プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

民主総退陣 まともな政党の基準は?

2006-04-01 18:38:34 | 政治経済
民主党の前原誠司代表は31日、虚偽の「送金メール」問題の責任をとって辞任を表明しました。岡田克也前代表から今年9月までの任期を引き継いだ前原氏の辞任で、同党の代表は四人続けて(鳩山、菅、岡田、前原)、任期途中での辞任となりました。2004年9月からの同一任期に三人目の代表を選ぶという異例の事態です。この機会にまともな政党とは、どんな政党をいうのか考えてみましょう。

①党活動の指針として、しっかりした綱領をもって、それに従った活動をしているか
自民党、民主党には「綱領」「基本理念」などと銘打った文書があるが、そこにはどういう日本をめざすのかという展望はのべられておらず、抽象的なスローガンが並べられているだけであり、日常の党活動の実際の指針とされているわけでもありません。
自民党が1955年の結党時にきめた「綱領」「党の政綱」は、「自主独立の完成」「福祉国家の完成」「駐留外国軍隊の撤退に備える」など、自民党がめざす国のあり方を、保守政党なりに示すものでしたが、いまもちいている「綱領」(1995年決定、2005年改定)には、「自主独立」「福祉」「駐留軍撤退」の文字は三つとも消え去ってしまっています。「憲法を改定する」ということが冒頭に掲げられていますが、この文書のどこをどう読んでも「どういう日本をつくるのか」の具体的ビジョンは何も読みとることができません。
民主党も、昨年12月に党大会を開きましたが、その場で前原代表自身が「自民党との対立軸、基本政策が固まっていないことが党のウイークポイント」とのべるなど、最大の問題となったのは「ますます自民党に似てくる」ということでした。この党の「基本理念」は、自由党と合流する以前の1998年につくられたものがそのままにされていますが、そのことが党大会で問題にすらなりませんでした。綱領的文書をもてず、問題にもならないところに、この党の致命的弱点がしめされています。
公明党は、「綱領」と銘打った文書を持っていますが、この党の行動の基準が「綱領」におかれず、その時々の党略が行動の基準であることが、近時のこの党の最大の問題です。

②草の根で国民とむすびつく党組織をもっているか。
自民党は、業界団体や企業を、民主党は労働組合を、公明党は宗教組織を、党の組織の代役にさせています。これでは政策が特定団体の圧力によって左右されるか、抽象的なスローガンで、政党支持のいかんにかかわらずつくられたはずの組織構成員に、特定の政党への支持を強制することになります。

③国民に依拠した財政活動をすすめているか、企業・団体献金を資金源としているのか
政党の企業・団体献金、政党助成金だのみの体質の害悪は、明らかです。日本経団連は、財界の利益のみを要求した「優先政策事項」を発表し、それにもとづいて自民・民主両党の政策をあたかも人事考課を行うかのように評価し、献金額を決めています。これは最悪の政党・政策買収というほかないものです。日本共産党以外のすべての党が、違憲・腐敗の制度である政党助成金頼みの党になっています。自民党は収入の59%、民主党は収入の84%が、政党助成金です。「官から民へ」をとなえながら、政党の収入の大半を税金にたよる存在に身を落としているのです。

④自主独立・国際連帯の立場を堅持しているか
自主独立の立場は、世界の平和と社会進歩のために、国際連帯と交流を発展させるうえでのたしかな土台となります。他国を訪問したときの共産党代表団の他国にとって耳の痛いことでも堂々と主張する態度と自民党、民主党、公明党の大国に迎合する態度とのちがいは際立っています。大国に迎合する傾向、自主的立場の弱さは、共産党以外の党に共通しています。そうした自主性の弱さと欠如は、自民、民主、公明などの諸党が、今日の異常なアメリカいいなりの政治を、異常とも感じないということに、もっとも集中的にあらわれています。

意見のちがいがあっても、日本で政党としての大道を歩むのは、日本共産党です。この党の活動がもっと注目されてしかるべきです


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