物語は終焉を迎える。これからはリアルな世界でのマスターとお客というだけの関係。あーあ、勝手に恋始めて、勝手に恋終わってしまった。