緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

医者の奥底(3)初めての臨終

2018年04月29日 | 医療

私が、はじめて臨終の場に立ったのは
大学5年生の時でした。



病院実習が始まり、救急部を回っていました。
ある日の午後、院内にいた私達のグループは
突然、全館放送で呼び出されました。

「救急部の学生○○、○○・・・すぐ、救急外来まで」



救急部に走ると、廊下に面した椅子に
乳児を抱えた若い女性が
じっと赤ちゃんの顔を見つめ座っていました。

私達は、その様子にただならぬ雰囲気を感じながら
処置室に入っていきました。



20代の男性が横たわり、救急チームが
挿管し、点滴ラインをとっているところでした。

ちょうど、全身を撮影したX線写真が
シャーカステンにかざされました。


肋骨、腸骨、大腿骨・・複数の骨折
最後の頭部写真・・・・
頭がい骨に複数の骨折線。
さらに
頭がい底にも骨折を認めました。

(再掲;つづきます)

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