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Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

医師届出票

2016年12月29日 | ひとりごと
またこの書類を書く季節がやってまいりました。
ICUで働く医師の皆さん、専門科名の欄は、
その他(集中治療)
って書きましょうね。
草の根運動。千里の道も一歩から。

ちなみに、”医師届出票 集中治療”とググって見たら、僕が数年前に学会で話したスライドが出てきて苦笑した。
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またEUPHRATESの話

2016年12月28日 | 感染
まー、そーだよねー。
学会発表されてるよねー。
いつものことながら、僕のところに情報が来るのが遅い。
で、古い情報を人にしゃべって、その結果、恥をかく。
今回もそう。これね。

なんだよ。ESICMで発表されてるんじゃんか。
そーっと、誰か教えてくれればいいのに。ぷんぷん。

まあ、それは良しとして。
いい時代になったものです。学会発表されたばかりの研究がすぐに雑誌で読めるようになったし、学会発表の動画も見ることができる。
EUPHRATESも見られる。一番上のやつね。
ネットで見られるんだから、これを貼っても怒られないよね?


さあ。
この結果をどう考察するのだろう。
やっぱり早く文献を読みたいなー。
もしかしたら、メーカーがスポンサーとなっている研究の典型例が見られるかもしれない。
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てんぷれーと変更。

2016年12月27日 | ひとりごと
紹介したい文献フォルダにはもう10個以上貯まっているのだけど。
なかなか難しい。
とりあえず、冬バージョンに変更。
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認知症患者と人工呼吸

2016年12月16日 | 終末期医療
Teno JM, Gozalo P, Khandelwal N, et al.
Association of Increasing Use of Mechanical Ventilation Among Nursing Home Residents With Advanced Dementia and Intensive Care Unit Beds.
JAMA Intern Med. 2016 Dec 1;176(12):1809-1816. PMID: 27723891


アメリカのMedicareのデータベースを用いた後ろ向き研究。2000年には進行した認知症患者さんが人工呼吸を受ける頻度は1000入院あたり39だったけど、2013年にはそれが78と倍増した。そしてその増加は病院のICUのベッド数の増加と相関していた。

難しい問題だ。進行した認知症の人は人工呼吸を受けるべきか、受けるべきでないか。もちろん患者さんによって違う。認知症の程度も違うし、疾患の改善の見込みも違うし、本人が元気だった頃に言っていたことも違うし、それを家族が推測した結果も違うし。
でも、一般論として、どちらなんだろう。
個人的には比較的明確に答えを持っているけど、それって正しいのだろうか。自信がない。

一つ面白いデータとして、2013年のアメリカでは、進行した認知症で栄養チューブが使用されていた頻度は5.6%だったのだそうだ。それなのに、今回の研究では同時期に人工呼吸を受けた人の3分の1が栄養チューブを使用されていた。つまり、積極的な治療を望む家族がICUでの人工呼吸の使用も希望したのではないか、とEditorialで考察されている。

もう一つは、ICUのベッド数が増えると人工呼吸が増えるという点。そうなりがちなのは分かる。ICUが一杯だったら断りやすいし。

何が正しいのかは自信ないけど、少なくとも、家族の希望でもなくICUのハードでもなく、もっと違うところで決めるべきだと思う。
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慈恵ICU勉強会 161206

2016年12月15日 | ICU勉強会
6日 Critical Care Outreach

Rapid responseではなく、critical care outreachに焦点を当ててみた。
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PEによる心停止とtPA

2016年12月11日 | 呼吸
Papanikolaou J, Spathoulas K, Makris D, et al.
Thrombolysis for Massive Pulmonary Embolism in a Patient with Hemorrhagic Shock.
Am J Respir Crit Care Med. 2016 Dec 1;194(11):e15-e16. PMID: 27529567.


AJRCCMのケースレポートを読むのは個人的にちょっと珍しい。紹介するのは初めてだし。
66歳女性、血胸で出血性ショックとなり、輸血で対応していたら、突然心停止。蘇生中のエコーで右心室が大きいので、PEを疑ってtPA投与。そしたら蘇生して、数日で循環動態は安定、出血性合併症なし。

The “time is life” aphorism fits better than the “first, do no harm” .

うーん。なかなか難しい判断だが、N=1の結果は結果。ただし、神経予後の記載はない。
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頭部外傷後のけいれん予防はフェニトインかレベチラセタムか

2016年12月10日 | 神経
についてのメタ解析。

Khan NR, VanLandingham MA, Fierst TM, et al.
Should Levetiracetam or Phenytoin Be Used for Posttraumatic Seizure Prophylaxis? A Systematic Review of the Literature and Meta-analysis.
Neurosurgery. 2016 Dec;79(6):775-782. PMID: 27749510.


7つの研究があった。RCTは1つだけ。対象症例の合計は1186例。けいれんの発生頻度はレベチラセタムが5.4%、フェニトインが3.4%で、有意差なし。
結論は、「頭部外傷後に予防目的で抗けいれん薬が投与されている患者さんはたくさんいるのに、どの薬を選択するべきかについての情報がこんなに少ないのは驚きだ。」

まったく、その通り。
ちなみに、日本での静注薬の販売価格。

アレビアチン250mg:128円
ホストイン750mg:6361円(予防投与を375mgでするとしても、値段は変わらない)
イーケプラ500mg:1978円(1日2回投与すると、この倍)

血管炎の心配をする必要がなくて、血圧低下も少なくて、配合禁忌の心配もいらない。そのために6361/128=49.7倍のコスト。
新薬で効果比較がまだ十分にされていないけど、上記に加えて薬剤相互作用も気にしないで済む。そのために1978*2/128=30.9倍のコスト。

薬剤相互作用に注意しながら、生食で作ったCVPのラインからゆっくり投与すれば副作用も起こらない。ちょっと前まではみんなそうしていたはずだが。
日本って、お金持ちだ。
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脳出血急性期の血圧コントロールについての意見

2016年12月09日 | 神経
別の雑誌に、同じ研究、つまりATACH IIとINTERACT IIについての意見が書いてあった。

Butcher K, Selim M.
Acute Blood Pressure Management in Intracerebral Hemorrhage: Equipoise Resists an Attack.
Stroke. 2016 Dec;47(12):3065-3066. PMID: 27895301.

どちらの研究も基本的には血圧を下げることが予後の改善には繋がらないという結果だったけれども、いろいろ問題もあるし、例えば病院前から高圧を始めるとか、MRIで患者選択するとか、検討の余地はあるのでは。実際、自分も含め降圧治療を続けている人はいるし。

Starke RM, Peterson EC, Komotar RJ, et al.
A Randomized Clinical Trial of Aggressive Blood Pressure Control in Patients With Acute Cerebral Hemorrhage.
Neurosurgery. 2016 Dec;79(6):N17-N18. PMID: 27861410.

INTERACT IIでは神経予後が降圧群の方がちょっと良かったけど、スタディデザイン的にATACH IIの方がちゃんとしている気がするし、現状では収縮期血圧のターゲットは140と180の間にするのが妥当じゃないのかな。

両方とも2ページ弱の短い文章。同じ結果を見ても、意見は違う。
吟味した上での結論なのだから、それはそれでどちらも正しい。
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血管内冷却による低体温療法の脳梗塞に対する有用性

2016年12月08日 | 神経
2日続けてStrokeから脳梗塞についての多施設RCT。

Lyden P, Hemmen T, Grotta J, et al.
Results of the ICTuS 2 Trial (Intravascular Cooling in the Treatment of Stroke 2).
Stroke. 2016 Dec;47(12):2888-2895. PMID: 27834742.


これまたちょっと複雑。
・まずICTus trialで12〜24時間の血管内冷却の安全性評価
・次にICTus-LでtPA投与後の脳梗塞に対する血管内冷却の効果判定。シバリング対応のプロトコルを作ったけど、治療群の方が肺炎の発生頻度が高く、薬剤介入の方法に問題があったかも。
・肺炎を予防するプロトコルをさらに工夫して、今回のICTuS-2で改めて血管内冷却の有用性の効果を評価しようとしたけど、研究途中で脳梗塞に対する血管内治療が有効という話になり、研究デザインのやり直しが必要となったので途中で終了。

で、この文献は、肺炎がちゃんと予防できたかについて検討した結果が書いてある。
予定では1600例になるはずだったけど、120例で終了。mRSが0か1の率は低体温群33% vs. 常温群38%、死亡率は15.9% vs. 8.8%、肺炎の発生頻度は19% vs. 10.5%、どれも有意差なし。

こっちはもう止めたら、と思うのだけど、更に肺炎予防について検討して、血管内治療をプロトコルに加えて、研究を続行しそうな勢い。

多施設RCTって、ちょっと不思議。
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脳梗塞発症3~9時間後のtPA

2016年12月07日 | 神経
von Kummer R, Mori E, Truelsen T, et al.; DIAS-4 Investigators.
Desmoteplase 3 to 9 Hours After Major Artery Occlusion Stroke: The DIAS-4 Trial (Efficacy and Safety Study of Desmoteplase to Treat Acute Ischemic Stroke).
Stroke. 2016 Dec;47(12):2880-2887. PMID: 27803391.


そもそも、DIASという名前の一連の研究があるのだそうだ。
・DIASとDEDAS:ちょっと時間の経った脳梗塞に対するdesmoteplaseの安全性評価
・DIAS-2:ドーズを決めてその安全性評価、三つをまとめたメタ解析で有効性そう
・DIAS-3, DIAS-4, DIAS-J:上記の結果を踏まえ、二つのphase III RCT(3がアジアとヨーロッパ、4がアメリカとヨーロッパ)、そして日本でphase IIが行われた
・先にDIAS-3が一定の症例数に達し、効果がなさそうとのことで中止、DIAS-4も一緒に中止(DIAS-Jについての記載はなく不明)

で、今回、DIAS-4の結果と、DIAS-3, 4, Jをまとめたメタ解析が発表された、と。
結果は、再還流率が増えたけど(49.3% vs. 38.3%, P=0.019)、神経予後の改善(mRSが2以下)には繋がらず(48.9% vs. 44.9%, p=0.096)。

ちょっともったいない気もするけれども。スポンサーがこれからどうするのか、については書いてないので分からない。
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