加山到のハマッ子雑貨飯店

おもちゃ箱をひっくり返したような楽しい雰囲気が伝われば嬉しいなっと。08年11月6日開店!

「ゴキブリ刑事」

2021-05-30 | あ、これ見ました

渡哲也主演の東宝映画「ゴキブリ刑事」(1973年/小谷承靖監督) 見たかったんです。DVDを見つけて即買いです

続編の「ザ・ゴキブリ」を含めた、石原プロモーション最後の映画作品で、この時すでに裕次郎さんは「太陽にほえろ!」に出演中。テレビドラマ制作のノウハウを勉強していました。そして3年後には大都会シリーズを製作、6年後に西部警察シリーズが始まります。

 

もうこのシチュエーションだけで、のちの「西部警察」のオープニングですよねぇ

監督はこの文字の「赤」にこだわったそうです。「真っ赤は日活のイメージがあるから」といって、多少オレンジ色を混ぜた赤です。

ヒロインの加賀まりこ とにかく可愛いし、小悪魔的な存在です

 

この出で立ちが、数年後の「黒岩頼介(大都会)」「大門圭介(西部警察)」に繋がっていくんですね。この時の役名は「鳴神涼」

ヤクザ役の刈谷俊介。のちに「弁慶(大都会)」「ゲン(西部警察)」として共闘します。この時は床屋で片方の眉毛を本当に剃られたあげくに出血までしてます・・・

 

のちに「太陽にほえろ!」でも共演する「トシさん」こと地井武男とはタッグを組んでます。チンピラ3人を手錠でつなげてコーラのファミリーサイズ(懐かしい響きでしょ?/500ml)をガボガボ飲ませてます。他にも、裸にして一人10本ぐらいの煙草をくわえさせて苦しめたりと、やりたい放題の取調室。こういうシーンがないから、現代の刑事ものってメリハリが効いてないですよね。

 

 

暴力団に仕返しされた鳴神は、怒りマックスでダンプカーとのカーチェイスのあげくに自ら大型ブルドーザーに乗り込みます

 

ブルドーザーで暴力団事務所の2階建てプレハブを下から持ち上げて、最後には転がしてしまします

石原プロの”名物番頭”コマサこと小林専務が、この危険な演出の陣頭指揮を執ったそうです。西部警察でもコマサさんは大活躍していましたからね。

 

とどめの一発を打ち込んで大爆破。次から次へとワクワクドキドキ

 

悪役ボス・深江章喜の地域密着型地方議員の挨拶シーン。左側の酒樽は「松竹梅」です。思わずニヤリ

ラストはそのボスの頭を容赦なく打ち抜きます

ガンエフェクト担当のトビー門口操作による、当時としては新しくて最高の脳天発火装置だったようです。

 

ストーリーは・・・・・・え~と・・・スカッとする内容です(笑)

 

 

 

 

 

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北京原人の逆襲

2021-02-25 | あ、これ見ました

『北京原人の逆襲』(1977年香港)

これは1978年の日本公開時に映画館で見たんです。我が家が中国から帰国した翌年の公開であり、北京在住時には、その化石が発掘された周口店にも見学に行ったことがあるので、とても興味があったんです。ところが映画の内容は・・・(笑)

 

香港の老舗映画会社のショウブラザース製作。数多くのカンフー映画を製作し、アメリカで名を馳せたブルース・リーにも出演契約を持ちかけましたが断られたエピソードがありますね。

さて、本編。冒頭部分に登場したのはゴリラ?キングコング こ、こ、これが北京原人 こんなに大きいの 確か人類と同じような背丈だったはずなのに・・・。そして金髪の女ターザン

 

ヒマラヤのジャングルにその生存が確認された北京原人を捕獲して、香港に連れてこようと結成された探検隊。そのリーダーのチェン(ダニー・リー)と、森林で原人によって育てられたアウェイ(イブリン・クラフト)はいい仲になってしまうのを見て、ちょいと嫉妬する可愛らしさもあるユーモアな原人。

 

 

歴史的調査をするために香港に連れてこられた原人とアウエィだが、悪徳によって見せ物にされてしまい、鎖に繋がれ檻に入れられるも、その苦しさとアウェイが悪徳に暴行されるのを見て暴れまわり、高層ビルに追い詰められた挙句に軍隊の攻撃によってビルから落下して絶命。助けようとしたアウェイも銃弾に撃たれて死んでしまう。

ジャングルに帰ろうと泣きながら息絶えたアウェイを抱き上げて100万ドルの夜景に佇むチェン。自然破壊と明るく発展する街のコントラストを表現するかのようなラストカットに、切なさを覚えました。結局現代にも通じるテーマでもありますね。

アウェイは、少女の頃に両親と共に搭乗していたセスナ機が墜落した生き残り。セスナ機の残骸は10数年たった今でも放置されたままなのですが、よく見ると機体番号の最初の二文字が「JA」。これは国際的に定められた決まりで日本籍の機体という事です。劇中では家族3人でのみ搭乗していたのに、なぜ日本のセスナ機だったのでしょう・・・。謎です。

ただ、この映画の特撮技術や美術を支えて指導したのは日本人です。すでに怪獣映画やドラマなどで名を馳せていた特撮技術スタッフに白羽の矢が立ち、ショウブラザースにが招聘していたので、それと関係があるかもしれませんね

 

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日活「泣かせるぜ」

2020-09-01 | あ、これ見ました

渡哲也逝去のニュースがありながらもどの局も追悼放送をしない中、テレビ神奈川が「泣かせるぜ」(日活/1965年・昭和40年)を放送しました 裕次郎さんと哲兄ぃ。ゆくゆくはプロダクションを率いて、日本のドラマ界を席巻する若き頃の2人が画面狭しと暴れます

 

貨物船と大海原を舞台に、船員たちと荒くれ者たち、そして暗躍する組織・・・大勢の出演者による乱闘シーンは、まるで後の香港カンフー映画の乱闘シーンを彷彿させます。そういえば、70年代の香港映画は日活や東映、大映のアクションを参考にしていたと聞いたことがありますが、まさにそうかもしれませんね

片腕を失った船員役の川地民夫 裕次郎の隣の家に住んでいたのが縁で日活入りしたとか?日活作品では主演作も多くあったようですが、ドラマでは犯人役などの悪役や陰りのある役が多いのですが、菅原文太とコンビを組んだ東映の「まむしの兄弟」シリーズでの弾けっぷりが面白かったなぁ。

榎木兵衛 僕ら世代にとっては、とにかく悪役。しかもチンピラ系。おかま系もあったりで記憶に残る名わき役です。この「泣かせるぜ」では準主役級。申し訳ない言い方ですが、こんなにセリフを喋って何度も登場しては活躍する氏を見たことがありませんでした

長老的存在の船員を演じている花沢徳衛 ヤクザもんや人情のあるおじさん役などの印象がありますね。これまた記憶に残る名優です。昭和のおじさん!です。

左は荒くれ船員の一人の野呂圭介 僕ら世代だと「どっきりカメラ」でヘルメットをかぶって殴られていた人・・・かな。元は日活の俳優だったんですね。

右はこれまたけんかっ早い船員役の井上昭文 この人を見るとどうしても「西部警察パート2」のおやっさん的存在の浜刑事なんです。それまでは時代劇の悪役というイメージだったのが、大門軍団を支える”怖い顔したベテラン刑事”として、私を驚かせてくれました

ヒロイン・浅丘ルリ子 きれいです。可愛いです。日活退社後は一時期確か石原プロにもいたんじゃないかな?この作品では船長・裕次郎を想い、荒くれ船員たちから慕われているバーのマダムを好演。最近では「男はつらいよ」50作目でも寅さんを想うリリー役で再登場していましたね。

港で上がった魚をトラックに積んで走る若き梶芽衣子 綺麗です!あ・・・この頃はまだ太田雅子という名前だったんですね。しかも「新人」とクレジットされています。

おやおや~!クイズダービーのお姉さんというイメージがあり、「渡る世間は鬼ばかり」シリーズの長女の長山愛子も出ているぅ~ 商売女という役柄ですが、なになに、この健康的なお色気は(笑)。ドキドキしました

脚本が小川英 のちの「太陽にほえろ!」のメインライターです。ずっとつながっていたんですね

ラストシーン。新たな航海に出ていく裕次郎や哲兄ぃ、船員たちを見送る浅丘ルリ子と梶芽衣子

私が「おや?」と思ったのは後ろにある看板。それも右にある「国際トルコセンター」 へぇ~!堂々と看板を出していたんですねぇ。こういっては何ですが、”特定の地域”に出ているならわかりますが、こういった公共的な場所に堂々と出ているなんてね。まぁ船員たちは海の上で何ヶ月も過ごすわけですから寄港/帰港したらそれなりの需要はあったわけですから。(ちょいとネットで調べたら今でもこのロケ地域にはその名残があるようです)

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「天狗太郎の部屋」YouTube

2020-06-24 | あ、これ見ました

山登りの好きな弟が、YouTubeに自身のチャンネルを作りました。ユーチューバーデビュー

タイトル・・・「天狗太郎の部屋」

顔は出してません。中国語のキャプション付きです。本人も時折中国語をしゃべっています。

自粛生活中にYouTubeや動画の撮影・編集に取り組んだようです。よかったら見てあげてください

 

なんで”天狗太郎”なんだろう・・・?

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寅さん、ショック(涙)

2020-06-22 | あ、これ見ました

「えーーーーーー まじっ

寅さんの映画、「男はつらいよ」シリーズを何本も見てきた私です。沢田研二と田中裕子が出ていた「花も嵐も寅次郎」は大学生の時、社会人になってからは三船敏郎が出ていた38作「知床慕情」、竹下景子@オーストリア・ウイーンの41作「寅次郎心の旅路」を見て、後は甥っ子の満男(吉岡秀隆)と泉(後藤久美子)の恋愛模様を描いた42作目の「僕の伯父さん」から実質的なラスト48作「寅次郎紅の花」、渥美清他界後に作られた25作のリメイク版である特別編の49作「寅次郎ハイビスカスの花」、そして昨年末に公開された50作までは劇場で見ているとず~~~~~っと思っていました。

ところが、実はそんなに見ていなかったことがひょんなことで判明。特に満男と泉シリーズ6本はすべて見ていると思っていたのですが・・・4本のみ。おまけに実質ラストの48作も、寅さんを回顧する意味で作られた49作でさえも、劇場で見ていなかったんです。手元にあるパンフレットを出してきても、自分が見た映画の記録を見直しても・・・見ていないことが裏付けられました。

なんたること・・・かつてレンタルビデオで借りてきたり、ここ数年はBSテレビで何度も全作を放送しているから、何か勘違いしていたのかなぁ。もっともっと大きいスクリーンで見ているかと思っていて、ちょいとがっかりした私です(涙)

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映画「カーテンコール」

2020-05-30 | あ、これ見ました

事情事態宣言が解除されて数日たちましたね。近所の商店街を行く人の数が若干少なったような気がしました。在宅から出勤する人が多くなって買い物や散歩をする人が減ったって事でしょうか?曜日や時間帯にも関係してくると思いますが、いずれにしろ感染する可能性はまだまだあること胸に、日々過ごしていきましょう。

    

映画「カーテンコール」(2005年公開)

伊藤歩 藤井隆 鶴田真由 奥貫薫 井上堯之 藤村志保 夏八木勲 佐々部清監督

宣言が解除されて映画館も再開したとの話を聞いて思い出したのが、映画館を物語の背景としたこちらの作品です。

昭和レトロの代名詞とも言われ、そのブームのきっかけとなったといっても過言ではない映画「三丁目の夕日」。「三丁目~」が大々的に宣伝されたために、同時期に公開された「カーテンコール」はやや陰に隠れてしまった感がありました。”昭和感”が好きな私は両作品とも見たのですが、「三丁目」はCGを駆使したスタジオ撮影を中心に、当時の風景や雰囲気を創り上げていましたが、「カーテンコール」は現代に残る昭和の建物や街並みをそのままフィルムに残しているために、懐かしさと共に臨場感が多分にありました。

舞台は昭和30年代後期の映画館。昭和34年の皇太子ご成婚によりテレビが爆発的に売れた後の時期・・・つまりそれは同時に映画館から人の姿が減少していき始めた時期でもあります。この映画はその頃に実在していた”幕間芸人”にスポットを当てた作品です。幕間芸人とは映画や演劇などの上映・上演の合間に自らの芸(歌やモノマネ、小話など)を観客に披露していた人たちの事です。

この幕間芸人(演・藤井隆)が映画館の従業員として働きつつ、ギター片手に歌を披露しながら奮闘する姿や、差別や貧困に立ち向かう家族の物語として描かれています。もちろん当時の名作話題作の一場面が次から次へとスクリーンに映し出されるのも、見る者をワクワクさせてくれます。

昭和風情を楽しみつつ、人生の切なさと力強さを感じ取ることが出来る素敵な作品です。

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「初恋のきた道」見た。

2020-05-17 | あ、これ見ました

数日前に投稿した「今夜、ロマンス劇場で」の他にもいろいろと見ているんですよ。DVD、ビデオ、テレビ録画問わずで「帰ってきたドラゴン」「探偵物語」「七つの会議」「地下鉄(メトロ)に乗って」「ナポレオンソロ2」「友よ、静かに瞑れ」「男はつらいよ」・・・

 

「初恋のきた道」(中国/1999年)

今頃この映画?まだ見てなかったのかよ・・・はい、やっと見ました。日本でもかなり話題になった作品で、映画初出演&主演の章子怡(チャン・ツイー)はいきなり大ブレイクして、2000年には「グリーン・デスティニー」、2001年には「ラッシュアワー2」とアメリカへも進出してますね。

ストーリーは、とにかく単純。というか純粋。素直。いや、もう何と言うか・・・人が人に恋をするってこうだよな。いや、忘れてたよ、こんな純粋な気持ち。切なさも相まって、「あ~、自分はなんて汚れた人間なんだぁぁぁ」と頭を垂れてしまいました。

貧しい農村に生きる少女が、さびれた小学校に赴任してきた青年教師に恋い焦がれる・・・ただそれだけの物語。長い長い一本の道でひたすら恋焦がれる人を待ち続ける。そんな恋物語です

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「今夜、ロマンス劇場で」を見た。

2020-05-13 | あ、これ見ました

役者の仕事はないけど、副業は休業できないので在宅とは程遠い生活です。とは言え、休みの日は予定が全くない訳ですから、多くの人たちと同様にDVDを見てます

で、ふと思うわけです。「コロナ最前線で戦っている人たちにも、好きな映画やDVDを楽しめる時間がありますように。ゆっくりできる時間が早く訪れますように」って。

     

「今夜、ロマンス劇場で」(2018年)

この作品、今週末16日(土)にフジテレビ系で放送されますね ぜひご覧ください。優しくなれます

公開時は映画でしっかり見ました。で、ハマりました。で、買っちゃったんです 綾瀬はるかの可愛らしさ、日本映画隆盛期の撮影所を舞台に、名作へのオマージュを施した演出、そしてこれまた純粋な恋物語

撮影所の助監督が、映画の中に登場する女優に思いを寄せていたら、大きな落雷がきっかけでその女優がスクリーンから飛び出してきて、恋仲になってしまう。もちろん様々な厚い壁にぶつかるわけですが、堪えて乗り越えて・・・綾瀬はるかと坂口健太郎の初々しいほどのもどかしさと、ベテラン加藤剛や柄本明の名演、映画への熱き思いが相まって、ラストでは思わず涙腺が緩んでしまった私です

上記の大きな落雷がきっかけで・・・は「バック・トゥー・ザ・フューチャー」、下の王女様は「ローマの休日」、ガラス越しのキスは、日本映画「また逢う日まで」に思いを寄せて作った場面ですね。他にも「ほぉ~!」と楽しませてくれる場面があります。

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恋恋豆花と監督とシンガーと。

2020-03-11 | あ、これ見ました

地元ヨコハマは伊勢佐木町の横浜シネマリンや、新宿のK’sシネマで上演中の「恋恋豆花」のトークショーを観に行ってきました。
全編ほぼほぼ台湾でロケをした、母と娘の優しくて温かいロードムービー。映画自体は先日見たのですが、すでにネットでは繋がりのある今関あきよし監督にぜひともお会いしたくトークショーにのみ馳せ参じてきました。
主題歌を歌う洸美-hiromi-さん(劇中のライブハウスの場面でも歌っています)の生歌を聞き、気分はほんわか😊
トークショー後にはロビーで監督にご挨拶をし、短時間ながらも談笑。僕らが大学生の頃に上映された「アイコ16歳」。主演はこれがデビューだった富田靖子。この映画を監督したのが今関監督なんです✌️日台ハーフ歌手の洸美さんとは中国語での会話を楽しみました。
おすすめの作品。お時間のある方はぜひご覧ください😊

いつか今関監督の作品に出たいですねぇ💕

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おかえり寅さん♬

2020-01-23 | あ、これ見ました

あの大きくて四角い顔が、大きくて四角いスクリーンに映るだけで胸がじわ~んと熱くなってきました。やっぱりね、映画はスクリーンで見る方がいい。寅さんも映画館で見る方がいい。可笑しな場面では場内の人たちと一緒に笑える。クスクス、げらげら。

正直、作品自体に期待は全くしていませんでした。だって”主役不在”ですから。これは誰もが知っている事実ですからね。公開前の宣伝では、甥っ子の満男を始めとした登場人物が寅さんを回想しながら、かつてのシーンが流れるとのことだったので、見る者にとっては最もわかりやすくて、”今でも旅を続けている”寅さんの存在を知らせる最適な方法だなと思っていました。

それなりに楽しめました。老いた博&さくら夫婦、シングルファザーになった満男、かつての恋人の泉、その母親の礼子、寅さんの舎弟分の源公、タコ社長の娘のあけみ、くるまや従業員の三平、寅さんの”恋人”リリー。あぁ、みんな元気なんだな~って。 「先代の後を引き継ぎまして・・・」とのセリフと共に登場した2代目御前様。演じたのは寅さんシリーズに様々な役でレギュラー的に登場していた笹野高史。このキャスティングには思わずニヤリ。嬉しかったな。

おいちゃんもおばちゃんもタコ社長も旅立たれていたけど、そりゃぁ前作から20年以上も経っているんだもんね。鬼籍に入られてもおかしくはない。それでも過去の場面にはみんなの元気な姿が見られるし、おいちゃんに関しては演じた3人の歴代俳優(森川信、松村達雄、下條正巳)がちゃ~んと登場しているし、満男にしても赤ん坊時代の中村はやともいたし、歴代マドンナも、まるでイタリア映画の「ニューシネマパラダイス」ラストを彷彿させるようにど~~ん!といっぺんに登場している。くるまやはカフェに衣替えしていたけど、向かいの煎餅屋は同じ江戸家だったし、くるまやのモデルと言われている高木屋団子舗もしっかりと出ていたし、もはや「お帰り寅さん」ではなく「お祭り寅さん」って感じです。

でもこれだけオリジナルキャストが出てきたのに、残念だったのがひとつ。病床に伏せている泉の父親役が橋爪功⁉ オリジナルでは寺尾聡だったのに・・・。死期が迫っている、それでもダンディな父親が別れた妻や娘と最期にどんな会話を交わすのか。その瞬間までドキドキしていました・・・が、残念。しかも橋爪功の面白さを引き出すようなコメディ演出。泉の父親じゃない!ぶっ飛んだ礼子が愛した旦那じゃない!山田監督はどんな思いでこのシーンを演出したんだ? 寺尾聡が出演できず、”山田ファミリー”の橋爪功が代役で出るのは良しとしても、あの満男をおちょくるような演出は「泉の父親像」を根本から覆してしまい、かなりがっかりしました。寅さんファンも茫然としたのでは?

それと、オープニングの歌を歌った桑田佳祐。主題歌を歌うのはいいんだけども、桑田本人が登場しちゃってる。「男はつらいよ」は彼のMVやPVじゃないんだからね(しかもバックの青空はCG処理)。まぁ、監督の好みなんだから仕方ないか。ラストに渥美清本人が歌う主題歌が流れてきたから、溜飲が下がる思いだったけど。

あとひとつ。あえて・・・あえてひとつ注文するならば。寅さんがカバンを持って歩いて来て、源公が転げまわり、博が草野球をして、さくらが自転車で通ったあの土手。江戸川の土手を映し出すシーンが欲しかったなぁ。

劇中、さくらが「お兄ちゃんがいつ帰って来るかわからないから」と言っていたので、寅さんはまだ全国を旅しているんですよね。寅さんと「男はつらいよ」を大好きな私たちの心をゆっくりと歩き渡っているんです。

50作記念に何か本が欲しいなと思って購入した一冊。旅をする寅さんを鉄道という側面から特集しています。

ひさしぶりに柴又に行ってみるかな。ひょっこりと寅さんに会ったりして

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