Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

喘息重責にNPPVは有効か

2013年11月26日 | 呼吸
うってかわって、こちらはたったの3ページ。

Landry A, Foran M, Koyfman A.
Does noninvasive positive-pressure ventilation improve outcomes in severe asthma exacerbations?
Ann Emerg Med. 2013 Dec;62(6):594-6. PMID: 23769808.


メタアナリシス。5つのRCTが見つかった(合計203症例)。死亡率、挿管率、病院滞在日数、治療失敗の頻度、などについて解析、しようとした。
しようとした、というのは、やってみたけど無理だった、という意味。
例えば死亡率について報告している研究は2つあるけど、NPPV群も保存的治療群も死亡例がゼロ。
挿管率も2つの研究で報告しているけど、合計でたったの2人。

COPDに対するNPPVの有効性は、NPPVが一般的になり始めたころに死亡率の改善が(さっさと)示された。症例数の多さ/死亡率の高さ/NPPVのインパクトの大きさが理由なのでしょう。ちなみに、心原性肺水腫に対するNPPVの有効性は、挿管が防げるというのは早期から言われていたけど、死亡率も改善するという結果が出るまでは時間がかかった。死亡率の低さが理由なのかな。

喘息とCOPDはまあ似たような病気なのだからNPPVは有効そうな気がするけど、根拠の大きさは全然違う、ということが確認できました。
それ以上に、知らぬ間にRCTが5つも行われていたことにビックリ。
コメント
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