プロメテウスの政治経済コラム

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福田―小沢 密室談合   小沢・民主党の先行きが怪しくなってきた?!

2007-10-31 18:35:32 | 政治経済
石川康宏・神戸女学院大教授は、『小沢主義-志を持て、日本人』を読んだ感想を次のように述べている「小沢一郎『小沢主義-志を持て、日本人』(集英社インターナショナル、2006年)を読み終える。若い人たちに語る政治論、リーダー論ということらしいが、特に読みごたえがあるとは思われず、なんとも残念。農業の自由化は正しく、小選挙区制導入による二大政党制実現への方向も正しく、さらに日本から国連に『兵』を出すことも正しいのだと。自民党批判なしに政権にはたどりつけないが、しかし、財界とアメリカの信任を得るためには、自民党政治の大枠をくずすこともできない。その構造的な制約が良く表れている。・・・民主党の政治論とは、この程度のものなのだろうか」(http://walumono.typepad.jp/blog/2007/10/post_ac3c.html)。

日本共産党の志位委員長は、「安倍前首相が政権を投げ出した後、福田新政権がつくられました。ここで重要なのは、この政権交代によって、『二大政党づくり』の動きに、新しい様相、特徴が生まれているということです」と述べ、次のように語った
「これまでの安倍政権に対して民主党は、『反安倍・自公政権』を前面に掲げた『対決戦術』をとってきました。安倍政権が相手ですと、『対決戦術』というものも、わりあいうまくやれたのです。というのは、安倍前首相というのは、自民党のなかでも考えうるかぎり『右』の人ですから。安倍さんのような『ウルトラ右翼』の首相と比べたら、小沢・民主党も『左』の方に見えてきます。ですから、わりあいに『対決戦術』がやりやすかったのです。ところが、今度は、安倍さんのような『ウルトラ右翼』とは違う、いわば『普通の自民党』の首相が出てきたわけです『普通の自民党』となると、小沢さんも、もとは自民党の幹事長だった人ですから、「自民か、民主か」といっても、違いがあまりよく見えてこなくなってしまった。それでも小沢・民主党は、『対決戦術』を続けようとしています。しかし、無理に違いを出そうとすると、とんでもない問題が起こってきます。たとえば、新テロ特措法の問題をめぐっても、アフガニスタンに展開しているISAF(国際治安支援部隊)という地上部隊に自衛隊を出すということを、小沢さんが言い出しました。ISAFというのは、国連安保理決議にもとづいてつくられた部隊ですが、NATO軍が指揮し、現実にやっているのは米軍と一体になった戦争です。これに参加することは、もちろん憲法違反です。こういうことを小沢・民主党が言い出しますと、海上自衛隊を出すのは与党だが、陸上自衛隊を出すのは民主党だと、海と陸とで競争をやっているという話になってしまいます」(「しんぶん赤旗」10月25日)。

いくら財界やアメリカから圧力があっても、次期衆議院選挙までは、『対決戦術』で筋を通すだろうと思っていた小沢・民主党の先行きが怪しくなってきた。日本共産党の市田忠義書記局長は30日の記者会見で2党だけの党首会談のために衆院テロ特別委員会の野党の質疑が二時間も割かれた。「国会運営のあり方、議会制民主主義のあり方からいって、きわめて重大だ」と指摘。「国民の前で堂々と、テロ新法についてそれぞれの政党が何を考え、どういう意見を持っているかということを示し、国民に判断をしてもらうというのが民主主義のあり方だ」と強調した。
平成5年(93年)に自民党を離党して以来、新生党、新進党、自由党と次々に新党を立ち上げて自民党を揺さぶり続けてきた小沢が「切り札」として好んで使ってきたのが自民党総裁との党首会談だった。小沢は、98年11月の自自連立合意では、同年8月に政敵だった野中広務官房長官(当時)と極秘会談を行い、連立の下地を作った。
野中氏は小沢氏について「小沢氏は、悪魔とののしった私とも会ったほどで、福田康夫首相と会うのは簡単なことだ」と述べた。さらに、「小沢氏は、米国内の動きを把握している。アフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)参加構想も米国へのポーズだ」と指摘した(「産經」10月31日8時1分配信)。
民主党とは、財界やアメリカという支配階級が保険のためにつくった政党であることを忘れてはならない。

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