寸前まで訪台を明らかにしなかったアメリカのペロシ下院議長は、結局のところ8月2日夜10時43分に台北の松山空港に着いた。「中国軍隊は絶対に指をくわえて見過ごすことはあり得ず、必ず強力な措置を執る」と言っていたが中国軍は、結局、何も手を出さなかった。習近平は、メンツをつぶされ、意気消沈しているかと思いきや、そうでもなさそうだ。トランプ前米国大統領が面白いことを言っている。
「頭がおかしいナンシー・ペロシ」が台湾を巡り拡大関与する口実を北京に与えたと言うのである。「頭がおかしいナンシー・ペロシめ、何てこった? 彼女は台湾で何をしたのか?」「彼女は中国の夢だった。彼女は彼らに口実を与えた。今まで彼らは口実を探していたが、彼女はそれを与えたのだ。」(http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2022/08/post-f84912.html)
中国側にもトランプ氏と似たような発言があり、なかなか興味深い。(https://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2022/1491.html)
「ペロシが台湾に脚を印したときを以ていわゆる『海峡中間線』はもはや決定的に存在しなくなった。続いて始まった軍事演習はこのことを説明している。自問してみよう。ペロシ訪台後は解放軍艦船・軍機がいわゆる『海峡中間線』以東のより台湾に近い地域で訓練を行うことを常態化するとなれば、それはいいことではないだろうか。中国は『海峡中間線』を承認したことはないが、長年にわたって自制し、線を超えて訓練を行うことはなかった。米台の結託に直面して『海峡中間線』にかかわる黙契及び自制を打破したことは確実に前に一歩を進めたことを意味する。」
ペロシ訪台は、「中国が国家統一を完成するプロセスの中の里程標となるだろう。こういう認識に立てば、国家が統一する暁には、『ペロシ同志』」に感謝することを忘れるべきではない。」
ペロシは「中国の夢だった」(トランプ)、「『ペロシ同志』」に感謝することを忘れるべきではない。」(明叔雑談)と言うわけである。