Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

体温の変動パターンと敗血症の予測

2013年11月13日 | 感染
Drewry AM, Fuller BM, Bailey TC, et al.
Body temperature patterns as a predictor of hospital-acquired sepsis in afebrile adult intensive care unit patients: a case-control study.
Crit Care. 2013 Sep 12;17(5):R200. PMID: 24028682.


アメリカのあるICUで、ICU在室中に敗血症を発症した32例と、敗血症を起こさずに退室した29例の、敗血症発症前(もしくは退室前)72時間の体温の変化を7名の医師に見せて、体温の変動パターンが異常かどうか(つまりその後に敗血症になりそうか)を判断させた。もちろん、この期間に発熱(38.3℃以上)している患者さんは除外。体温の異常な変動パターンというのは、
・体温の変動が頻回
・体温の変動が大きい
・平熱だけど徐々に上がっている
の3つ。
その結果、敗血症の22例(68.8%)と非敗血症の7例(24.1%)が異常パターンと判定された。
体温の絶対値だけでなく、変動も考慮すれば、抗菌薬の早期投与につながるのでは、というのが結論。

感度が約7割、特異度が75%だから、思いのほか高い感じ。
徐々に体温が上がると、おやっとは思っていたけど、そうなんだ、変動が激しくなっても怪しいんだ。面白い。

変動パターンを客観的に記述できれば、もっと大きなサイズでも検討できそうだ。
研究のネタとして、いかが?
コメント
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