プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

75歳以上を一人残らず“うば捨て山”へ お年寄りも若者も人間扱いしない自公政治に未来はない!

2008-03-27 18:57:22 | 政治経済

後期高齢者医療制度の4月実施を福田内閣が強行しようとしているなかで、日本共産党、民主党、社民党、国民新党の野党4党は26日、都内で、制度の廃止を求める共同の集会を開いた。会場の憲政記念館(千代田区)には、国会議員、高齢者、福祉・医療関係者ら約4百人が参加。党派を超えた国民的共同で、制度の廃止を強く求めていく決意を示した(「しんぶん赤旗」3月27日)。多国籍企業の資本蓄積のために若者をモノ扱いして使い捨て、資本蓄積にとって役立たないお年寄りを集団“うば捨て”にする。小泉・竹中以来の新自由主義「構造改革」によるこの国の政治は、いよいよ日本社会の人心の荒廃を極致にまで高めた。もうこれ以上、財界の横暴と自公政治をのさばらしてはならない!

またも「誰でもよかった」殺人だ。土浦での8人殺傷男(24)に続き、3日もたたずに岡山駅でも突き落とし少年(18)が同じセリフを吐いた。相次ぐ若者の自暴自棄の凶行は、この国の閉塞状況を反映している。バブル崩壊以降の長期不況を経て、この国の若者の犯罪傾向はガラリと変わった。とりわけ若者から希望を奪い続けたのが、5年半に及んだ小泉・竹中政権のエセ改革。グローバル経済に対応するためと称し、[多国籍企業の競争力強化のために]国民を米国型の競争社会に突き落とした。その結果、ワーキングプアを生み出し、フリーター、ニートを急増させた(「続発する“誰でもよかった”殺人の背景」Today’s Gendai メール3月27日)。

75歳以上のお年寄りが小泉・安倍「構造改革」路線を踏襲した福田・自公政権によっていま集団で“うば捨て山”に捨てられようとしている。「年寄りをやっかいもの扱いする、その発想が頭にくる」「なんで前期、後期と区切るのか。老人に対して失礼だ」―後期高齢者医療制度の実施予定の4月1日を目前にして、高齢者の怒りが噴出している。人口の約一割にあたる千三百万人をまったく別の保険に切り離す、世界でも例のない制度を考え出したのは、2006年の小泉医療「改革」であった。財界・大企業にとって、組合健康保険に扶養者(または本人)として入っているお年寄りは、医療費負担がかさみ、邪魔で仕方なかった。老人保険制度への組合健保からの拠出金負担も癪で仕方ない。そこで厚生労働省の役人に圧力をかけて考え出したのが後期高齢者医療制度であった。

あえて75歳以上のお年寄りに差別制度を導入するのはなぜか。
要するに労働力としても、製品の購買者としても、ほとんど役立たず、財界にとっては重荷だけのお年寄りには、いずれ死ぬのだから、医療費の節約のためにほどほどの治療を行えばよい。自分たちは面倒みないので、お年寄り同士で「医療費が際限なく上がっていく痛みを、後期高齢者が自分の感覚で感じ取ってくれ」(厚労省担当者)というわけだ

この制度によって、2015年には2兆円の医療費が削減されるという。2025年には5兆円の医療費が削減されるという。2025年に後期高齢者になるのがどういう世代かというといわゆる「団塊」の世代である。ターゲットは「団塊」の世代である。「団塊」の世代が、年寄りとなったときの医療費負担を回避するために、財界はいまから仕掛けをつくっていこうというのだ。すべての国民が、75歳になったら「姥捨て山」に国から棄てられるというのがこの制度である(「しんぶん赤旗」同上)。

新自由主義「構造改革」によるこの国の政治のもと、日本人社会の人心の荒廃はここまできた。こんな自公政治に未来がないことは明らかだ。
野党4党は今国会に、制度の廃止法案を共同で提出した。憲政記念館での集会では、日本共産党の志位和夫委員長、民主党の菅直人代表代行、社民党の福島みずほ党首、国民新党の自見庄三郎副代表と新党日本の田中康夫代表があいさつした。75歳以上は用済み、早く死んでくれというような制度は世界でも日本だけである。もうこれ以上、財界の横暴と自公政治を続けさせてはならない!


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