プロメテウスの政治経済コラム

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政府の残業時間の上限規制案 「単月100時間未満、複数月80時間」という過労死ラインの残業を合法化するもの

2018-02-23 18:58:33 | 政治経済

安倍首相は、裁量労働制拡大問題で責任を追及され、残業上限規制があると開き直っているようだが、とんでもないことだ。そもそも裁量労働制には、残業時間がないのだから、管理のしようがない。さらに、政府の上限規制以内でも現に過労死が発生しているのだ。

日本共産党の高橋千鶴子議員は22日の衆院予算委員会で、2014年に事故死し、8日に横浜地裁が過労との因果関係を認めて和解が成立した会社員・渡辺航太さん=当時(24)=の事例を紹介した。
事故発生直前の労働時間は拘束21時間42分、事故前10日間は拘束1日平均13時間51分、最長23時間。ひと月の残業時間は91時間49分でした。高橋氏は「月単位で見れば100時間に収まっている。『法律の範囲内だから』と企業を免罪することになる」と糺した。

加藤勝信厚生労働相は「今は三六協定を結べば青天井で働くことが可能。そこに規制をかけようということ」と答弁。高橋氏は「天井を過労死ラインにしたら、ぎりぎりまで働かせても違法でなくなってしまう」と批判し、重ねて見直しを求めた。規制の意味がない規制をして労働者を誤魔化そうとする。財界に飼われた政治家の醜い姿そのもだ。

現行労働基準法では労働時間の原則は1日8時間・週40時間であり、残業の限度は週15時間・月45時間・年360時間である。三六協定の例外を認めること自体が異常なのだ。 


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