Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

CRP vs. プロカルシトニン

2013年10月13日 | 感染
Oliveira CF, Botoni FA, Oliveira CR, et al.
Procalcitonin versus C-reactive protein for guiding antibiotic therapy in sepsis: a randomized trial.
Crit Care Med. 2013 Oct;41(10):2336-43. PMID: 23921272.


ブラジルの2つのICUに入室した重症敗血症もしくは敗血症性ショックの患者に対する抗菌薬の投与期間を、CRPで決めるかプロカルシトニンで決めるかでRCT(N=94)。ただし、どちらのバイオマーカーがいくつであろうとも、SOFAスコアによる重症度が高い症例では最低7日間は投与し、低い症例では感染症の明らかな改善が認められれば7日以前に中止した。その結果、抗菌薬の投与期間はCRP群が6日、プロカルシトニンが7日(p=0.13)、死亡率はどちらも同じだった。

規模の小さなRCTなので、これで何が言えるかというほどのものでもないけど、
・プロカルシトニンは別に偉くない
・CRPは別にダサくない
という印象を受ける、というか再確認される。

プロカルシトニンはしばらく前に鳴り物入りで出てきたけど、それほどでもないことが分かってきて、抗菌薬の終了時期を決めるのには有用かもしれない、というのが残っていたけど、それもCRPに負けるくらいなら、無くても全然困らない。

CRPが悪者扱いされるのは、CRPの絶対値だけを見て判断する(患者さんの状態も見ないし、CRPの推移も見ない)人がいるからであって、CRPそのものが無意味、ということではない。

そんなことが再確認できる研究。
再確認というのは、臨床で受ける印象と同じ、という意味。

そういえば、CRPについてはClinical Q&Aにまとめてあったんだった。ご参考に
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