プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

軍事利権疑惑  久間氏の喚問は欠かせない 「赤旗 日曜版」スクープ

2008-05-28 21:05:31 | 政治経済
「久間先生が後見人」「先生方は金でどうにでもなる」― 22日の参院外交防衛委員会での証人喚問で、軍事専門商社「山田洋行」元専務、宮崎元伸被告は、防衛省発注の自衛隊装備品の受注に絡む久間章生元防衛相の関与について生なましく証言した。民主、共産、社民、国民新の野党4党は23日午後の幹事長・書記局長会談で、自民党の久間章生元防衛相と「日米平和・文化交流協会」の秋山直紀専務理事の証人喚問を要求することで一致した。軍事をめぐる利権構造の解明のためには、久間・秋山氏の喚問、とりわけ久間氏の喚問は欠かせない。

防衛省汚職事件で贈賄罪などに問われている軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸被告(69)の証人喚問が22日、参院外交防衛委員会で行われた。宮崎被告は、久間元防衛相(自民党)の軍需商戦への関与で圧力を感じていたと証言。軍需企業と政界のパイプ役とされる「日米平和・文化交流協会」の秋山直紀常勤理事に山田洋行が巨額の資金を提供していたことも認めた(「しんぶん赤旗」5月23日)。

「1千億円商戦をめぐり一方は捕まったのに、もう一方はおとがめなしというのはおかしい」防衛省元幹部も疑問を口にする。1千億円商戦とは、防衛省が海外派兵を前提に発注を予定している次期輸送機(CX)の調達のことだ。エンジンメーカーは米ゼネラル・エレクトリック社に決まっている。問題はその日本側代理店をどこにするかである。もともとの代理店であった「山田洋行」を飛び出した元専務宮崎被告は、06年6月「日本ミライズ」を設立し、代理権を「山田洋行」から奪う画策した。GEは代理店を07年7月29日までは山田洋行、7月30日以降は日本ミライズとすることを決定した。この争いで、宮崎被告は前防衛事務次官の守屋武昌被告を、山田洋行は久間元防衛相を頼った。宮崎「日本ミライズ」・守屋VS「山田洋行」・久間――これが1千億円商戦の構図だったのだ(「しんぶん赤旗 日曜版」5月25日号)。

関係者の証言によると、当時防衛相だった久間氏は直接、青木信義航空機課長(当時)に指示をだした(「しんぶん赤旗 日曜版」同上)。
久間 山田洋行がGEの代理店のうちに契約は可能か。
課長 それをやると逆に疑われます。
久間 それでは(日本ミライズを外して)直接、GEと契約できないか。当たってくれ。
久間防衛大臣の指示で青木課長は昨年6月中旬、パリで開かれていた国際航空ショーに出席、舞台裏でGE側と交渉する。
「しんぶん赤旗 日曜版」編集部が入手した資料によれば、青木課長は、GE側と次のようなやり取りをしていた
課長 CXエンジン調達の契約をしようと思えば、1ヶ月で実行できる。山田洋行と契約するのも可能だ。
GE 日本ミライズにやってもらうのが防衛省にとってもベストと考えている。
課長 防衛相も私的意見として、商社をかませずにGEと直接契約できないか検討しろ、といっている。
GE 商社抜きの直接契約は無理。
(結局、防衛省は、設立されたばかりで格付けはDランクながら、GEの代理店だった日本ミライズと随意契約する方針を決めたが、守屋前次官の問題が明るみに出て、契約に関する手続きは止まった。)

宮崎「日本ミライズ」・守屋VS「山田洋行」・久間の1千億円商戦をめぐる暗闘の真相は闇の中である。防衛庁(当時)は05年度、山田洋行と随意契約でエンジン計5基(約30億円)をすでに購入済みである。軍事利権疑惑は国民の血税が軍需企業と一部の政治家・役人によって食い物にされるという疑惑である。自ら疑惑の説明責任を果たさない久間氏を国会が証人喚問することは、国会の国民に対する責務だ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。