Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

ICU医師の勤務表

2017年06月30日 | ICU・システム
Geva A, Landrigan CP, van der Velden MG, Randolph AG.
Simulation of a Novel Schedule for Intensivist Staffing to Improve Continuity of Patient Care and Reduce Physician Burnout.
Crit Care Med. 2017 Jul;45(7):1138-1144. PMID: 28362643.


ちゃんと読んでないのだが、医者の勤務表を工夫したらいい感じになったよ、という机上の計算だけな気がする。
それでCCMに載ってしまうのか?
昨日の文献もそうだが、大丈夫か、CCM?

そういえば2016年のimpact factorが最近出ていたな。ICMやCCはメールで今年のimpact factorを送って来たが、CCMは気がつかなかった。ホームページを見ても、まだ去年のまま。で、調べて見たところ、7.422が7.050に下がっている。
栄枯盛衰か。

毎年作っている図をそろそろ今年も作ろっと。
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蘇生チームの性差

2017年06月29日 | 循環
Amacher SA, Schumacher C, Legeret C, et al.
Influence of Gender on the Performance of Cardiopulmonary Rescue Teams: A Randomized, Prospective Simulator Study.
Crit Care Med. 2017 Jul;45(7):1184-1191. PMID: 28622215.


ふーむ。
珍しい研究だ。目的も、方法も、結果も。
しかもCCMに載っている。

男の方がヤブ医者だ、という研究は何度か読んだ気がするが、状況はどうあれ逆のパターンは初めて見た。

「リーダシップは教育可能だ」と結論にあるが、うーん、性別とは関係なしに、どーだろうか。
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静注のアセトアミノフェンの効果

2017年06月28日 | その他
何度か過去に触れた話題の気がするが、検索しても出てこない。気のせいか?

Schell-Chaple HM, Liu KD, Matthay MA, et al.
Effects of IV Acetaminophen on Core Body Temperature and Hemodynamic Responses in Febrile Critically Ill Adults: A Randomized Controlled Trial.
Crit Care Med. 2017 Jul;45(7):1199-1207. PMID: 28319467.


アセトアミノフェンを投与すると、バイタルサインは2時間後が一番変化が大きくて、体温が0.8度、平均血圧が13mmHg、収縮期血圧が24mmHg下がる。Figure 2が綺麗だけど、SEMで書いてあるので、実際は人によってはもっとガッツリ下がる。

日本でも保険適応が通って以来多用されているようで、自分の職場でもよく見かける。実際、結構血圧が下がる。だけどあまり認識されていないらしく、しかも下がるのがしばらく後なので、どうして下がったんだろうなんていう会話が時々聞かれる。

なんとなく、肝障害以外は副作用の少ない良い薬、というイメージがあるかもしれないが、そうでもないよね、という話。
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蘇生中の心電図

2017年06月27日 | 心電図
Robert J, Derkenne C, Jost D, Tourtier JP.
Out-of-Hospital Cardiac Arrest: An Underlying Reversible Cause.
Circulation. 2017 Jun 20;135(25):2564-2566. PMID: 28630270.


まあ教科書レベルと言われればそうだけれども。
ICUでも使える大事な知識だと思うので。
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慈恵ICU勉強会 170613 170620

2017年06月26日 | ICU勉強会
13日 Awake ECMO
13日 敗血症患者の人工呼吸とDEX(JC-JAMA)
20日 気管切開ガイドライン(JC-JCC)


まとめて3つ。

ICUにおける気管切開のガイドラインって、ありそうでないんだよね。
国際雑誌に出たのはこれが初めてかも?
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CRRT40周年記念

2017年06月25日 | 腎臓
Ronco C.
Continuous renal replacement therapy: forty-year anniversary.
Int J Artif Organs. 2017 May 31. PMID: 28574107.


Dr. Claudio Roncoは、CRRTの第一人者と言っていいのではないか。
その人が、CRRTの歴史を振り返っている。
ググってみると、1976年卒業だから、ほぼ自分の歴史でもあるんでしょう。

写真もたくさんあるし、CRRTが好きな人には面白いかも。
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RRT中の低リン血症

2017年06月24日 | 腎臓
もうこの流れでAKI関連を続けてしまおう。

Lim C, Tan HK, Kaushik M.
Hypophosphatemia in critically ill patients with acute kidney injury treated with hemodialysis is associated with adverse events.
Clin Kidney J. 2017 Jun;10(3):341-347. PMID: 28616212.


CKJはまだ新しい雑誌なのでimpact factorがないけど、NDTの姉妹誌なので、もうすぐ2-3点くらいは付くのではないか。
そんな雑誌に、ICUでRRTをした96例中25例に低リン血症が起こって、その人たちは予後が悪かったです、という文献が載ってしまう。
つまり、それだけ低リンについての研究の数が少ないということだ。
日常的に測定して補正しているというのに。困ったことだ。

あ、これも研究課題になるんじゃないか?
ただし、もう介入研究をやるしかないけど。
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AKIの定義の10個の欠点

2017年06月23日 | 腎臓
これが最後。

Schetz M, Schortgen F.
Ten shortcomings of the current definition of AKI.
Intensive Care Med. 2017 Jun;43(6):911-913. PMID: 28220225.


タイトル通りの内容。
2ページ半で、よくまとまってます。

ちなみに、著者のDr. Schetzが、IITを今でもやってるよと答えてくれた人

さらにちなみに、参照文献の最後にこのマイナーな研究が参照されていて、びっくり。よく見つけたな。
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RRT中の抗菌薬の投与量

2017年06月22日 | 腎臓
調子に乗って、AKI特集号からもうちょっと紹介することにする。

Roberts JA, Lefrant JY, Lipman J.
What's new in pharmacokinetics of antimicrobials in AKI and RRT?
Intensive Care Med. 2017 Jun;43(6):904-906. PMID: 28386727.


2ページですごく短いので、これを読んでも投与量をどうしたらいいかは分からない。
何が分かるかというと、サンフォードを見て投与量を決めるのは馬鹿らしい、ということぐらい。
それだけでも十分だと思う人は読んでごらん。
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ICU患者に造影剤腎症は起こるか?

2017年06月21日 | 腎臓
まあ、この特集の中で面白いと思うやつを強いて挙げるとしたら、これかなー。

McDonald JS, McDonald RJ, Williamson EE, et al.
Post-contrast acute kidney injury in intensive care unit patients: a propensity score-adjusted study.
Intensive Care Med. 2017 Jun;43(6):774-784. PMID: 28213620.


Ehrmann S, Quartin A, Hobbs BP, et al.
Contrast-associated acute kidney injury in the critically ill: systematic review and Bayesian meta-analysis.
Intensive Care Med. 2017 Jun;43(6):785-794. PMID: 28197679.


一つ目は造影CTを施行した人と単純CTを施行した人をマッチングして比較した一施設観察研究、もう一つは10個の比較研究をまとめたメタ解析。どちらも基本的に造影剤はICU患者にAKIを起こさないが結論。
重症患者にはAKIが起こる理由がたくさんあるから、造影剤の影響は小さい。

もちろん、そんなわけない。
普通の人でも一定の確率で起こるし、腎臓が悪い人ではもっと起こるのだから、当然ICU患者でも起こる。
ただ、それを比較研究としてやっても、発生頻度的に決して大きくないだろうし、結局は造影剤を使っても良い(悪い)という判断が行われているのだから、どうしてもバイアスが消せない。

造影剤を使用するかどうかのRCTなんて誰もやらないだろうから、この話題は永遠にこのまま。
腎臓が大事か診断価値が大事か、いつも天秤にかけましょう。
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