IRADとは、 International Registry of Acute Aortic Dissectionのこと。
Trimarchi S, Mandigers TJ, Bissacco D, et al.
Twenty-five years of observations from the International Registry of Acute Aortic Dissection (IRAD) and its impact on the cardiovascular scientific community.
J Thorac Cardiovasc Surg. 2023 Jul 13. Epub ahead of print. PMID: 37453718.
IRDのデータベースを利用した研究は97あり、各国の19のガイドラインに69研究が参照されていた、と。
結論:「RADは、急性大動脈解離患者の予後を改善するために、観察、信頼できる知識、研究課題を提供する重要な役割を担ってきたし、現在も担っている。」
つい先日、僕がいた部屋の外から、「JIPADなんて全然興味ない、だって病院が得するだけでしょ?」という会話が聞こえてきた。全然イラっとしたりはせず、こういう人にどうやってデータベースの意義を理解してもらったらいいのだろう、と冷静に考え出した自分に少し驚いた。
毎年、今くらいの時期に集中治療医学会から認定施設向けに調査が行われる。そのうち20項目くらいは患者情報(症例数、治療内容、重症度スコアなど)を提供しないといけない。今年も先週、部長から依頼されたのだけど、JIPADのアプリにはこれを一気に示す機能がついていて、数クリックで数字が全部出る。1分もかからない。JIPADに参加していなくて自前でデータベースを作っていない施設ではそれなりに手間をかけているのだろうと想像すると、簡便さにちょっと笑ってしまった。
JIPADのデータを用いた研究は、すでにこれだけ発表されている。これ以外にも40以上の研究が進行中。参加施設は基本的に自由にデータを利用できる(直近で約30万例)。
自分の施設で研究をやろうと思った時でも、JIPADがあると患者背景や治療内容や重症度スコアや予後は収集する必要がない。部門システムからデータを出力して加工したら、JIPADと合わせれば簡単に数千例のデータを使った研究になる。
自治さいたまでやっている、ICU患者のデータベース作成とそれを使った予後予測を自治本院でも導入しようとしているのだけど、本院はまだJIPADが本格稼働していないので、部門システムから抽出される情報だけだとどうしても限界がある。例えば患者情報が乏しい。病名とか既往歴とか入室経路とか。人がこれらの情報なしに部門システムの経過表を見ても病態は理解できないことから容易に予測される通り、AIによる予測も当然限界がある。
これだけじゃ足りないかなー。
Trimarchi S, Mandigers TJ, Bissacco D, et al.
Twenty-five years of observations from the International Registry of Acute Aortic Dissection (IRAD) and its impact on the cardiovascular scientific community.
J Thorac Cardiovasc Surg. 2023 Jul 13. Epub ahead of print. PMID: 37453718.
IRDのデータベースを利用した研究は97あり、各国の19のガイドラインに69研究が参照されていた、と。
結論:「RADは、急性大動脈解離患者の予後を改善するために、観察、信頼できる知識、研究課題を提供する重要な役割を担ってきたし、現在も担っている。」
つい先日、僕がいた部屋の外から、「JIPADなんて全然興味ない、だって病院が得するだけでしょ?」という会話が聞こえてきた。全然イラっとしたりはせず、こういう人にどうやってデータベースの意義を理解してもらったらいいのだろう、と冷静に考え出した自分に少し驚いた。
毎年、今くらいの時期に集中治療医学会から認定施設向けに調査が行われる。そのうち20項目くらいは患者情報(症例数、治療内容、重症度スコアなど)を提供しないといけない。今年も先週、部長から依頼されたのだけど、JIPADのアプリにはこれを一気に示す機能がついていて、数クリックで数字が全部出る。1分もかからない。JIPADに参加していなくて自前でデータベースを作っていない施設ではそれなりに手間をかけているのだろうと想像すると、簡便さにちょっと笑ってしまった。
JIPADのデータを用いた研究は、すでにこれだけ発表されている。これ以外にも40以上の研究が進行中。参加施設は基本的に自由にデータを利用できる(直近で約30万例)。
自分の施設で研究をやろうと思った時でも、JIPADがあると患者背景や治療内容や重症度スコアや予後は収集する必要がない。部門システムからデータを出力して加工したら、JIPADと合わせれば簡単に数千例のデータを使った研究になる。
自治さいたまでやっている、ICU患者のデータベース作成とそれを使った予後予測を自治本院でも導入しようとしているのだけど、本院はまだJIPADが本格稼働していないので、部門システムから抽出される情報だけだとどうしても限界がある。例えば患者情報が乏しい。病名とか既往歴とか入室経路とか。人がこれらの情報なしに部門システムの経過表を見ても病態は理解できないことから容易に予測される通り、AIによる予測も当然限界がある。
これだけじゃ足りないかなー。