Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

COPD急性増悪とプロカルシトニン

2018年05月31日 | 感染
Daubin C, Valette X, Thiolliere F, et al.; BPCTrea Study Group.
Procalcitonin algorithm to guide initial antibiotic therapy in acute exacerbations of COPD admitted to the ICU: a randomized multicenter study.
Intensive Care Med. 2018 Apr;44(4):428-437. PMID: 29663044.


ATSで発表された研究もそうだし、もうプロラクチンは抗菌薬開始の指標にならない、でいいでしょう。
実際、目の前に死にそうな患者さんがいて、じゃあプロラクチンの結果が出るまで待ちましょうとか、低かったから抗菌薬は投与しないでおきましょうとか、そういう判断はしないもの。天秤にかかっているのが命なんだから。
残るは、抗菌薬の中止に有効なのかどうか。どうしてもズルズル続いてしまうことはあるもんね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

外傷患者の急性期の血圧管理

2018年05月30日 | その他
Tran A, Yates J, Lau A, et al.
Permissive hypotension versus conventional resuscitation strategies in adult trauma patients with hemorrhagic shock: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.
J Trauma Acute Care Surg. 2018 May;84(5):802-808. PMID: 29370058.


もう外傷患者の初期診療をしなくなってから随分経つので、この話題について読んだり調べたりする機会がなかった。で、久しぶりに見かけたので読んでみた。
出血していて低血圧の外傷患者さんに補液をすると、さらに血が止まらなくなって、結局は予後を悪くするよ、という話題はずっと前からあった。さすがに、それなりに結論がついているのかなと漠然と思っていたのだけど、1994年のチョー有名な文献以外は大きな研究がどうもないらしく、ちょっとビックリだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

HITの予防に免疫グロブリン?

2018年05月29日 | 消化器・血液
Warkentin TE, Climans TH, Morin PA.
Intravenous Immune Globulin to Prevent Heparin-Induced Thrombocytopenia.
N Engl J Med. 2018 May 10;378(19):1845-1848. PMID: 29742374.
(うまくリンクが貼れない)

あれま、NEJMにケースレポートが載っているぞ。それとも気がついてないだけで、よくあるのだろうか。分かりません。
内容的には確かにちょっと面白いが。でもNEJMレベルなのかは。。。
で、著者を見ると、ああ、Warkentinさんじゃないですか、HITで有名な。
ということは、ネームバリューか??
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

VTストームとβブロッカー

2018年05月28日 | 循環
Chatzidou S, Kontogiannis C, Tsilimigras DI, et al.
Propranolol Versus Metoprolol for Treatment of Electrical Storm in Patients With Implantable Cardioverter-Defibrillator.
J Am Coll Cardiol. 2018 May 1;71(17):1897-1906. PMID: 29699616.


あれ?
たしか、日本には、根拠が乏しくて高価なのに、すごく使われてるβ1選択性のβブロッカーがあったような。。。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

慈恵ICU勉強会 180522

2018年05月27日 | ICU勉強会
5月22日 小児の早期警戒システム(JC-JAMA)
5月22日 ICU薬剤師と患者予後(JC-CCM)


一つ目はICUナース、二つ目はICU薬剤師によるジャーナルクラブ。
結果そのものよりも、ここから何が考えられるか、が面白い研究だった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ATS 2018

2018年05月26日 | その他
毎年、この時期はATSで発表された集中治療関連の文献がonline pubされるので、さあ今年はいくつ来るかなと思って待っていたら、2つだけだった。
でも今週号のNEJMにそれっぽいのが2つ出ている気もする。そしてそっちの方が面白そうだ。
まあとりあえず、online pubのリンクを貼っておきます。

JAMA
Association of the Quick Sequential (Sepsis-Related) Organ Failure Assessment (qSOFA) Score With Excess Hospital Mortality in Adults With Suspected Infection in Low- and Middle-Income Countries

NEJM
Procalcitonin-Guided Use of Antibiotics for Lower Respiratory Tract Infection
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ICUに来る肝硬変患者の疫学

2018年05月25日 | 消化器・血液
Skurzak S, Carrara G, Rossi C, et al.
Cirrhotic patients admitted to the ICU for medical reasons: Analysis of 5506 patients admitted to 286 ICUs in 8years.
J Crit Care. 2018 Jun;45:220-228. PMID: 29604566.


JCCの昨日紹介した文献と同じ号に、今度はイタリアのデータベースであるGiViTIの研究が載っていた。
ANZICSやICNARCには劣るけど、チョコチョコ文献を出しているデータベース。286のICU、2002年からの8年間で40万例。なかなかである。
JIPADとしては、まずこの辺を目標にするのがよいのかも。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ICUでのギランバレーの疫学

2018年05月24日 | 神経
Ancona P, Bailey M, Bellomo R.
Characteristics, incidence and outcome of patients admitted to intensive care unit with Guillain-Barre syndrome in Australia and New Zealand.
J Crit Care. 2018 Jun;45:58-64. PMID: 29413724.


大きなデータベースがあれば、稀だけど重要な病気の疫学情報を提供できますよ、という例。

JIPADはやっとこさ6万例に到達。ANZICSに比べれば屁みたいなもんですが、着実に前に進んでおります。
もしまだ最新の年次レポートを読んでなかったら、読んでもらえるとウレピーです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小児のHVHF

2018年05月23日 | 腎臓
Miao H, Wang F, Xiong X, et al.
Clinical Benefits of High-Volume Hemofiltration in Critically Ill Pediatric Patients with Severe Sepsis: A Retrospective Cohort Study.
Blood Purif. 2018;45(1-3):18-27. PMID: 29161713.


敗血症でCRRTが必要となった155例の小児のうち、62例が通常のドーズ(35ml/kg/hr)、93例がHVHF(50-70ml/kg/hr)でCVVHが施行された。予後を比較したが、二群間で差はなかった。

以前、成人のCHDが700ml/hrで回っている横で、乳児のCHDが1L/hrで回っているのを見た。
調べたり聞いたりしてみると、どうも日本中でこういうことが行われているらしい。

小児は専門ではないので分からないが、すごく間違っていること、少なくとも日本の外とは大きくかけ離れていること、が行われている気がする。

CRRTはそれなりに専門なので分かるが、CRRTのintensityとかdoseの話をするときに、透析流量と濾過流量は基本的に同じものとして扱う。もちろん少し違うけど、CRRTは水分と溶質のコントロールのために行うものなので、臨床的に大きな差はない。
どうもそこに混乱があるのではないか?
小児は専門外なので分からないが。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

慈恵ICU勉強会 180515

2018年05月22日 | ICU勉強会
5月15日 ARDSレビュー(JC-JAMA)

復習にどうぞ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする