Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

慈恵ICU勉強会 160119

2016年01月29日 | ICU勉強会
・細胞外液と生理食塩水とAKI(JC-JAMA)

去年10月のJAMA。
ちょっと古いね。予定を決めて、分担を決めて、準備して、とやっていると時間が経ってしまう。もう少し早くやりたいが。

Primary outcomeはAKI発症率だし、症例数は2000例以上だけど施設数は4つだし、扱いとしてはPhase IIBという感じ。
実際、PLUS studyというのが計画されている。なんと8300例。集中治療領域では最大規模か?
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集中治療の集約化と個別化

2016年01月19日 | ICU・システム
怠け癖はなかなか治りませんが、一つぐらい。

Vincent JL.
The Future of Critical Care Medicine: Integration and Personalization.
Crit Care Med. 2016 Feb;44(2):386-389. PMID: 26771785.


出たばかりのCCM。JL Vincent先生のお言葉。
なんか変な印象を受ける文章だ。もう引退だから(引退したから?)好きなことを言うぞ、的にも思えちゃうような。
サブタイトルだけコピペすると、
・SIMPLE PROTOCOLS DO NOT WORK FOR COMPLEX PATIENTS
・CHECKLISTS ARE USEFUL
・SUBSPECIALIZED ICUS ARE UNNECESSARY... AND MAY EVEN BE DETRIMENTAL
・THE PATIENT’S TRAJECTORY BEFORE THE ICU IS ALSO IMPORTANT
・INTEGRATED INTENSIVE CARE: PATIENTS AND EQUIPMENT

基本、言っていることには同感なんだけど。
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みんな、discussionが苦手

2016年01月11日 | ひとりごと
そんな気がする。
あ、会話とか臨床とかでのディスカッションではないですよ。特に若者が初めて文献を自分で執筆するときのdiscussion。
これまでも書いた話題だけど、今回はイマイチなdiscussionの具体例を示してみようかと。
こうやるんだよ、だけよりも分かりやすいかも、と思って。

典型例は二つ。
一つ目は、お勉強したことをただただ書いていくパターン。まるで教科書やレビューみたいな内容になる。Discussionは自分の研究結果についてdiscussionするところであって、一般論を書くところじゃない。でも、自分の研究結果を他と比較したりするのは難しいらしく、つい一般論が長くなる。超初心者に見られるパターン。

二つ目は、単純に他の研究と比較するパターン。例えば、ある研究と結果が異なったので、その理由として自分の研究は症例数が少なく後ろ向きだったことが考えられる、とか書いちゃうやつ。それって、確かに比較はしているけど、読者に何の情報も与えていない。読む価値がないと自分で宣言しているのも同じ。一般論はダメだよと指摘した結果として見られる初心者のパターン。

Discussionは、読み終わったあとに、読者(より正確にはreviewer)が、あー勉強になった、この研究って意味あるなー、と思ってもらうために書くところ。一般論はreviewerは知っているし、単に他の研究と比較しても意味があるとは思ってもらえない。
簡単に言えば、メッセージ性を持たせる。読者に何を記憶してほしいか、そこを決めてから書きましょう。

料理で例えると、discussionは盛り付けかな。どんな良い素材をどんな腕の良い料理人が調理しても、盛り付けがひどいとお客さんは美味しいとは思ってくれないし、その逆も成り立つでしょ?
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慈恵ICU勉強会 151229

2016年01月07日 | ICU勉強会
・AHA CPR 2015 Part 8: Post–Cardiac Arrest Care
・院内心停止後のDNR(JC-JAMA)


両方とも心停止の話。
一つ目は心停止のガイドライン2015の関係あるところを読もうぜシリーズの第2弾(これで終了)。
二つ目は面白かった。簡単に言えば、蘇生後にほぼ100%の死亡率が予想されているのにDNRとならない症例がたくさんいることと、予後は良いと思われているのにDNRが取得され、その結果としてDNRを取得しなかった場合に比べ死亡率が上がっている可能性があることが示されている。
観察研究だし、大きなデータベースを用いているのでデータの不備や欠損もいろいろありそうだし、限界はあるのだけれど、結果は納得のいくもの。そしてちょっと怖い。
どちらも、ぜひお読みくださないな。
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慈恵ICU勉強会 151222

2016年01月06日 | ICU勉強会
・脳卒中の体温管理
・CVの挿入部位と合併症(JC-NEJM)


一つ目は、脳卒中の体温管理をナースの視点から見たsystematic review、それを慈恵のナースが発表。
二つ目は、CVの挿入部位として内頸と鎖骨下と鼠径の3つを比較した初の多施設RCTを、これまた慈恵のナースが発表。鎖骨下がいいんだよとナースに言われ、いつも内頸ばかり刺している医者がシュンとしていた。
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