Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

文献にならないRCT

2013年11月05日 | EBM関連
実は、こわーいお話。

Jones CW, Handler L, Crowell KE, et al.
Non-publication of large randomized clinical trials: cross sectional analysis.
BMJ. 2013 Oct 29;347:f6104. PMID: 24169943.


ClinicalTrials.govに登録されていて、2009年1月までに研究が終了している、症例数500例以上のRCTが、実際に文献になっているかどうかをPubMedなどの検索エンジンを使って調べてみた。その結果、登録されていた585のRCTのうち、じつに171研究(29%)が発表されていなかった。発表されない頻度は、製薬会社による資金提供があった研究(150/468, 32%)の方が、なかった研究(21/117, 18%)よりも高かった(p=0.003)。

最後に調べたのは2012年の11月なので、研究が終わってから4年以上も文献になっていないということになる。実際、発表されていない研究は平均で60ヶ月経っていた。さすがに、忙しいから、は理由にならない。
32%と18%と書いてあると、差は倍近いんだなと思うけど、発表されていない171研究のうち、スポンサーのある研究が150だからね。ほとんどじゃん。

ほら、怖い。
最近やっと寒くなってきたというのに、もっと寒くなっちゃうね。
コメント (1)
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