Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

不作為の時を超えて

2019年07月31日 | 勝手に紹介
HPVワクチン 不作為の時を越えて

間違った方向に完全に行ききってしまったことをどうやって正しい方向に戻すか、
意見を異にする人たちをどうまとめて一つの形にするか、
なんか、偉いわー、立派だわー。
僕にはとてもじゃないけどできない。

不作為かー、他にもたくさんある気がするなー。うーん。
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慈恵ICU勉強会 190723

2019年07月30日 | ICU勉強会
7月23日 DEXによる早期の鎮静(JC-NEJM)

SPICE III、やっとやりました。
DEXの開始量が多いんじゃないかとか、そのわりにプロポフォールの併用頻度が高いんじゃないかとか、深鎮静ってそんなに必要かとか、やけに除外が多いんじゃないかとか、いろいろ突っ込みどころはあるけれど。
DEXという薬剤は、生命予後に影響を与える薬ではなく、あくまで鎮静剤の選択肢の一つであり、せん妄は減らすけど循環器系合併症は増えるので、それを考慮して選択しましょう、という理解で良さそうに思う。

ぐるっと回って元に戻った感じ。

ついでに、せん妄を減らしても生命予後には関係なさそうだ、という情報も追加されている。これも、ぐるっと回って元に戻る、の一つか。
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ICU内の雑音をマッピング

2019年07月29日 | その他
Darbyshire JL, Müller-Trapet M, Cheer J, et al.
Mapping sources of noise in an intensive care unit.
Anaesthesia. 2019 Aug;74(8):1018-1025. PMID: 31066046.


図が綺麗だよ。
患者さんの枕元がうるさい、ということがよく分かる。

モニタを置く場所は別に枕元じゃなくていいし、アラーム用スピーカがモニタに付いている必要はない、よね。
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感染部位の誤診と死亡率

2019年07月28日 | 感染
Abe T, Tokuda Y, Shiraishi A, et al.; JAAM SPICE Study Group.
In-hospital mortality associated with the misdiagnosis or unidentified site of infection at admission.
Crit Care. 2019 Jun 6;23(1):202. PMID: 31171006.


日本救急医学会の研究。974例中11.6%で入院時に診断された感染部位が間違いだと判明。部位によって誤診率は異なり、肺:4.2%、腹腔:3.8%、尿路:13.6%、軟部組織:10.9%、中枢神経:58.3%だった。病院死亡率に対する誤診のオッズ比は2.66だった。

誤診率が部位によって異なるのが数字になっているのが面白い。なんか臨床経験と一致する感じ。
髄膜炎とかって、疑われるけど結構違うもんね。

そして、診断の重要性も指摘。
よい研究だと思います。
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〇〇フリー日数

2019年07月27日 | その他
Bourcier S, Hindlet P, Guidet B, et al.
Reporting of Organ Support Outcomes in Septic Shock Randomized Controlled Trials: A Methodologic Review-The Sepsis Organ Support Study.
Crit Care Med. 2019 Jul;47(7):984-992. PMID: 30889023.


臓器補助フリー日数をアウトカムとしたRCT15個のうち、ちゃんと定義が書いてあったのはだいたい半分くらい。そのうち、半分は死亡患者ではゼロにし、残りでは臓器補助を受けていない日数を加えていた。文献を比較するときは、注意しましょうね、が結論。

この話題に興味のある方は、こちらの過去ログもどうぞ。
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ICMに掲載された文献のダウンロード数

2019年07月26日 | その他
Timsit JF, Citerio G, Lavilloniere M, et al.
Determinants of downloads and citations for articles published in Intensive Care Medicine.
Intensive Care Med. 2019 Jul;45(7):1058-1060. PMID: 30788522.


2012年と13年にICMに掲載された全文献のダウンロード数と他の文献での参照数を調査。原著論文だけでなく、レビューとかガイドラインとか"what's new"とか全部。
ダウンロード数の中央値は696、参照数は6。

臨床研究の文献は、実験に比べ2倍のダウンロード数だけど、ガイドラインはその10倍、レビューは2倍、"what's new"ですら1.5倍もある。
そして、open accessにすると1.49倍に増える。

2012-13年って、ICMのimpact factorがテイクオフする前だけどね。
それでもICMに文献載せるのって簡単じゃなかったのに、そっかー、せいぜい700人かー、PDFで読んでくれるのは。オープンアクセス、お金かかるし。。。
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上大静脈を経胸エコーで見る

2019年07月25日 | 循環
Ugalde D, Haruel PA, Godement M, et al.
Transthoracic echocardiography to evaluate the superior vena cava in critically ill patients: window description and pilot study.
Intensive Care Med. 2019 Jul;45(7):1052-1054. PMID: 31041478.


単純に知らなかった。
大動脈越しに、呼吸性変動まで計測できてしまうとは。
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腸球菌菌血症と心内膜炎

2019年07月24日 | 感染
Dahl A, Iversen K, Tonder N, et al.
Prevalence of Infective Endocarditis in Enterococcus faecalis Bacteremia.
J Am Coll Cardiol. 2019 Jul 16;74(2):193-201. PMID: 31296291.


344例のEnterococcus faecalisによる菌血症患者のうち、90例(26.1%)がIEと診断された。

あれ?
ブ菌は10%がIEで、腸球菌はそれより多いと、ずっと前に教わった気がしていたので、こんな研究がJACCに載っているのを見てビックリ。
そうなんだ、あまりちゃんとした研究はなかったんだね。

4人に1人か。やっぱ多いな。
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慈恵ICU勉強会 190716

2019年07月23日 | ICU勉強会
7月16日 看護介入によるICU患者のPTSD予防

この文献この文献の紹介、比較、考察をICUナースがやってくれた。どちらもICU患者の長期のPTSD発症予防を目的とした、ナースによる介入のRCT。片っぽはネガティブ、もう片っぽはポジティブ。

PTSDそのものを減らそうとしても効果ないけど、環境を良くすると減るかもという話で、面白かったです。
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MRSA患者による救急外来の汚染

2019年07月22日 | 感染
Liang SY, Jansson DR, Hogan PG, et al.
Emergency Department Environmental Contamination With Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus After Care of Colonized Patients.
Ann Emerg Med. 2019 Jul;74(1):50-55. PMID: 30732980.


1年以内にMRSAが検出されたことのある42例。体の5ヶ所から培養検体を採取、使用した救急室の16ヶ所からも検体採取。その結果、60%が現在もMRSAが検出され、そのうちの76%で部屋からもMRSAが検出され、そのうち84%は患者と同じ株と判断された。

つまり、MRSAの既往がある患者さんを診察したら、40%の確率で使用した部屋がMRSAで汚染されるということ。

当院では、過去に接触感染が必要な多剤耐性菌が検出された患者さんには電子カルテの名前の横に印がつく。その患者さんが入院したら、監視培養結果が陰性と判明するまでは接触感染対策が行われる。このルールは救急外来受診時も施行されている、はず。

きっと正しいルールなのだろうと思っていたけど、数字として示されると、より納得がいくね。
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