プロメテウスの政治経済コラム

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築地市場移転予定地から基準の4万3千倍のベンゼン 開発大好き石原知事 どうする!?

2008-05-08 18:59:29 | 政治経済
東京都中央卸売市場築地市場(中央区)の移転が計画されている豊洲新市場建設予定地(江東区)で、土壌の一部から環境基準の4万3000倍に上るベンゼンが検出されたことが都の調査で分かった。都は当初計画より1年遅れの13年の移転を目指しているが、このまま豊洲移転計画を進めてよいのか。「食品を扱う大規模な市場として、豊洲は不適格」というのが、関係者や専門家の大方の声である。開発大好き石原知事。さて、どうする!?

築地市場の豊洲移転は、石原知事の築地視察(1999年9月1日)を契機としてプロジェクト化された。石原知事が就任するまでは、築地現地での再整備として計画されていたものだ。移転予定地が、東京ガスの工場跡地で、土壌がシアンやヒ素、六価クロムなど環境基準を大きく上回る有毒物質に汚染されていることが判明し問題化すると、得意の責任逃れで石原知事は、豊洲移転は自分が知事に就任するまえに決まっていた、それを契約しただけだなどと言いだしている。開発大好きのクセに思い付きが失敗するとすぐ責任を他に転嫁する。
築地市場の移転後、跡地に2016年に招致を計画する東京五輪のメディアセンターを設置、さらにメーンスタジアムや選手村と結ぶ大型幹線道路・環状2号線を通すのが石原知事が目論む開発計画である。しかし、豊洲予定地の土壌汚染問題で都民の批判が広がり、改めて詳細な土質調査を行うことを余儀なくされていた。昨年11月16日の専門家会議で、予定地の約四千百カ所で再調査を行うことを決めた。

今回の環境基準4万3000倍に上るベンゼンの検出は、昨夏の調査で、地下水から環境基準の1000倍のベンゼンが確認されたことから、都が15億円をかけて再調査していた結果である。再調査では、地下水からも環境基準の一万倍のベンゼンが見つかっている。都は再調査結果の詳細を19日に開く専門家会議で公表するとしている(「しんぶん赤旗」5月8日)。
日本環境学界土壌汚染問題ワーキンググループ長の坂巻幸雄さんは、次のように語っている。
「江東区豊洲の新市場予定地で環境基準の4万3000倍ものベンゼンが見つかったことで、築地市場の移転を強行するのはおかしいということが、ますますはっきりしました。ベンゼンは有機溶剤に使われ、発がん性が指摘されてきた物質です。東京都は当初、<東京ガスが行った調査で十分>という姿勢でしたが、昨年夏の調査で環境基準の1000倍のベンゼンが見つかり、今回の再調査を実施することになりました。調査すればするほど、新たな汚染が見つかる状況で、最初の調査がいかにいい加減なものだったかを示しています。
私たちは一貫して、詳細な調査とともに、環境学界と公開討論を行うこと、私たちにも現地での水質データ採取を認めることを求めてきましたが、都はかたくなに拒否してきました。こんな汚染された豊洲に、生鮮食品を扱い、食の安全に責任を負う市場を移転させるのは、やめるべきです」。また「専門家会議が『自分たちは科学的データを評価するだけで、移転の是非の判断は都が行う』としているのも、無責任です。移転をやめるよう都に建言すべきです」(「しんぶん赤旗」同上)。

都は、建物建設地を除く予定地全域で地下2メートルまでの土壌を入れ替え、さらに2.5メートルの盛り土をするなど、約670億円を費やして汚染対策を進める方針を打ち出している。元地権者である東京ガスが東京都に提出した文書「弊社豊洲用地への築地市場移転に関わる御都のお考えについて(質問)」(2000年6月2日)によれば、築地市場の豊洲移転は、石原知事のもとで無理押しで決定されたものであるこを示している。東京ガスは、同文書で「築地市場の豊洲移転は受入難い」、「豊洲用地の土壌汚染は深刻で、対策に巨額な費用がかかる」と通告していた。石原知事の例の思いつきと強引さで開発計画が進められてきたことが明らかである。新銀行東京問題といい、税金の無駄遣いを続ける石原知事の責任を東京都民はどうするつもりなのか。築地市場は、全国の食卓にかかわるので、私たちも黙っていられない。

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2008-05-23 18:42:14
だぶん石原都知事は豊洲への移転を中止すると思うよ
そうなっても築地での改築にまた反対するんだろうな
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