加山到のハマッ子雑貨飯店

おもちゃ箱をひっくり返したような楽しい雰囲気が伝われば嬉しいなっと。08年11月6日開店!

TATOO[刺青]あり

2023-11-12 | あ、これ見ました

宇崎竜童主演「TATOO[刺青]あり」のビデオテープをゲット。ビデオってとこがいいでしょ(笑)? というか、公開当時には見ていなかったんですよね

「TATOO[刺青]あり」(1982年・ATG作品/高橋伴明監督)

昭和54年(1979年)1月に大阪で発生した三菱銀行襲撃立てこもり事件をモデルにした作品。事件自体を描写したのではなく、事件に行きつくまでの犯人の生き様を描いています。少年の頃から悪事を働き、母親の溺愛を受け、出会った女性との情愛、クラブの雇われ店長をする一方で「デカいことをしてやる」との思いがふつふつ沸くその姿。優しい顔の仮面をかぶった悪(ワル)の顔、子供のような純真さ/わがままさを秘めたまま大人になってしまった未成熟さ・・・。そんな表と裏の顔や態度を、細かく演じ分ける宇崎竜童の俳優としてのセンスに引き込まれました

 

そして相手役の”汚れたヒロイン”の関根恵子の存在感

 

 

この人の「妖艶さ」というのはどこから来るのでしょうね。ほんと、色っぽいしエロっぽい そして美しくて・・・可愛い 男はすべてメロメロになりますよね

竹田(宇崎)に熱く熱く惚れられ、その想いにこたえる美千代(関根)。しかし竹田のその優しさの裏にある暴力的な立ち振る舞いに耐え切れず、離れていく美千代。それがきっかけとなり、かねてから「デカいことやってやる」と考えていた竹田の行く末が、最終的には事件になったわけです。

誰よりも圧巻だったのが竹田の母親役の渡辺美佐子。ワル息子を育て、愛し、いつかはまっとうな人間になる事を信じてやまない、偏った愛情を持ったゆえの鬼気迫る演技。ラストに竹田の骨壺を抱えたカットが、作品のテーマが凝縮されているように思えました。「どんな子供でも、母の想いに包まれている」。

もう一度じっくり見ようっと

そうそう、ワンシーン程度しか登場していない人物も多様で面白かったですね。

冒頭で、竹田の胸にバラの刺青を彫る彫師の泉谷しげる。

小学校時代の悪友に矢吹二朗。

クラブオーナーにはポール牧。

クレー射撃場の客にのりお・よしお。

川に投げ飛ばされる通りすがりの男に、まだまだ無名だった大杉漣。

電気店のとぼけた社長は植木等。店内の室内ランプやテレビ、カセットデッキに時代を感じますね。

そして書店の店主に原田芳雄。独特な存在感。2人でブルースを歌い始めてもおかしくない雰囲気だよなぁ・・・。

 

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映画「リング・ワンダリング」

2023-04-28 | あ、これ見ました

映画「リング・ワンダリング」(金子雅和監督作品/2021年)

見て来ました。素敵な映画でした。

絶滅したニホンオオカミを取り上げた作品を描こうとしている漫画家。でも思ったようにニホンオオカミをうまく描くことが出来ない。建設現場でバイト中に土中から犬の骨を見つけたことで、失われたかつての日本の出来事を知る・・・。現代の人々の記憶に失われている”過去の出来事”と、”絶滅したニホンオオカミ”をオーバーラップさせて描かれたヒューマニズム溢れる作品です。

ともすれば、「映画だからね・・・」「空想の世界の話だから・・・」と良くも悪くも”幻想”だと一言で語られてしまう事が多い中、「こんなこと、現実に起こりえるよね!?」「体験した人、いるかもよ?」と思わせてくれます。それは脚本力、演出力、そして役者の演技力がうまく相まってできたその結果だと素直に思いました。

「2021年ダーバン国際映画祭・最優秀脚本賞」「2021年インド国際映画祭・金孔雀賞(最高賞)」「2021年ワルシャワ国際映画祭・エキュメニカル賞」 をそれぞれ受賞。2022年後半より日本国内で順次公開中。そしてそして・・・私が観に行ったその日に、ちょうど開催されていたドイツ国際映画祭でも最優秀脚本賞受賞のニュースが入ってきました。

ドイツ映画祭での金子雅和監督。 今後も「大自然」を舞台にした素敵な作品を作り続けてほしいですね。

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シン・トップ・セカンド鑑賞

2022-06-04 | あ、これ見ました

減収により4カ月の間、ライブも舞台も映画も自粛していましたが、どーーーーーしても見たい映画が3本ありましてで、開けてしまいました。禁断の貯金箱(汗) ホントはね、愛妻と旅行に行く時のためにコツコツ貯めていたんですけどね。仕方がない

その他にも「帝銀事件・死刑囚」「女囚701号さそり」「非行少女ヨーコ」「もう頬づえはつかない」「バージンブルース」などなど60年代~70年代の旧作を見たかったんですけど、そちらは我慢

で、見たのが・・・今の時期において御多分に漏れずに「シン・ウルトラマン」

56年前のオリジナルドラマシリーズを彷彿・再現・リスペクトしている演出にニヤリ 子供の頃に見て「お!」「あれ?」「ふ~ん」「あははは!」と感じていた事を、同世代の監督やプロデューサーも感じていたんだなってなことを共感させてくれました(ゾフィーとの会話とか、引き込まれた・・・) と、同時に「そりゃないだろ」「それはどうかなぁ~」など”今どき感覚”の描写に、現代を反映させるゆえの難しさを感じましたね(怪獣の姿形とか、現場に行くにもスーツにネクタイ、スカート姿の隊員とか)

こうなると、ライダー派の私としては来年公開の「シン・仮面ライダー」が楽しみです

当然の如く、こちらにも行って来ました。「トップガン/マーヴェリック」

前作から36年目に公開されたわけですが、私を含め前作を見ていた人は素直に「よし!見に行こう!」となるのはわかります マーヴェリックがどんな様子になっているのか、前作に出演していたメンバーは出るのか、アクション場面はパワーアップしてるのか・・・。でもね、前作を見ていない、つまり平成になってから生まれた人たちが足を運ぶのはなぜなんだろう? シリーズ化してヒットを続けている「ミッションインポッシブル」のトム・クルーズが出ているというだけで、これだけの大ヒットにつながるのだろうか? トムの人気もあるだろうしコロナの影響で公開が2年遅れたゆえにじらされた事も関係しているかもしれないし、予告編に映し出されるカッコよさもあるだろうけど、それだけではない「何か」がこの映画にはあるような気がしています

SNSにも上げたのですが、私がこの映画を見た時、上演終了後に杖をついてヨタヨタ歩いて劇場を出て行った70代と思しきおばあちゃんがいました。このおばあちゃんも前作を見ていたのだろうか?当時30代だったであろう頃に、トムのファンになったのだろうか?それとも”アイスマン””グース”のファンだったのだろうか?

いずれにせよ、身体にガタが来て階段を上がり降りするにもしんどそうな高齢者をも呼び寄せる魅力があるんだろうな、この映画には

そしてもう一本。「ワン・セカンド」。中国映画で原題は「一秒鐘」

文化大革命中にとあるきっかけで罪人として”労働改造所”に捕らわれていた男が、劇場で上演されるニュースフィルムに、我が娘がチラッと(1秒だけ)映るという情報を得て、それを見たいがために改造所を脱走する・・・娘を想う父としての必死な姿を描いた作品です。道中、弟をかばうために映画のフィルムを盗もうとする姉と出会い、フィルムをめぐって逃亡男と繰り広げられる「攻防戦」のような展開が、見る者を物語に引き込ませてくれます。監督は巨匠・チャン・イーモウ(張芸謀)

家族愛をテーマにしつつ、文化大革命期の田舎の庶民生活を知る事が出来る意味でも面白い作品です

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ジャック・ペラン逝去

2022-04-27 | あ、これ見ました

誠に失礼ながら、ジャック・ペランと聞いて誰だかピンときませんでした。

イタリア映画「ニューシネマ・パラダイス」(1989年)の主人公トトの壮年期を演じたナイスミドルとわかった瞬間、あの映画のすばらしさに再び胸を熱くし、ジャック・ペランの、出番は少ないながらも故郷を懐かしみ、老母を労わり、そして亡き映写技師への想いをスクリーンいっぱいに表現していたのを思い起こしました。

フランス出身で母国と並行してイタリアでも活躍されていたようで、その縁もあって「ニューシネマ・パラダイス」に出演したようですね。

 

物語は、ジャック・ペラン演じる映画監督サルヴァトーレ(子供時代の愛称はトト)の回想を中心に進んでいきます。

シチリアの村に生まれ育ったトト。先の大戦で父を亡くしたトトは、映画館の映写技師アルフレッドに可愛がられて成長。のちに火災で両目を失明したアルフレッドに代わり上映を担うまでになる。

 

大人になったトトはアルフレッドの後押しもあって都会に赴き、やがて映画監督として成功。

忙しさにかまけて30年もの間ずっと帰郷しなかったトトの元にアルフレッド死去の連絡が入る。葬儀参列のため帰郷したトトが、アルフレッドの形見として受け取ったのは、かつて映画を上演する際に村の司祭によって”不謹慎”として編集カットされていた美しいキスシーンをつなぎ合わせたフィルムだった・・・。

私が初めて泣いた映画です。見終わった瞬間に涙が頬をスーッとつたいました。館内が明るくなっても、誰一人すぐに席を立ちあがる人はいませんでしたね。数年前にリバイバル上映を見に行ったのですが・・・・・・また泣いてしまいました。

ジャック・ペラン、素敵です。

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気になるなぁ、「帝銀」

2022-03-15 | あ、これ見ました

どうしてこの事件に興味を持ったのか、正直憶えていません。若かりし頃に俳優業の勉強の一環として、たまたま深夜放送で見た映画「帝銀事件 死刑囚」がきっかけだったのかなぁ。

でもなぜだか気になって書籍に目を通し、目についた関連記事を切り取ったり・・・。

 

「帝銀事件 死刑囚」(日活/昭和39年・1964年)

主演に信 欣三(しん きんぞう)。取り巻く警察官や報道記者に内藤武敏、井上昭文、草薙幸二郎、庄司永健、藤岡重慶、高品格、佐野浅夫、鈴木瑞穂、日活若手女優の山本陽子、笹森礼子・・・。後の「太陽にほえろ!」「大都会」「西部警察」の署長やらおやっさんやら係長やら、或いは水戸黄門やらがアツく迫ってきます。

 

終戦から3年目。昭和23年・1948年の1月。帝国銀行椎名町支店(豊島区長崎)で起きた強盗殺人事件。

「近所で集団赤痢が発生して、その一人がこちらの窓口で預金をした。ついては感染拡大予防のために薬を飲んでほしい」。

東京都のマークが入った腕章を着用し、東京都衛生課或いは厚生省職員と書かれていた名刺を差し出したのは、軍服姿の男性(戦後直後はまだまだ軍服やいわゆる国民服を着た人が多くいた)。「緊急事態ゆえGHQから直接指示が出て馳せ参じた」・・・と。支店内にいた職員や住み込みで暮らしていた家族全員を一堂に集め、予防薬と称した毒薬の服用を勧めた。16名のうち12名が死亡。その残虐性と死亡者多数により全国に知れ渡る大事件となった。

 

 

映画ではその犯人の顔を見せないように後頭部しか映さない演出。刑事たちや新聞記者たちの捜査線上に浮かんだ何人もの容疑者が登場したのち、最後に顔出ししたのが信欣三演じる画家・平沢貞通。

いくつかの状況証拠などにより逮捕された平沢だが、初公判で無罪を主張するが死刑が確定。冤罪ともいえる環境の中「救う会」が結成されるなど多くの支援者が奔走するも、警察・検察側もGHQや旧日本軍との関係などが見え隠れする状況下で、平沢を無罪・釈放することもしないまま現在に至っている・・・。すでに平沢は1987年に肺炎をこじらせ、95歳で獄中死。その後養子縁組をした支援者により再審請求が何度もされるがその都度棄却。その支援者もすでに他界。事件発生から74年。今なお真相不明である。

 

ちなみに映画の脚本・監督を担当した熊井啓は、この映画が初監督初品だったとのことです。

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県警対組織暴力

2022-03-10 | あ、これ見ました

東映映画「県警対組織暴力」(深作欣二監督・1975年/昭和50年)

なんかね。人間臭くて好きなんですよね 「仁義なき戦い」シリーズの人気を得て製作された作品。”仁義”のヤクザ役だった菅原文太、梅宮辰夫、山城新伍らが刑事になって、引き続きヤクザを演じた松方弘樹、室田日出夫、川谷拓三ら相手に迫力のある場面が次から次へと飛び込んできます。

 

簡単に言うとヤクザ組織とどっぷり持ちつ持たれつの所轄警察の物語。とある殺人事件で菅原の元に出頭してきた松方をかばったところから始まった”男の友情物語”といっても過言ではありません。これが事実を元にしているというから一般庶民にはわからない”影の部分”が世間にはあるんだろうと、学習さえできるわけです。

この作品の最初の見せ場が、チンピラやくざの川谷拓三を取り調べる場面

 

最初はイキがっている川谷を菅原と山城が殴るわけるわ、エスカレートして川谷を全裸にしてボッコボコ こういう取り調べが「太陽にほえろ!」「大都会」「西部警察」に引き継がれているんですよね。今じゃ見られなくなった取り調べ方法です ちなみにこの時の川谷拓三のやられっぷりに感銘を受けた萩原健一が、主演ドラマ「前略おふくろ様」に川谷を準主役級に抜擢したとか。

笑ってしまうのがほんの2シーンしか出ない田中邦衛。出所してきた遠藤太津郎親分が連れてきたムショ仲間。親分の”アンコ”だったとかで、松方も室田も困惑してしまいます

 

エリートで正義感の塊である梅宮辰夫刑事が赴任してきてから、チーム松方とチーム菅原の”どっぷりの友好関係”に歪みが出てきます。「やくざを扱うにはそれなりのやり方があるんだ!」という菅原を無視して、暴力団掃討作戦を仕切る梅宮刑事。

 

梅宮の策略通りに事が進み、”刑事”であるがゆえに、ラストでは無念にも松方を射殺する菅原。わびしさと切なさと、そしてくやしさと怒りが入り混じった菅原の表情が胸に残る作品です

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荒野の七人

2022-02-23 | あ、これ見ました

先日BSテレビで放映していた「荒野の七人」 1960年にアメリカで製作された西部劇映画ですね。

1954年に製作された邦画「七人の侍」(黒澤明監督/三船敏郎主演)がベースになっています。

 

常に盗賊に狙われているメキシコの寒村。村を救うべく村の長老に雇われた7人のガンマンたち。彼らの勇猛さにほだされた村人たちも一緒になって盗賊と戦う・・・。

 

この映画の公開によってユル・ブリンナー、ジェームス・コバーン、ロバート・ボーン、チャールズ・ブロンソン、スティーブ・マックイーンが日本では大人気になったとか ブラッド・デクスターとホルスト・ブッフホルツは7人の中でも描かれ方が地味だったこともありますが、巨漢と若造というクラスや1チームには必ずいるであろうキャラクターを好演していて、気になる存在ですね

ラストの戦闘で4人が死亡。木の枝で作られた4つの十字架に、村の子供たちが花を添える場面。雇われ用心棒の行く末とは言え・・・切なさを感じました。

そういえば。前回このカテゴリーで紹介した「サボテン・ブラザース」は、この作品をちょいとコメディにしたものですね。あ・・・サボテンは3人が主人公。「荒野の七人」で生き残ったのは3人。このあたり何か思惑というか、敬愛の念というかオマージュがあったかもしれませんね。

ネットにあった映画のパンフレット。”東京劇場”というのがあったんですね

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「サボテン・ブラザース」

2022-01-10 | あ、これ見ました

名前だけは知っていました、この映画 でも知ってる俳優が出ているわけでもないし(私が知らなかっただけかもしれませんが)、コメディって当たり外れが大きいし、しかもあちらモノだと笑いのセンスも違うし、おまけにそんなに激しく宣伝もしてなかったし・・・ってことでリアルタイムでは見ていませんでした。

「サボテン・ブラザース」(1986年/アメリカ)

原題は”THREE AMIGOS”(スリーアミーゴ)とのことですが、サボテンが多く伸びているメキシコの村が舞台ゆえの邦題命名でしょう。日本でヒットしたドラマ&映画「踊る大捜査線」に登場する警察上役おとぼけ3人組をスリーアミーゴと称するのは、この映画が由来かも。

1916年のメキシコを背景にしたこの映画に登場するスリーアミーゴは、ハリウッド映画きっての大スター3人組。「スリーアミーゴ」シリーズは次々と大ヒット。歌って踊って笑いを取って悪党どもを撃って撃って打ち負かすヒーローぶりに人々は大熱狂。そんな映画をドキュメント=実録ニュース映画と思い込んだメキシコの娘。

この娘の住んでいる村は貧困なうえに、とある盗賊集団に常に狙われひどい目に遭っており、危惧した村長は村を救ってくれる勇士を募るために娘を他の村に行かせたのだった。その村でスリーアミーゴを見た娘はハリウッドに「悪党をやっつけてください」といった内容の電報を打つ。この電報を見たスリーアミーゴは、ちょうどこの時映画会社の社長とケンカしてクビになったばかり。「悪党をやっつけてください」の電報を、映画への出演依頼とはなはだ勘違いをするも、勇んでメキシコの村に向かう・・・。

この時点ですでに無茶な前振りなわけで。だからこそ、何も考えずに、敢えて突っ込むこともせず、ほあ~んとリラックスして見られる作品だと理解できます(笑)

 

小道具の拳銃と、弾の出る本物の拳銃を持った盗賊集団との攻防戦も「あ、なるほどね」「あ、そう来たか」といったそれなりの知恵を絞ったやり方ですが、決して派手さはないし大笑いできるわけでもない。それよりも西部劇をベースにしているがゆえのガンファイトや、数多くの馬が疾走するがゆえの迫力には見入ってしまいます

 

時間経過の短絡加減(衣装がいきなり変わっているとか)や、小道具の銃がいつの間にやら本物になって、しかも追加の装弾もせずにガンガン撃ちまくってることはさておき、村の住人と一緒になって盗賊集団をやっつけて万々歳。”平坦なコメディ”によくある、落としどころがもわっとした感があるパターンの終わり方。

これがコメディではなく、ちゃんとした西部劇なら「荒野の七人」などのいわゆる名作映画の一端にあったかもしれません。

 

・・・・・・と、思い出したのが黒澤映画の「七人の侍」 「サボテン・ブラザース」は人数は違えど、まんま「七人の侍」じゃないかぁ~~~ まぁ、「荒野の七人」も黒澤明に敬意を払って作られたハリウッド版「七人の侍」だからね。本家からしたら「サボテン」は親戚みたいなものかな(笑)

 

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「我が道を往く」

2021-12-18 | あ、これ見ました

「イタルちゃんのお母さんと見に行った映画なのよ。独身の頃にね」。祖父母の代からお付き合いのある近所のおばさんが教えてくれました

「ビング・クロスビーが主演で、神父さんの役で・・・確か孤児院のようなところで子供たちに歌を教えていたの。タイトルが『我が町』とか『我が』なんとか・・・だったかなぁ」・・・ということで調べてネットオークションでゲット

 

『我が道を往く』原題 ” Going My Way ”(1945年/アメリカ)

出演:ビング・クロスビー(神父)バリー・フィッツジェラルド(老神父)リーゼ・スティーヴンス(オペラ歌手)

既に人気歌手としてその地位を確立していたクロスビーですが、ミュージカルを中心とした映画にも多数出演。ストレートプレイのこの作品ではアカデミー賞主演男優賞を受賞しているようですね(他にも作品賞、監督賞、歌曲賞なども受賞)

 

町の路地風景はスタジオでなく外ロケなので、当時のニューヨークの下町風情がわかりますね。

老朽化と悪環境により廃屋寸前の教会。たった一人の老神父の元に派遣されて来た神父(クロスビー)が、仲間の神父や旧知の間柄であるオペラ歌手に支えられ、近隣のクセのある住人たちと触れ合いながら教会を再建させる物語。

 

町の子供達を集めて歌の楽しさを教えるクロスビー。子供たちのハーモニーがこれまたきれいなんですよね

 

オペラ歌手役のリーゼ・スティーヴンスは、元々本物の歌手であり数多くのオペラにも出演。舞台シーンは見ごたえがあります。

老神父のバリー・フィッツジェラルドのとぼけた、それでいて頑固職人的なキャラクターとクロスビーの柔和なキャラのバランス、妖艶なステーヴンス、ずる賢い金貸しやひねくれた近所の老女、訳ありの家出娘と恋に陥る爽やか青年。太平洋戦争真っ只中に製作されていながらも、戦争には一切触れていないゆえに、心温まる作品ですね

ちなみに購入したこのDVD。思い出話をしてくれたおばさんにプレゼントしました。「ちょいと早いクリスマスプレゼント~

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「男組 少年刑務所」

2021-06-05 | あ、これ見ました

舘ひろし主演映画「男組 少年刑務所」(1976年・東映)

少年サンデーに連載されていたマンガ(原作:雁屋哲 池上遼一)の実写版。

前年に公開された「男組」(主演・星正人)の続編として、舘ひろし売り出し作戦の一環として東映が製作したとのことですね。ネット情報によると、その後の東映作品・・・「新・女囚さそり特殊房X」「地獄の天使」「皮ジャン反抗族」「薔薇の標的」「野性の証明」(角川映画・東映配給)などの主役・準主役を経て「西部警察」でブレークするに至ります

 

あの頃に流行った”あまりアルパワーを爆発させた学園もの”のひとつであり、権力をかさに学園を牛耳る不良グループに対抗する”熱い心を持った不良高校生”である流全次郎(舘ひろし)のハードな青春物語。

 

 

単なるケンカアクション・暴力描写にとどまらず、東映らしさ・・・お家芸であるチャンバラや、特撮ものを彷彿させるような悪のアジトや幹部のカルト的描写、千葉真一で確立した空手映画など・・・の要素をも加えた、好き者にはたまらないエンタメ作品ですね

 

お~!東映ドラマ「キイハンター」の谷隼人も肉体美を魅せてます。あ、この方は”関東番長連合”の総長で、流全次郎同様にれっきとした高校生です(笑)

 

流全次郎の側近的存在の5人衆「五家宝連」 演じたのは舘ひろし率いるバイクチーム&ロックバンド「クールス」のメンバーです。 アメフトユニフォームを着た・・・左から佐藤秀光、渡辺和浩、村山一海、飯田和男、玉川雅巳

こちらもクールスの大久保喜一 流の側近ではなく、純粋な高校生役です。

 

こうなったら、星正人版の前作も見たくなるなぁ。ちなみに「愛と誠」(松竹映画)3部作はDVDボックスで持っています(笑)

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