プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

尖閣諸島、竹島は日本の領土

2006-03-31 17:24:56 | 政治経済
文部科学省が来春からの高校教科書の検定で、尖閣諸島、竹島を日本領土と明確に記すよう指示したことについて中国、韓国がそれぞれ批判、抗議をしています。両国の主張には無理があるように思われます。ただ、領有権が日本にあることが明らかだとしても、領土問題は平和的な話し合いを通じて、解決することが必要です。

尖閣諸島は、魚釣島、北小島、南小島、久場島、大正島の五島と、沖の北岩、沖の南岩、飛瀬岩の三岩礁からなり、面積は5・56平方キロメートルで、甲子園球場の約140個分の広さです。
1885年(明治18年)以降、日本政府は再三にわたり現地調査し、これが無人島であるだけでなく、清国の支配が及んでいる痕跡がないことを確認の上、1895年1月14日に現地に標杭を建設する旨の閣議決定を行ない、日本の領土に編入しました。沖縄県の所轄とし、日本人が居住して、かつお節工場がつくられるなど、日本が実質的に支配してきました(今は無人島、灯台が残るのみ)。
編入の時期が日清戦争(1894年8月~95年4月)と重なっていたことから、中国は、日本が戦争に乗じて尖閣諸島を不当に奪ったと主張しています。しかし、尖閣諸島の編入は不当な領土拡張ではなく、日清戦争とはまったく無関係です。
1945年、日本の敗戦により、カイロ宣言およびポツダム宣言にしたがって、台湾と澎湖諸島など日本が中国から不当に奪った地域は中国に返還されました。尖閣諸島はこのなかに含まれず、中国側も日本のポツダム宣言の受諾当時、尖閣諸島を要求していませんでした。
中国が尖閣諸島の領有権を主張するようになったのは、1971年以降のことですが、それ以前の中国や台湾の地図でも、尖閣諸島は自国の領域外(国境線の外)におかれていました(60年代までの中華人民共和国発行の全中国の地図など)。
これらの事実から、尖閣諸島の領有権が日本にあることは明らかでしょう

竹島(韓国名では独島)は、島根県隠岐島西北方に位置し、二つの小島と約四十の岩礁からできています。この二つの主島は、いずれも海面から屹立した火山島で、幅約150メートルの水道を隔てて東西に相対しています。面積は全ての島嶼(とうしょ)を合わせても約0.2平方kmで、日比谷公園ほどの大きさしかありません。周辺海域はワタリガニなどの優良な漁場でもあります。
竹島は、古くから日韓両方の文献に登場していますが、長くどこの国の領土としても確定されない無人島のままでした。17世紀半ばからは、日本が実効的に行き来してきました。1905年、日本が竹島を島根県に編入してからは、国際的にも日本領として扱われるようになり、現在は島根県隠岐の島町に属するとされています。
日本の敗戦後、GHQは竹島を沖縄や小笠原諸島と同様に、日本の行政権から外しました。これを口実に1952年1月、李承晩(イ・スンマン)韓国初代大統領は海洋主権の宣言ライン、いわゆる「李承晩ライン」を設け、一方的に竹島を武装占拠し、88年の領海十二カイリ宣言以降は、日本漁船は韓国側に排除され、竹島の十二カイリ以内には近づけなくなっています。最近では埠頭まで建設するなど、韓国は「実効支配」の既成事実化をすすめています。こうしたやり方には、道理がないと言って良いでしょう。
韓国側の言い分は、1905年の日本の領有手続きそのものが無効だとしています。この時期は、日本の天皇制政府が朝鮮の植民地化をすすめていた時期でもあることから、こうした主張には検討すべき問題があることも事実です。日韓両国は、98年の新日韓漁業協定で竹島の領有権問題の決着を事実上棚上げし、周辺海域を「暫定水域」とし、日韓の入りあい操業をおこなうことで合意しました。現実的な解決策であるかもしれません。いずれにしても、韓国側は、竹島の一方的占拠を中止するべきです




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1 コメント

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獨島守護署名に私も署名しました! (そまん)
2007-05-04 18:18:22
先月、一年ぶりに韓国に行ってきました。その折地下鉄4号線と7号線の乗り換え駅、ニ水駅の地下通路で、民間市民団体獨島本部の大学生たちが、韓国の獨島領有権・実行支配強化、即ち総合的な獨島守護策を政府に求める署名活動をしていましたので、日本人だがいいかと許可を得て、私も署名してきました。これは今回の訪韓の最大の成果だったかもしれません。日本のごく一部の右翼・保守反動が特定の政治的目的を達するために、あたかも獨島が日本領土であるかのような虚偽の言い掛かりを執拗に続けているがゆえに、彼らにはこんな余計な活動をさせてしまい、私も心有る日本人の一人として本当に申し訳ない気持ちで一杯ですが、それでも私が署名することにより、日本人の中にはちゃんと真実を知り、善悪の判断のつくまともな人間も少なからずいるんだと言う事を、少しでも知らせることができたんのではないかと思います。署名を終わった後、学生たちに「ぜひ頑張ってください」と言ってその場を離れました。獨島が韓国の正当な領土として、今後も有効に活用されることを心から望まずにはいられません。
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