いやー、涼しくなりましたな。
とういことで、今週もよろしくお願いしまふ。
まずはNEJMから。とは言っても集中治療の話ではないのだけど。
Govindarajan A, Urbach DR, Kumar M, et al.
Outcomes of Daytime Procedures Performed by Attending Surgeons after Night Work.
N Engl J Med. 2015 Aug 27;373(9):845-853. PMID: 26308685.
カナダのオンタリオ州の医療関連のデータベースを複数用いた研究。深夜0時から朝7時の間に特定の診療請求をした(つまり夜中に働いた)医師が、その日の日中に行った12の手技(整形とか心外とか消外とかのメジャーな手術11種類+PCI)を受けた患者さんと、同じ医師が同じ手技を行ったほぼ同じ年齢の患者さんを比較。1448人の医師により手技が行われた約40000の患者さんが対象。Primary outcomeは死亡、再入院、合併症の発生を合わせたcomposite outcome。その結果、outocomeの発生頻度は22.4% vs. 22.2%で差を認めず、唯一、同じ夜に複数回の診療請求をした場合に合併症の発生頻度がちょっとだけ有意に高くなった(オッズ比1.14, p=0.05)。
なんか、ちょっと不思議な話題だ。NEJMに掲載されるということは、北米ではそんなにこの話題は重要なのだろうか。コストとか、関係しているのか?
当直明けの医師にはできるだけ手術とかはしてもらわないようにしよう、というのは普通じゃないのだろうか。そこにも根拠が必要なのか?
だって、睡眠不足になると判断能力が落ちるなんて、根拠を提示されなくても分かるし、実際ちゃんと根拠あるし。
僕はね、当直明けでは絶対に手技はしないことにしています(どうしようもないときは別だけど、そういう非常事態はなかなかない)。理由は、過去の経験に基づいて、自分には当直明けに安全に手技を行う能力がないと判断しているので。
・ICUの患者さんが朝から手術に行くことになっていて、挿管しといてと麻酔科医に頼まれていたので、ちょっとだけ仮眠してから明け方にベッドサイドに行き、すでにナースが用意していた鎮静剤と筋弛緩薬を投与した。そして、あっ、挿管の準備を何もしていない!、ということに気がついた。
・CRRTを再開したいのだけど手の空いている人がいないから接続してくれと臨床工学技士に頼まれ、ぼーっとしながらベッドサイドに行き、透析のカテーテルのフタを取り、工学技士がラインを手渡してくれるのを待っていた。患者さんは自発呼吸、呼吸不全でハーハーしていた。そんな患者さんが、突然咳をし始めた。そして、あっ、クランプが開いていて空気に解放されている、しかも血が出て来ない!、ということに気がついた。
・原付で通勤していた頃、当直明けで帰る途中でコンビニに寄り、駐車場から道路に出るとき、日曜日の朝で車がほとんど走っていないので、右を見ずに飛び出した。そして、背後で急ブレーキの音がした!、ということに気がついた。
僕だけかな。こんなの。他の人は大丈夫なのかな。
この文献のdiscussionでも、どうしてネガティブな結果になったのかについて考察されていて、経験でカバーするからとか、安全かどうか自分で判断できるからとか書いてある。
でも、いいのか、ほんとに?
とういことで、今週もよろしくお願いしまふ。
まずはNEJMから。とは言っても集中治療の話ではないのだけど。
Govindarajan A, Urbach DR, Kumar M, et al.
Outcomes of Daytime Procedures Performed by Attending Surgeons after Night Work.
N Engl J Med. 2015 Aug 27;373(9):845-853. PMID: 26308685.
カナダのオンタリオ州の医療関連のデータベースを複数用いた研究。深夜0時から朝7時の間に特定の診療請求をした(つまり夜中に働いた)医師が、その日の日中に行った12の手技(整形とか心外とか消外とかのメジャーな手術11種類+PCI)を受けた患者さんと、同じ医師が同じ手技を行ったほぼ同じ年齢の患者さんを比較。1448人の医師により手技が行われた約40000の患者さんが対象。Primary outcomeは死亡、再入院、合併症の発生を合わせたcomposite outcome。その結果、outocomeの発生頻度は22.4% vs. 22.2%で差を認めず、唯一、同じ夜に複数回の診療請求をした場合に合併症の発生頻度がちょっとだけ有意に高くなった(オッズ比1.14, p=0.05)。
なんか、ちょっと不思議な話題だ。NEJMに掲載されるということは、北米ではそんなにこの話題は重要なのだろうか。コストとか、関係しているのか?
当直明けの医師にはできるだけ手術とかはしてもらわないようにしよう、というのは普通じゃないのだろうか。そこにも根拠が必要なのか?
だって、睡眠不足になると判断能力が落ちるなんて、根拠を提示されなくても分かるし、実際ちゃんと根拠あるし。
僕はね、当直明けでは絶対に手技はしないことにしています(どうしようもないときは別だけど、そういう非常事態はなかなかない)。理由は、過去の経験に基づいて、自分には当直明けに安全に手技を行う能力がないと判断しているので。
・ICUの患者さんが朝から手術に行くことになっていて、挿管しといてと麻酔科医に頼まれていたので、ちょっとだけ仮眠してから明け方にベッドサイドに行き、すでにナースが用意していた鎮静剤と筋弛緩薬を投与した。そして、あっ、挿管の準備を何もしていない!、ということに気がついた。
・CRRTを再開したいのだけど手の空いている人がいないから接続してくれと臨床工学技士に頼まれ、ぼーっとしながらベッドサイドに行き、透析のカテーテルのフタを取り、工学技士がラインを手渡してくれるのを待っていた。患者さんは自発呼吸、呼吸不全でハーハーしていた。そんな患者さんが、突然咳をし始めた。そして、あっ、クランプが開いていて空気に解放されている、しかも血が出て来ない!、ということに気がついた。
・原付で通勤していた頃、当直明けで帰る途中でコンビニに寄り、駐車場から道路に出るとき、日曜日の朝で車がほとんど走っていないので、右を見ずに飛び出した。そして、背後で急ブレーキの音がした!、ということに気がついた。
僕だけかな。こんなの。他の人は大丈夫なのかな。
この文献のdiscussionでも、どうしてネガティブな結果になったのかについて考察されていて、経験でカバーするからとか、安全かどうか自分で判断できるからとか書いてある。
でも、いいのか、ほんとに?