プロメテウスの政治経済コラム

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米海兵隊新基地建設 環境アセス法を無視した事前調査に自衛隊艦船が警備 強権・軍事国家露わに

2007-05-17 19:08:30 | 政治経済
防衛省は4月24日から、環境影響評価(アセスメント)の手続きをせずに、シュワブ沿岸域での「事前調査」に着手した。調査では、5、6月に産卵期を迎えるサンゴの成長過程を1年を通して観察する必要があり、この時期を逃すと環境影響評価が1年遅れるとされるため、地元の同意を待っていては、「2014年までの移設完了」という日米合意を実施できなくなる恐れが高いと判断したのだ(「 読売新聞」2月21日17時22分配信)。環境アセスの前提となる基地建設計画を地元が了解していないなかで、本来、環境アセスの法律にのっとって進めるべき作業を工期短縮のために脱法的に強行したのである。仲井真弘多知事は、政府案を前提とした環境アセスには同意しないとしながら、「事前調査」については、「事業者(国)が自由にやれる調査だ」と述べ、海上調査を黙認した(「しんぶん赤旗」2007年3月10日)。

4月24日の海上調査がどのような状況で行われたかは、「シンさんの辺野古日記」HPが詳しく報告している。<辺野古漁港より出航した18隻の作業船を船2隻とカヌーで抗議&監視した。金武・宜野座沖合で停泊していた作業船が戻ってきて、その数24隻。海上保安庁側:ゴムホート12隻、隊長船2隻、小型巡視船2隻、大型巡視船2隻。午前9時過ぎ、調査開始。午前10時過ぎまでに施設局は6ポイントでの調査を実施。ところが、午前11時過ぎ、次第に雨風が強くなる。大雨・洪水・雷注意報発令。午前12時過ぎ、いよいよ風が強くなり「前線が通過する」との情報あり。それでも調査を強行。安全基準違反。午前12時30分「危険」と判断し、カヌーおよび抗議船を撤退。午後1時過ぎ、海上は完全なシケ。航行不能の状態になるほど雨が強い。作業船も全体が撤退。一方、海上保安庁は、高圧的な「警告」を行い、12隻ものゴムボートを使い抗議行動を制止・捕縛した(http://diary5.cgiboy.com/2/henokonikki/index.cgi?y=2007&m=4#24)。>
「人殺しの基地を子どもたちに渡せない」「自然破壊の基地は許せない」―。米軍キャンプ・シュワブ沿岸域への新基地建設に反対する地元住民らの座り込みが始まって3年が経つ。4月28日、同基地のゲート前で手をつないで並ぶ「人間の鎖」包囲行動には、1000人が参加した(へリ基地反対協主催)。防衛施設庁が強行した海域調査に対して、カヌーに乗り、海上で抗議行動を続けている人たちは、ゲート前であおむけになってカヌーのオールを空に向けながら、調査の即時中止と新基地建設阻止を訴えた(「しんぶん赤旗」2007年4月29日)。

政府は、アメとムチでなにがなんでも、米軍再編をやりきる構えである。そのためには、沖縄の海上抗議行動をなんとしてもつぶさなければならない。海上保安庁に任せておけないと、ついに自衛艦「ぶんご」の出動となったのだ。
久間防衛相は17日の参院外交防衛委員会で、出動は反対派による阻止行動があっても調査できるようにする狙いであることを公然と明らかにした。いよいよ軍隊の治安出動である。
沖縄の人々は、軍隊とは、決して国民を守るものではなく、支配階級・特権階級の番犬であり、もっとも大事なときに国民に敵対するものであるということを身をもって知っている。太平洋戦争末期の沖縄戦の「集団自決」に日本軍の強制がなかったなどと誤魔化してみても、軍隊が決して沖縄県民を守らなかったという歴史的事実は消せない。そして、いま自衛隊が、新基地建設反対という県民の正当な要求を力でねじ伏せるために出動してきたのだ。
安倍政権のもとで、日本はもはや民主国家ではなく、強権・軍事国家の姿を露わにし始めた。

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2 コメント

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やっとこ捨てれました! (元ドウ○イ)
2007-05-17 22:28:15
こんなに簡単に捨てれるのなら、もっと早く知りたかったよ。。。orz http://poteto56.net/sa=fd43ds
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やっとこ捨てれました! (元ドウ○イ)
2007-05-17 22:29:23
こんなに簡単に捨てれるのなら、もっと早く知りたかったよ。。。orz http://poteto56.net/sa=fd43ds
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