緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

医者の奥底(2)医師の踏絵

2018年04月22日 | 医療

前回の記事は、海外だけの話ではありません。
日本の医師も同様なのです。

この本の序文とまえがきには
標準化すべき医療の側面の一方で
(つまり、画一的な、マニュアル的な)

ケアにかかわる医師の苦悩
(つまり、マニュアル化できない情感)

について書かれています。



それは、まさしく、私の身の回りでおきている
日常的な物語に連動していました。




苦悩を抱えながらも
なぜ、医師として働き続けるのか・・
そもそも自分達はなぜ
医に関わる職業に就いたのか・・・・


医師になる過程において
私達は、何らかの踏絵を
差し出されてきたことを知っています。


ある医師は、それは、解剖実習の初日であり
ある医師にとっては、初めての臨終であったりします。

衝撃的な出来事を前にして
それでもあなたは医師になるのか・・

そんな声に自問自答しながら
決心をする・・・

こうしたプロセスを医師は、持っているのです。




この本を読み始めた電車の中で
私自身、その原点を忘れないようにしようと
強く思ったのでした。

私にとって踏み絵となった経験を
次回、書きたいと思います。

(再掲; つづく)


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4 コメント

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この本持っています (runa123)
2007-03-13 16:43:21
見栄を張って英語版を購入したのでまだ読み途中です。ちょうど何か読みたいと思っていたので、先生のブログを読んでまた手にとって読んでみようと思います。

医者も人間です。語りつくせぬ思いは沢山。
人が人を診ることに限界を感じるような出来事もあるけれど、人が人を診るのでなければ起きないふれあいもありますよね。
思いを胸に、日々の診療にあたっているのです。
一般の人にもわかってもらいたいし、無謀な発言で有名なかの大臣にもわかってもらいたいものです。
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コメントありがとうございます (aruga)
2007-03-14 00:17:55
英語版を買われたのですね。すごいですね!私は、JAMAのタイトル“A piece of my mind”を心の平安などと訳してしまったくらいですから、英語版ではとても理解できないだろうなあと思いながら読んでいます。
ご指摘の通りです。多くの方にわかってほしいと思います。大臣は・・わかっている方に・・
返信する
つんどく、 (green leaves)
2008-03-12 23:07:22
こんばんは。この本、積んどくになっているので、手をつけてみます。
 私が医者になる過程での踏み絵は?って、自分に聞いてみています。なぜ、血液腫瘍をみているのか、?と、自問しています。
返信する
もしも可能ならば。 (aruga)
2008-03-13 23:17:13
green leaves先生、こんにちは。
血液は、ハードだなあと思います。私の周りに、緩和ケア領域に方向転換を考えている医師もおります。
お感じなったことがシェアーできる内容でしたら、是非に・・
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