Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

勉強する時間2

2016年04月30日 | ひとりごと
ICUというところは、忙しい時とそうでない時の差が激しい。
一人の重症患者さんの存在による仕事量の増加が全体の仕事量に与える影響が大きい=SDが大きいのだから当然。
ということは、暇な時はすごく暇になる。手術患者さんを多く受け入れるICUではゴールデンウィークのような長期の休みのときは暇になることが多い。

そこまでは良い。論理的に当然だ。もし長期休みのときですら忙しかったら、通常業務は成立しなくなってしまうんだから。

問題は、暇なときに出勤したらどうするか、だ。
勉強する大チャンスだと思うのだけれど。家にいると色々な誘惑があるけど、職場では勉強するしかないじゃんか。

ごめんなさい。二回続いて普通の話で。
でもやっぱ気になるわ。
なんか見ていて可哀そうに思えてしまうので。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

勉強する時間

2016年04月27日 | ひとりごと
新しいINTENSIVISTが送られてきた。新しいHOSPITALISTも送られてきた。
ありがたいことに、どちらもタダで送ってもらっている。HOSPITALISTなんか全然貢献したこと無いのに。申し訳ないので、宣伝しておく。

目次を眺めていたら、10年以上前にある教授に言われた事を思い出した。
「君ぐらいの時期が一番勉強できるんだよな。」
当時30代後半。片っ端から文献を読んでいた頃のこと。
この人、自分が不勉強なのを年齢のせいにしているだけじゃないか、と思った。

でもね。やっぱり読めなくなるわ。
このブログの更新もなかなかできなくなっちゃったし。
”産科ICU"に”代謝内分泌”かー。読んだら面白いだろーなー。でも読めないんだよねー。優先順位がねー。

20代の頃って、仕事を覚えるので精一杯だし、英語読めないし、簡単な本を読むのが精一杯だったりする。
40代以降だと、いろいろな雑用が増えてしまう。

30代のみなさん、悪い事言わんから、読みまくりなさい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今月のICMはARDS特集

2016年04月19日 | 呼吸
Intensive Care Medicine
Volume 42, Issue 5, May 2016


昨日の夕方にemail alertが来た。
すごい。
普通、特集と言っても半分くらいはそれ以外の話もあるものだけど、今回は何もかもが ARDS/ECMO/呼吸不全。Erratumすらそうなので、徹底している。
さて問題です。僕はPDFをいくつダウンロードしたでしょう?

PDFをダウンロードしようと思う文献は、
1:自分のプラクティスに影響しうるもの
2:自分の研究に関連しうるもの
3:興味があって収集している話題に関連したもの
4:単純に面白そうだと思ったもの
5:知らないから勉強しようと思ったもの
のどれか。
ARDS関連の研究は数がとても多くてキリがないので、本当にプラクティスに影響すると思わないとなかなか読まないし、研究する人が多いので僕の入る余地がないし、ちょっと距離を置いている。そうするといよいよ興味が薄れるので、面白そうだと思うことも少なくなる。
ということで、答えはゼロ。
一昨日来たCCMはたくさんダウンロードしちゃったので、ちょっとラッキーだと思っている。

どうも、人気のあることは苦手。
ただそれだけなので、no offenseですよ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新しいICUに移ったあなたへ

2016年04月14日 | ひとりごと
4月になり、新しい職場に移った方も少なくないのでは。
僕が職場(あるICUから別のICUに)を移った時に必ずやっていたこと(ちなみに今の職場は5つ目のICU)を紹介します。

・棚を片っ端から開けて、どんな物品が常備されているのかを確認する。
特に常備薬は必須。救急カートもね。ちょっと不審者的行動なので、「何か探してるの」とか聞かれるけど。

・医療機器をいじり倒す。
特にベッドサイドモニタとセントラルモニタは必須。もちろん壊さない範囲、患者さんに影響の無い範囲で、だけど。

・他職種の勤務形態や仕事の内容を把握する。
自分にとっても他の人にとっても、仕事の能率に明らかに影響するので。一ヶ月くらい経って、だいたい周りが見えるようになってから、だけど。

絶対に必要なことだと思うのだが、周りに聞くと、あまりメジャーな行為ではないのかも。
でもオススメです。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

敗血症のpersonalised medicine

2016年04月13日 | 感染
Davenport EE, Burnham KL, Radhakrishnan J, et al.
Genomic landscape of the individual host response and outcomes in sepsis: a prospective cohort study.
Lancet Respir Med. 2016 Feb 22. PMID: 26917434.


肺炎による敗血症でICUに入室した265例の末梢血白血球の遺伝子発現について検討した研究。
紹介したいなと思ったのはこれではなく、この文献のeditorial。

Vincent JL.
Individual gene expression and personalised medicine in sepsis.
Lancet Respir Med. 2016 Feb 23. [Epub ahead of print] PMID: 26928384.


Vincent先生のお言葉です。
敗血症に対する研究はたくさん行われたけど、全部ネガティブだった。その大きな理由は、患者さんの免疫状態は症例によって時期によって大きく異なるからだ。患者それぞれに合わせた治療が遺伝子情報などによってきめ細かくできるようになれば、もっと効果的な治療ができるようになるかも。

One-size-fits-all approach has resulted in a multitude of negative RCTs, especially in sepsis, with vast amounts of wasted effort and resources. One size cannot fit all.

僕は行ってないけど、先月のブリュッセルのISICEM(すごいタイミングで行われた)で、この話をVincent先生はされたらしい。

たしかに。ごもっとも。
1990年ごろから20年くらい、”one-size-fits-all approach”が試みられ、全部失敗。次の20年はpersonalised medicineを試みる時代が来るんでしょう。
期待したいところではあるのだけれども。
何だろな。直感的に、成功する気がしない。
ずっとネガティブな研究を見せられ続けているからなのと、subgroup analysisはダメよと教わっているからなのと。

じゃあ敗血症患者の予後を改善する方法は無いのか、とは思っていなくて。なんかね、もっと基本的なところにある気がするんですよ、ね。うまく言えないのだけど。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ICUのAF

2016年04月12日 | 循環
こんな文献を書いたということもあり、AFについての研究を見かけるとダウンロードする。
先週は3つもあったので、紹介してみる。

Giambrone GP, Wu X, Gaber-Baylis LK, et al.
Incidence and implications of postoperative supraventricular tachycardia after pulmonary lobectomy.
J Thorac Cardiovasc Surg. 2016 Apr;151(4):982-9. PMID: 26778376.

肺切後の上室性頻拍は11.8%に発生し、脳梗塞・死亡・入院期間に関連していた。
この手の研究としては典型的な話。ただ、Nが多い。

Mitric G, Udy A, Bandeshe H, Clement P, Boots R.
Variable use of amiodarone is associated with a greater risk of recurrence of atrial fibrillation in the critically ill.
Crit Care. 2016 Apr 2;20(1):90. PMID: 27038791.

オーストラリアの一施設研究。ICUでAFになった177例。昇圧剤投与中にアミオダロンを中止するとAFの再発が多かった。
ICUにおけるAFの研究はそれなりにあるけど、再発について検討したものは少ないんだよね。

Gillinov AM, Bagiella E, Moskowitz AJ, et al.
Rate Control versus Rhythm Control for Atrial Fibrillation after Cardiac Surgery.
N Engl J Med. 2016 Apr 4. [Epub ahead of print] PMID: 27043047.

そしてNEJM。
心臓外科術後にAFになった523例。脈拍が100以下になるようにレートコントロールする群と、アミオダロンでサイナスに戻す努力をする群でRCT。Primary outcomeは入院期間。二群間でprimary outcomeも、死亡率も、合併症の発生率も同程度。60日の時点でサイナスだった頻度はリズムコントロール群で多かった(94% vs. 98%)。

重症患者でAFが起こると入院期間が延びたり死亡率が上がったりするから有害だ、という観察研究がたくさんある中でのRCTで、ああ、やっぱりか、という結果。
まあ、まだ心外だけだけども。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

慈恵ICU勉強会 160329

2016年04月07日 | ICU勉強会
心臓マッサージの生理

先月のA&Aのレビュー昨年末のNEJMの文献を足したもの。心臓マッサージの回数、深さ、呼吸補助のタイミング、デバイスなどについて根拠を知りたい方はどうぞ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする